Japanese News: 最終学歴「小卒」が80万人余 10、20代も学びの確保が課題に

最終さいしゅう学歴がくれき「小しょう卒そつ」が80万まん人にん余よ 10、20代だいも学まなびの確保かくほが課題かだいに

Jun 18, 2022 05:06 1

Furigana

中学校ちゅうがっこうまで通かよえずに小学校しょうがっこう卒業そつぎょうが最終さいしゅう学歴がくれきとなっている人ひとについて、国くにが初はじめて調査ちょうさしたところ、全国ぜんこくで80万まん人にん余あまりに上のぼることが分わかりました。

80代だい以上いじょうが多おおい一方いっぽうで10代だいや20代だいの若者わかものもいて、義務ぎむ教育きょういくを受うけられなかった人ひとたちへの学まなびの確保かくほが課題かだいとなっています。

80代だい以上いじょうが9割わり

先月せんげつ公表こうひょうされた国勢こくせい調査ちょうさでは、小学校しょうがっこう卒業そつぎょうが最終さいしゅう学歴がくれきとなっている人ひとについて国内こくないの人数にんずうが初はじめて調しらべられ、おととし10月つき時点じてんで80万まん4293人にんいることが分わかりました。

年代ねんだい別べつにみると、80代だい以上いじょうが全体ぜんたいの9割わりを占しめていて、戦前せんぜんの教育きょういく制度せいどの違ちがいや、戦後せんごの混乱こんらんなどが背景はいけいにあると見みられています。

年代ねんだい別べつで見みると

一方いっぽう、

50代だいでは6663人にん、

40代だいでは6163人にん、

30代だいでは4221人にん、

20代だいでは2508人にん、

15歳さい以上いじょう20歳さい未満みまんでは302人にんと、

若わかい世代せだいでも義務ぎむ教育きょういくを受うけられていない人ひとがいます。

全体ぜんたいでは外国がいこく人じんが占しめる割合わりあいは2.5％ですが、50代だい以下いかでは50％余あまりが外国がいこく人じんとなっています。

また、従来じゅうらいから調査ちょうさされている小学校しょうがっこうも通かよえていない未み就学しゅうがく者しゃは9万まん4455人にんとなっています。

国くには、さまざまな事情じじょうで十分じゅうぶんな教育きょういくを受うけられなかった人ひとの学まなびの機会きかいを保障ほしょうするため、全国ぜんこくの教育きょういく委員いいん会かいに「夜間やかん中学ちゅうがく」の設置せっちを呼よびかけ、この春はるも新あらたに4校こう開校かいこうしましたが、15都道とどう府県ふけんにとどまっていて学まなびの支援しえんが課題かだいとなっています。

「夜間やかん中学ちゅうがく」設置せっちは15都道とどう府県ふけんにとどまる

都道とどう府県ふけん別べつにみると、最終さいしゅう学歴がくれきが小しょう学校がっこう卒業そつぎょうとなっている人ひとが最もっとも多おおかったのは北海道ほっかいどうで5万まん4000人にん余あまり、次ついで愛知あいち県けんで3万まん6000人にん余あまり、新潟にいがた県けんで3万まん5000人にん余あまり、大阪おおさか府ふが3万まん4000人にん近ちかくとなっています。

一方いっぽうで、義務ぎむ教育きょういくを受うけられなかった人ひとたちが学まなぶ「夜間やかん中学ちゅうがく」を設置せっちしているのは、この春はるに北海道ほっかいどうなどで開校かいこうした4校こうを含ふくめても15都道とどう府県ふけんの40校こうにとどまっています。

夜間やかん中学ちゅうがくがない地域ちいきのうち、宮城みやぎ県けん仙台せんだい市しや静岡しずおか県けんなど3県けんで来年らいねんや再さい来年らいねんに開校かいこうするほか、鳥取とっとり県けんや群馬ぐんま県けんなど6県けんで、これから開校かいこうに向むけて検討けんとうが進すすめられています。

しかし、最終さいしゅう学歴がくれきが小しょう学校がっこう卒業そつぎょうの人ひとが多おおくいる愛知あいち県けんや新潟にいがた県けんを含ふくむ23県けんでは、設置せっちの時期じきなど具体ぐたい的てきな見通みとおしが立たっていないということで、文部もんぶ科学かがく省しょうは今回こんかいの調査ちょうさ結果けっかを受うけて、全国ぜんこくの教育きょういく委員いいん会かいに夜間やかん中学ちゅうがくの設置せっちや充実じゅうじつに取り組とりくむよう文書ぶんしょで通知つうちしました。

専門せんもん家か「多様たようなニーズに合あわせ学まなびを保障ほしょうする必要ひつよう」

子こどもの貧困ひんこんや学校がっこう教育きょういくに詳くわしい立命館大学りつめいかんだいがくの柏木かしわぎ智子さとこ教授きょうじゅは「外国がいこく人じんの未み就学しゅうがくは課題かだいとして指摘してきされており想定そうていされていたが、50代だい以下いかの世代せだいで日本人にっぽんじんでも同どう程度ていどぐらいが『小しょう卒そつ』という状況じょうきょうにあるのは憂慮ゆうりょすべき事態じたいだ。もっと早はやくからこうした実態じったい把握はあくをすべきだった。最終さいしゅう学歴がくれきが大卒だいそつの人ひとと比くらべると生涯しょうがい賃金ちんぎんに大おおきな差さがあり、貧困ひんこん状態じょうたいにも陥おちいりやすく自分じぶん自身じしんが望のぞむ生き方いきかたができない状況じょうきょうに陥おちいることが想定そうていされる。格差かくさの是正ぜせいという意味いみでも一人ひとりひとりを取り残とりのこさない教育きょういくが求もとめられる」と指摘してきしました。

そして「夜間やかん中学ちゅうがくは重要じゅうような学まなび直なおしの機会きかいを保障ほしょうする場ばで、設置せっちを進すすめるべきだが、仕事しごとや子育こそだてで通かよいにくい人ひとや一いち度ど学校がっこうに通かようのをやめた人ひとたちが再ふたたび通学つうがくすることには大おおきなハードルもあり、公的こうてきサービスにより多様たようなニーズに合あわせて学まなびを保障ほしょうする必要ひつようがある」と話はなしています。