このうち、セベロドネツクの西部で今月11日に撮影された画像には、森林地帯を流れる川に架けられた橋が河川敷を通る部分で広い範囲にわたり破壊されている様子が映されています。
この幹部は、激しい攻防が続く東部ルハンシク州のセベロドネツクについて、「きのう隣接するリシチャンシクとつながっていた最後の橋が爆破され、通れなくなっている」と述べました。 そのうえで「ウクライナ軍の部隊は永遠にセベロドネツクにとどまることになる。彼らに残されているのは2つの選択肢で、仲間の例にならって降伏するか、死ぬかだ」と述べ、降伏以外に生きる道はないと迫りました。 AP通信によりますと、セベロドネツクには1万人以上の人が、いまだ残っているということです。
クラスター爆弾は、1つの爆弾から多数の小型爆弾が飛び散り、民間人にも無差別に被害を与えることなどから、残虐な兵器として使用を禁止する国際条約があります。
その結果、クラスター爆弾に特徴的な破片や部品が見つかったなどとして、ハルキウでは4月末までのおよそ2か月間にロシア軍がクラスター爆弾を7回使用したと結論づけました。 このうち、4月15日に行われたクラスター爆弾による攻撃では少なくとも9人が死亡し、報告書には4歳の娘と夫を残して命を落とした女性のケースも紹介されています。 「アムネスティ・インターナショナル」は「ハルキウへの無差別攻撃は戦争犯罪にあたる。独立した調査と公正な裁判によって関わった人に責任をとらせるべきだ」と訴えています。
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所が13日に発表した年次報告書によりますと、各国が保有する核弾頭の総数は、ことし1月時点で1万2705発と推計され、去年から375発減少しました。 研究所はウクライナに軍事侵攻するロシアが核兵器の使用の可能性に言及していることに触れ、「核兵器が使われるリスクが冷戦以降で最も高まっている」と指摘しています。
今回のWTOの一連の会議では、ロシアによる軍事侵攻が、世界の貿易とウクライナの農作物の輸出に与える影響に強い懸念が示されました。 これについてイリイチェフ次官は、「現在の食料やエネルギーをめぐる危機のほとんどすべてはロシアとは関係がない」と述べたうえで、「軍事衝突の結果を議論するのはWTOの責任の範ちゅうではなく、それでWTOの議論が台なしにされるべきではない」と強調しました。 さらに、ロシアの軍事行動がウクライナからの食料輸出を妨げているとする指摘を真っ向から否定し、ウクライナはポーランドなどヨーロッパの国々を通過させることも、ベラルーシを経由して輸出することもできるはずだと主張しました。 そのうえで「ロシアに対する欧米側の経済制裁は、世界経済全体を不安定にしており、自由貿易の原則を完全に否定するものだ」と述べ、ロシアの孤立化を進める動きを改めてけん制しました。
アメリカのオースティン国防長官は13日、訪問先のタイの首都バンコクで記者団の取材に応じ、ロシアによる侵攻が続くウクライナへの軍事支援について、「アメリカはウクライナの成功のためにあらゆるものを供与する考えがある。彼らの領土を守るために必要なものを確実に供与することに重点を置いている」と述べました。 そのうえでオースティン長官は、ブリュッセルで15日にウクライナを支援する関係国を集めた会合を開き、ウクライナのレズニコフ国防相などから直接、話を聞くとしたうえで、「彼らが優先して必要だとするものを満たすため、われわれの努力を強化するよう努める」と述べて、支援の強化に向けて対応を協議する考えを示しました。
さらに「大量殺人、拷問、焼かれた町、そしてロシア軍が占領した地域に設置した、ナチスの強制収容所のような住民を選別する施設が、なぜ現実のものとなっているのか?」と嘆いたうえで、「ロシアにはまだ、戦争を続けようとする力や、国際社会の対応を無視する力がある」と述べ、危機感をあらわにしました。 そしてゼレンスキー大統領は「ウクライナへの兵器の供与を加速させるため力を貸してほしい。攻撃には強力な兵器が必要だ。それがなければ戦争は長引き、犠牲者が増えてしまう。皆さんからすでに多大な支援をいただいているが、さらに影響力を行使できるはずだ」と訴えました。
親ロシア派武装勢力の幹部「ウクライナ軍の部隊は降伏か死だ」
国際的な人権団体「ロシア軍はクラスター爆弾を7回使用」
「核兵器使用のリスク高まっている」スウェーデンの研究機関
WTOに参加のロシア次官 「経済制裁は自由貿易を否定」と批判
米国防長官 関係国とウクライナ支援で協議の考え示す
ゼレンスキー大統領 「兵器の供与 加速を」
セベロドネツク 中心部につながる橋にロシア軍が砲撃
セベロドネツク 「化学工場に市民およそ500人」州知事
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交などウクライナ情勢をめぐる14日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
ロシア軍が破壊したセベロドネツクの橋 衛星画像を公開