避難ひなん先さきの教会きょうかいが空爆くうばく 緊迫きんぱくのガザ地区ちく 住民じゅうみんが語かたったことは

10月つき19日にち（日本にっぽん時間じかん20日にち）、ガザ北部ほくぶにあるギリシャ正教せいきょうの“聖きよしポルフィリオス教会きょうかい”が空爆くうばくされて、十じゅう数すう人にんが亡なくなりました。

ガザ北部ほくぶで今いまも避難ひなん生活せいかつを送おくるパレスチナの男性だんせいが、身みの危険きけんを感かんじながらも世界せかいや日本にっぽんの人ひとに「現在げんざいのガザの状況じょうきょうを知しってほしい」と、匿名とくめいを条件じょうけんに話はなしを聞きかせてくれました。

そのとき何なにが

男性だんせいはガザの状況じょうきょうが緊迫きんぱくしてまもなく家族かぞくや親族しんぞくと一緒いっしょに、この教会きょうかいに避難ひなんしました。男性だんせいによると19日にちの午後ごご8時じから午後ごご9時じごろ、突然とつぜん、教会きょうかいが空爆くうばくを受うけ関連かんれん施設しせつが破壊はかいされたと言いいます。

「とても大おおきな衝撃しょうげき音おんがして地震じしんのようだった」

この教会きょうかいに避難ひなんしていたのは当時とうじ、およそ400人にん。避難ひなんしていた人ひとどうしで協力きょうりょくして夜通よどおし、がれきに埋うずもれた人ひとの救助きゅうじょ活動かつどうを行おこなったと言いいます。

教会きょうかいに避難ひなんしていたのは、平和へいわを願ねがっている一般いっぱんの市民しみんでした。

男性だんせいが撮影さつえいした写真しゃしんには

男性だんせいが次つぎの日ひに撮影さつえいした写真しゃしんには、柱はしらが折れ曲おれまがり、建物たてものが壊こわれている様子ようすが映うつっています。建物たてもののエントランス部分ぶぶんとみられるところが完全かんぜんに壊こわれていることが分わかります。

この空爆くうばくで亡なくなったのは、十じゅう数すう人にん。男性だんせいと一緒いっしょに避難ひなんしていた親族しんぞくの男性だんせいは、がれきの中なかから10時間じかん後ごに助け出たすけだされたものの亡なくなり、親族しんぞくの女性じょせいも背骨せぼねや腰こしの骨ほねなどを折おる重傷じゅうしょうを負おいました。今いまも病院びょういんで手当てあてを受うけています。

この空爆くうばくで亡なくなった人ひとの多おおくが女性じょせいと子こどもだったと言いいます。

ガザ地区ちくの男性だんせい

「亡なくなった親族しんぞくは医師いしでした。爆撃ばくげきにあった建物たてものにいて助け出たすけだせずに、見みつかった時ときには亡なくなっていました。まだ信しんじられない思おもいです。とても悲かなしい日ひでした。あらゆるところが標的ひょうてきにされていて、私わたしの人生じんせいの中なかで最もっとも怖こわい体験たいけんでした」

“ガザの町まちはゴーストタウンに”

男性だんせいは今いまも北部ほくぶに滞在たいざいしています。

常つねに空爆くうばくの音おとが聞きこえ、身みの危険きけんを感かんじると言いいます。

「ガザの町まちはゴーストタウンです。すべて破壊はかいされていて、ゾンビ映画えいがのような世界せかいでとても怖こわいです。もうどれくらいたったか、いまが何なん日にちか、何なに曜日ようびかそういう感覚かんかくをすべて失うしなっています」

南部なんぶに避難ひなんしない理由りゆうは

10月つき23日にち、男性だんせいのもとに南部なんぶに避難ひなんするよう呼よびかける新あらたな情報じょうほうが届とどきました。

男性だんせいが見みたチラシには「ガザ地区ちくの北部ほくぶから南部なんぶに避難ひなんしない者ものはテロ組織そしきの仲間なかまと見みなす可能かのう性せいがある」という内容ないようが書かかれていたといいます。

それでも南部なんぶには避難ひなんできない理由りゆうがあると話はなしました。

「南部なんぶに避難ひなんしろという警告けいこくは知しっています。しかし南部なんぶにも空爆くうばくがあり、安全あんぜんが確保かくほされていないんです。どこが安全あんぜんなのか情報じょうほうが無なく、居場所いばしょもなく、どこを頼たよったらいいか分わかりません。実際じっさいのところ行いけないんです」

北部ほくぶへの物資ぶっしは

現在げんざい、ラファの検問けんもん所しょから少すこしずつ物資ぶっしが入はいっている状況じょうきょうですが、男性だんせいはこの物資ぶっしは南みなみに避難ひなんしている人ひとたちへの物資ぶっしで、北側きたがわに残のこる人ひとたちは対象たいしょうにならないと言いいます。

その上うえで、物資ぶっしがいつ足たりなくなってもおかしくないと言いいます。

「教会きょうかいの中なかで物資ぶっしを貯蔵ちょぞうしていた建物たてものが空爆くうばくでやられてしまって、そこに置おいていた水みずや食料しょくりょうが失うしなわれてしまった状況じょうきょうです。まだしばらくはなんとか大丈夫だいじょうぶですが、食料しょくりょう集あつめなどにみんなで協力きょうりょくして奔走ほんそうしています」

世界せかいへ 日本にっぽんへ 伝つたえたいこと

男性だんせいは「教会きょうかいに逃にげているのは、キリスト教きょうのコミュニティーで平和へいわを信しんじる人々ひとびとです。テロや人ひとを傷きずつけるようなことと関係かんけいがない人ひとたちです。このメッセージが世界せかいの人ひとたちに伝つたわることを願ねがいます」と話はなしていました。

その上うえで停戦ていせんの実現じつげんに向むけて、日本にっぽんの人ひとたちにも力ちからを貸かしてほしいと訴うったえました。

「まだ私わたしたちは悪夢あくむの中なかにいて、今いまも爆撃ばくげきにさらされています。攻撃こうげきが終おわることを願ねがっています。もうたくさんです。平和へいわな場所ばしょに住すみたいのです。日本にっぽんのすべての方ほうに、私わたしたちのために祈いのってほしいと思おもっています。停戦ていせんが実現じつげんするように祈いのってほしいです。多おおくの市民しみん、関係かんけいのない人ひとも巻き込まきこまれているこの状況じょうきょうを止とめることに力ちからを貸かしてほしいです」

（取材しゅざい おはよう日本にっぽん / 和田わだ雄三ゆうぞうディレクター、馬うま宇翔しょうディレクター、今村いまむら清人きよひと記者きしゃ、福岡ふくおか由梨ゆり記者きしゃ）