東京オリンピック・パラリンピックの
開催延期の
検討が
始まるなか、
陸上の
国際競技団体、
世界陸連が
来年の
夏にアメリカで
開催を
予定している
世界選手権の
日程変更を
検討していることが
分かり、
東京大会の
延期を
見据えた
動きとして
注目されています。
国際競技団体が
開催する
世界選手権のなか
でも最大規模の
陸上の
世界選手権は、
来年の
8月6日から15
日にかけて
アメリカのオレゴン
州で
開かれる
予定です。
開催延期の検討を始めた東京オリンピック・パラリンピックを来年夏に延期した場合には、こうした各競技の世界選手権とスケジュールが重なることが大きな壁になるとみられていますが、世界陸連は世界選手権の準備を進める現地の組織委員会との間で、日程変更の検討を始めたことが分かりました。
世界陸連は24日、NHKの取材に対し「現地の組織委員会とはオリンピックの開催を来年に延期する可能性について、すでに話し合いをはじめている。組織委員会は必要に応じて関係者全員と協力して別の日程でも世界選手権を開催できると話している」と述べました。
世界陸連は、IOCが東京大会の延期の検討を始めることを発表した際「IOCおよびすべてのスポーツとともに新たな日程での開催に協力する準備ができている」とコメントしていて、東京大会の延期を見据えた有力な国際競技団体の動きとして注目されています。
日本陸連「問題解決への1つの動き」
世界陸連が来年の夏にアメリカで開催を予定している世界選手権の日程変更を検討していることについて、日本陸上競技連盟の尾縣貢専務理事は、報道陣の取材に対し「いろいろな延期の選択肢があると思うが、延期のためには一つ一つの問題を解決しないといけない。『だから来年だ』とはいえないが、1つの動きだと思っている。2021年を考えれば、夏にいろいろな大会があるので今のままではできないことは分かっている」と述べました。
陸上の世界選手権とは
陸上の世界選手権は、国際競技団体の世界陸連が2年に1回、オリンピックの翌年と前年に開催するオリンピックと並ぶ世界一を競う大会で、200以上の国と地域から選手が参加します。
男子100メートルのウサイン・ボルト選手が2009年のベルリン大会で9秒58の世界新記録を樹立するなど数々の名勝負の舞台にもなってきました。
1983年の第1回大会以来、去年の中東カタールのドーハ大会まで合わせて17回開催されていて、日本では1991年に東京で、2007年に大阪でそれぞれ開かれています。
次の18回大会は2021年にアメリカのオレゴン州で予定されてアメリカでは初めての開催となります。