日本新闻: 「都道府県版ジェンダー・ギャップ指数」公表

3月つき8日にちの国際こくさい女性じょせいデーにあわせて、ことしの「都道とどう府県ふけん版ばんジェンダー・ギャップ指数しすう」が公表こうひょうされました。このうち、都道とどう府県ふけんが開ひらく「防災ぼうさい会議かいぎ」は、女性じょせい委員いいんの割合わりあいを半数はんすう近ちかくに増ふやしたところがある一方いっぽう、1割わりほどにとどまるところもあり、自治体じちたい間かんで大おおきな差さが生しょうじています。

「都道とどう府県ふけん版ばんジェンダー・ギャップ指数しすう」は、上智じょうち大学だいがくの三浦みうらまり教授きょうじゅらによるグループが、政治せいじや行政ぎょうせいなど4分野ぶんや、30指標しひょうの男女だんじょ比ひを分析ぶんせきしたもので、今回こんかいが4回かい目めとなります。

政治せいじは、東京とうきょう都とが4年ねん連続れんぞく1位いでした。知事ちじが女性じょせいであることや、都議とぎ会かいで女性じょせい議員ぎいんの割合わりあいが全国ぜんこくで唯一ゆいいつ、3割わりを上回うわまわっていることなどが主おもな要因よういんです。

2024年ねんの国政こくせい選挙せんきょで、女性じょせいが当選とうせんした青森あおもり県けんや島根しまね県けんなどは順位じゅんいが大おおきく改善かいぜんしました。

行政ぎょうせいは、鳥取とっとり県けんが4年ねん連続れんぞく1位いでした。長年ながねん、女性じょせいの管理かんり職しょく登用とうようなどに取り組とりくんできた成果せいかが表あらわれた形かたちです。

また、都道とどう府県ふけん職員しょくいんの育休いくきゅう取得しゅとく率りつの男女だんじょ格差かくさについては、すべての自治体じちたいで改善かいぜんがみられています。

この行政ぎょうせいの指標しひょうの一ひとつが、都道とどう府県ふけんが設置せっちする防災ぼうさい会議かいぎで、女性じょせい委員いいんの割合わりあいが最もっとも多おおいのが、徳島とくしま県けんで47％、2番目ばんめが滋賀しが県けんで46％でした。

この会議かいぎの委員いいんは、警察けいさつや自衛隊じえいたいの代表だいひょうなどで構成こうせいされるため、男性だんせいが多おおい傾向けいこうにありますが、これらの自治体じちたいでは、県けんの条例じょうれいを改正かいせいして、委員いいんの定数ていすうを増ふやすことなどで女性じょせいを多おおく登用とうようしているということです。

その結果けっか、滋賀しが県けんでは、県けんの防災ぼうさい計画けいかくに女性じょせい委員いいんの意見いけんが反映はんえいされて、避難ひなん所しょで搾乳さくにゅうスペースを確保かくほすることが新あらたに盛り込もりこまれました。

また、宮崎みやざき県けんでは、若手わかての女性じょせい職員しょくいんの意見いけんから、備蓄びちくしていた女性じょせいの生理せいり用ようナプキンを、ショーツに固定こていしづらい「羽はねなし」タイプから、「羽はねつき」タイプに見直みなおすことを決きめたということです。

一方いっぽう、山梨やまなし県けんや山形やまがた県けん、それに愛媛えひめ県けんでは、女性じょせい委員いいんの割合わりあいが1割わりほどにとどまり、自治体じちたい間かんの差さが大おおきいのが実情じつじょうです。

災害さいがい時じに女性じょせいの避難ひなん者しゃが直面ちょくめんしてきた課題かだいを、当事者とうじしゃの目線めせんに立たって対策たいさくを進すすめる自治体じちたいが出で始はじめたことについて、三浦みうら教授きょうじゅは「こうした分野ぶんやは、自治体じちたいが本気ほんきで取り組とりくめば改善かいぜんできる。女性じょせいを増ふやすことはゴールではなく、あくまで通過つうか点てんであり、その先さきにどんな地域ちいきや組織そしきを目指めざすかを考かんがえて対策たいさくを打ち出うちだすことが重要じゅうようだ」と話はなしています。

宮崎みやざき県けん女性じょせいの意見いけん取り入とりいれ備蓄びちくの見直みなおしも

南海なんかいトラフ巨大きょだい地震じしんに備そなえて、宮崎みやざき県けんでは災害さいがい時じの備蓄びちくについて、女性じょせいの意見いけんを取り入とりいれて見直みなおしを進すすめています。

県けんでは、避難ひなん所しょなどで必要ひつような女性じょせい用ようの生理せいり用ようナプキンを、およそ5万まん枚まい備蓄びちくしていますが、女性じょせいの多おおくが利用りようしている「羽はねつき」ではなく、ショーツに固定こていしづらい「羽はねなし」タイプでした。

これは、数値すうち目標もくひょうや価格かかくを考慮こうりょしたものでしたが、新卒しんそつの女性じょせい職員しょくいんから「これでは寝返ねがえりもうてない」などと意見いけんがあがったことから、新しん年度ねんどから「羽はねつき」のナプキンに見直みなおしを図はかることになったということです。

さらに、避難ひなん所しょでの配付はいふ方法ほうほうも、申告しんこくがあった枚数まいすうだけを渡わたすのではなく、パックごと渡わたすことで、女性じょせいが受け取うけとりやすくなるよう見直みなおしたということです。

災害さいがい時じの備蓄びちくを担当たんとうする県けん危機きき管理かんり課かの池野いけの拓也たくや主査しゅさは「女性じょせいの意見いけんを聞きいた時ときに、初はじめて『羽はね』があることを知しり驚おどろきました。男性だんせいだけでは気付きづかないこともあるので、女性じょせいや当事者とうじしゃの意見いけんを踏ふまえて防災ぼうさい対策たいさくを進すすめていく必要ひつようがあると思おもう」と話はなしていました。