イスラエル軍ぐん発砲はっぽうで55人にん死亡しぼう 大使たいし召還しょうかんなど反発はんぱつ広ひろがる

これに対にたいして、エルサレムを将来しょうらい樹立じゅりつする国家こっかの首都しゅとと位置いちづけるパレスチナ側がわは各地かくちで大だい規模きぼな抗議こうぎ活動かつどうを行おこない、ガザ地区ちくでは数すう万まん人にん規模きぼのデモとなりました。

イスラエル軍ぐんは実弾じつだんを使つかって鎮圧ちんあつを行おこない、その結果けっか、パレスチナ人じんの子こども６ろく人にんを含ふくむ５ご５ご人にんが死亡しぼうし、１いち３さん５ご９きゅう人にんが実弾じつだんに当にあたってけがをしたということです。

こうした事態じたいを受うけ、トルコ政府せいふはアメリカとイスラエルに駐在ちゅうざいする大使たいしをそれぞれ召還しょうかんする方針ほうしんを決きめたとワシントンにある大使館たいしかんが明あきらかにしました。

トルコはイスラム教いすらむきょうの国くにと地域ちいきで作つくるイスラム協力きょうりょく機構きこうの議長ぎちょう国こくとなっていて、アメリカやイスラエルに対にたいしてとりわけ強つよい姿勢しせいを内外ないがいに示しめしていることから、両国りょうこくへの対抗たいこう措置そちと見みられます。

また、南アフリカみなみあふりか政府せいふも声明せいめいを発表はっぴょうし、大勢たいせいのパレスチナ人じんが犠牲ぎせいになっていることについて「最もっとも強つよい言葉ことばで抗議こうぎする」として、イスラエルに駐在ちゅうざいする大使たいしの召還しょうかんを決きめたと明あきらかにするなど反発はんぱつが広ひろがっています。

１いち５ご日にちは、パレスチナ難民なんみんがイスラエルの建国けんこくに伴ともなって故郷こきょうを追おわれてから７なな０ぜろ年ねんの節目ふしめに当あたり、衝突しょうとつがさらに激はげしくなることも予想よそうされます。

アラブ諸国しょこくもイスラエルに抗議こうぎ

抗議こうぎ活動かつどうを行おこなうパレスチナ人じんに対にたいし、イスラエル軍ぐんが実弾じつだんを発砲はっぽうして多数たすうの死者ししゃが出でている事態じたいを受うけ、アラブ諸国しょこくからイスラエルへの抗議こうぎが相次あいついでいます。

このうち、ＵＡＥゆ-えいい-＝アラブ首長しゅちょう国こく連邦れんぽうの外務省がいむしょうは「正当せいとうな権利けんりを求もとめる人ひとたちに対にたいする過剰かじょうな武力ぶりょく行使こうしで、受け入うけいれられない」と抗議こうぎしています。

また、カタール外務省がいむしょうは「犠牲ぎせい者しゃの中なかには女性じょせいや子こどもも含ふくまれ、残酷ざんこくな虐殺ぎゃくさつ行為こういだ」と非難ひなんしました。

さらに、エジプト外務省がいむしょうは「武装ぶそうしていない住民じゅうみんたちを武力ぶりょく行使こうしの標的ひょうてきにしている」と批判ひはんしました。

このように、アラブ諸国しょこくはイスラエルの対応たいおうには厳きびしい姿勢しせいを見みせていますが、アメリカとの関係かんけいの悪化あっかを避さけたい立場たちばから、アメリカがエルサレムに大使館たいしかんを移転いてんしたことへの非難ひなんは避さける国々くにぐにも少すくなくありません。

５月ごがつ１いち５ご日にち「ナクバ」の日ひとは

５月ごがつ１いち５ご日にちは、パレスチナの人ひとたちにとって故郷こきょうを追おわれた特別とくべつな日ひです。

イスラエルの建国けんこくに伴ともない、１いち５ご日にちから７なな０ぜろ年ねん前まえの１いち９きゅう４よん８はち年ねん５月ごがつ１いち５ご日にち、大勢たいせいのパレスチナ人じんが住すんでいた土地とちを追おわれて難民なんみんとなりました。

パレスチナ人じんは、アラビア語ごで「大だい惨事さんじ」を意味いみするナクバと呼よび、毎年まいとし、パレスチナ難民なんみんやその子孫しそんらが、パレスチナの旗はたや、かつて追おわれた家いえに帰かえる権利けんりの象徴しょうちょうとして鍵かぎを掲かかげて、故郷こきょうへの帰還きかんを訴うったえる抗議こうぎ活動かつどうを行おこなっています。

パレスチナ暫定ざんてい自治じち区くや隣国りんごくのヨルダン、レバノンなどで暮くらす難民なんみんは、ＵＮＲＷＡ＝国連こくれんパレスチナ難民なんみん救済きゅうさい事業じぎょう機関きかんによりますと、５ご２に６ろく万まん人にん余あまりに上のぼります。

イスラエル側がわとパレスチナ側がわの間までは、これまで、アメリカを仲介ちゅうかい役やくとする和平わへい交渉こうしょうが断続だんぞく的てきに続つづけられてきましたが、イスラエル寄よりの姿勢しせいが際立きわだつトランプ政権せいけんの発足ほっそく後ご、交渉こうしょうは暗礁あんしょうに乗り上のりあげています。

今回こんかい、トランプ政権せいけんがエルサレムをイスラエルの首都しゅとと認定にんていしたうえ、１いち４よん日にち、アメリカ大使館あめりかたいしかんをエルサレムに移転いてんしたことから、パレスチナ側がわは強つよく反発はんぱつしています。