日本新闻: 軍事侵攻後初の戦争犯罪裁判ロシア兵に終身刑キーウ裁判所

軍事ぐんじ侵攻しんこう後ご初はつの戦争せんそう犯罪はんざい裁判さいばんロシア兵へいに終身しゅうしん刑けいキーウ裁判所さいばんしょ

May 23, 2022 21:05

Furigana

ロシアによる軍事ぐんじ侵攻しんこう後ご初はじめて、ロシア軍ぐんの兵士へいしが戦争せんそう犯罪はんざいに問とわれた裁判さいばんで、ウクライナの首都しゅとキーウの裁判所さいばんしょは検察けんさつの求刑きゅうけいどおり終身しゅうしん刑けいを言い渡いいわたしました。

キーウの裁判所さいばんしょには23日にち、多おおくのメディアが詰つめかけるなか、ロシア軍ぐんの戦車せんしゃ部隊ぶたいに所属しょぞくするワジム・シシマリン軍曹ぐんそう（21）が出廷しゅっていしました。

軍曹ぐんそうは、軍事ぐんじ侵攻しんこうが始はじまった直後ちょくごの2月つき28日にち、ウクライナ北東ほくとう部ぶのスムイ州しゅうにある村むらで、自転車じてんしゃに乗のった62歳さいの市民しみんの男性だんせいに発砲はっぽうし、殺害さつがいした罪つみに問とわれました。

これまでに軍曹ぐんそうは殺害さつがいについては認みとめる一方いっぽう「狙ねらいを定さだめずに発砲はっぽうし、市民しみんを殺害さつがいするつもりはなかった」として殺意さついを否定ひていしていました。

23日にちの判決はんけつで、裁判さいばん長ちょうは上官じょうかんに命令めいれいされて狙ねらったと指摘してきした上うえで「平和へいわや人道じんどう、国際こくさい法ほうに対にたいする犯罪はんざいだ」などとして、検察けんさつの求刑きゅうけいどおり終身しゅうしん刑けいを言い渡いいわたしました。

判決はんけつの内容ないようを通訳つうやくに伝つたえられると、軍曹ぐんそうはうつむいたまま、小ちいさくうなずくようなそぶりをみせていました。

検察けんさつ当局とうきょくによりますと、ロシア軍ぐんによる戦争せんそう犯罪はんざいが疑うたがわれるケースは、5月つき13日にちの時点じてんで1万まん1239件けんに上のぼり、623人にんの容疑ようぎ者しゃを特定とくていしたということで、今後こんごも責任せきにんを追及ついきゅうすることにしています。

法廷ほうていには多おおくのメディア残忍ざんにんな行為こういを印象いんしょうづける狙ねらいか

裁判さいばんが開ひらかれた法廷ほうていには多おおくのメディアが入はいりました。被告ひこくの軍曹ぐんそうには弁護べんご人じんがついて通訳つうやくが法廷ほうていでのやりとりを同時どうじ通訳つうやくし、インターネットでも配信はいしんされました。

これまでの審理しんりでは、殺害さつがいされた男性だんせいの妻つまが出廷しゅっていし、軍曹ぐんそうに「犯おかした罪つみを後悔こうかいしていますか」と直接ちょくせつ尋たずねる場面ばめんもあり、軍曹ぐんそうは「罪つみを認みとめます。あなたが私わたしを許ゆるせないことは理解りかいしています」などと答こたえていました。

ウクライナ側がわは、ロシア軍ぐんの兵士へいしの裁判さいばんを公開こうかいすることで、公平こうへい性せいや透明とうめい性せいを示しめすとともに国際こくさい社会しゃかいにロシア軍ぐんによる市民しみんへの残忍ざんにんな行為こういを印象いんしょうづける狙ねらいがあるとみられます。

ロシア大統領だいとうりょう府ふ兵士へいしの身柄みがら保護ほごする方法ほうほうを模索もさく

戦争せんそう犯罪はんざいに問とわれたロシア軍ぐんの兵士へいしがウクライナで終身しゅうしん刑けいを言い渡いいわたされたことについて、ロシア大統領だいとうりょう府ふのペスコフ報道ほうどう官かんは「現地げんちで、わが国わがくにの機関きかんが活動かつどうしておらず、直接ちょくせつ保護ほごするための選択肢せんたくしは多おおくないが、ほかのチャンネルを通つうじた継続けいぞく的てきな試こころみを検討けんとうしていないわけでない」と述のべ、兵士へいしの身柄みがらを保護ほごする方法ほうほうを模索もさくする考かんがえを示しめしました。