人工衛星を
多数打ち上げて
新たな
通信事業を
行う計画を
アメリカなどの
複数の
企業が
進めていて、
天文学者の
中からは
天体観測の
妨げに
なると
懸念の
声が
上がっています。
アメリカやイギリスの複数の企業は、大量の人工衛星を使ったインターネットの新しい通信事業を計画しています。
このうちアメリカの企業は1度に60基を放出する打ち上げを去年からすでに5回行い、最終的には4万2000基打ち上げる申請をアメリカの当局にするなど、今後、人工衛星が急速に増加すると見込まれています。
人工衛星の打ち上げを調整する機関はなく、世界の天文学者で作る国際天文学連合は天体観測の妨げになるとして、早急に規制の枠組みを作ることを求める声明を出し、日本の国立天文台も世界の研究機関と足並みをそろえて解決策を図ることが重要だと懸念を表明しました。
アメリカの天文台が公開した画像では人工衛星20基以上が光を反射しながら移動する様子が光の筋となって写り込んでいて、この時は観測ができなかったということです。
また、神奈川県で夜空を撮影した動画でも、20基余りの人工衛星が筋のようになって通過する様子が確認されました。
国立天文台の大石雅寿特任教授は「観測に影響が出始めていて、今後、問題が深刻化するのは確実だ。研究者と企業側が共同して解決にあたることが重要だ」と話しています。