人間の脳の一部に、前頭葉というものがある。
この前頭葉は、意欲や感情のコントロール、思考や想像のスイッチ機能を果たしていると考えられている。
前额叶被认为负责动机和情感的控制,以及思维与想象之间的切换功能。
そして、長期記憶を保持する役割も担っている。
しかしここが、脳の中で一番早く老化が始まるのだという。
前頭葉の老化に拍車をかけると懸念されているものがある。
デジタルだ。
人間がパンコンやスマートフォン、インターネットなどに頼り過ぎるようになったことで、自分の頭の中に情報や知識を蓄積したり、繰り返し引き出す機会が減った。
随着人们越来越依赖电脑、智能手机和互联网,将信息和知识储存在自己头脑中,并频繁提取这些内容的机会也在减少。
それが前頭葉の老化をいっそう促しているという指摘がある。
デジタルの中に蓄えられる莫大な情報を、人間に新たに与えられた「外部脳」だと解釈し、これが人間の効率化につながるのだという見解が増えた。
越来越多的观点认为,积累在数字世界中的大量信息可以被视为赋予人类的“外部大脑”,这正在提高人类的效率。
外部脳を持てば、自分の脳を記憶装置にせず、思考の場として徹底できる、そう考える専門家も少なくない。
许多专家认为,如果有外部大脑,人类就不会把自己的大脑当作储存记忆的装置,而是能够将其彻底作为思考的场所来利用。
かし、外部脳に頼ることの代償が前頭葉の老化促進だとすれば、この考えに対しては慎重に対峙しなければならない。
但是,如果依赖外部大脑的代价是加速前额叶的老化,那么我们就需要谨慎对待这种观点。
自分の脳の中に情報や知識を記憶し、それを駆使してこそ生まれる連想や判断というものがある。
人类只有将信息和知识储存在自己的大脑中,并加以运用,才能产生联想和判断。
これを頻繁に繰り返すことで、人間の脳の潜在力が引き出され、老化も防ぐことができる。
外部脳ができたことを謳歌する前に、自分の脳を鍛え、活用することの重要性を再認識する必要がありそうだ。
闇雲にデジタルへ脳の役目を託すことは、危険を伴うと言わざるを得ない。
外部脳に人間の脳が持つ元来の力を奪われかねないのだから。