일본어 뉴스: 広がる “介護自粛” 利用者と事業者それぞれの苦悩

新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで、高齢こうれい者しゃのなかにはデイサービスなどの利用りようを控ひかえる人ひとたちが相次あいついでいます。

一方いっぽうで、外出がいしゅつの機会きかいを失うしない身体しんたい機能きのうが低下ていかするなどして生活せいかつに支障ししょうを来きたすケースも出で始はじめています。

デイサービスの利用りよう控ひかえで生活せいかつに支障ししょう

都内とないで１いち人にん暮くらしする角かく宗そう重しげるさん（78）は要よう介護かいご１いちで、ほぼ毎日まいにち、デイサービスに通かよっていました。

施設しせつでは運動うんどうをしたり食事しょくじや入浴にゅうよくをしたりして過すごしてきました。

しかし、先月せんげつ中旬ちゅうじゅん、新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんしないようデイサービスの利用りようを一時いちじ控ひかえました。

すると数すう日にち後ご、自宅じたくのベッドのそばで転倒てんとうし、そのまま動うごけずにいたところを訪たずねた訪問ほうもん看護かんご師しが発見はっけんし、４よん日間にちかん入院にゅういんしました。

事業じぎょう所しょは、外出がいしゅつしなくなったことで筋力きんりょくが低下ていかし、足あしがもつれて転倒てんとうしたのではないかとみています。

角すみさんは歩あるきづらくなり、１いち人にんで買い物かいものが行いけなくなるなど、生活せいかつに影響えいきょうが出でているということです。

このため、再ふたたびデイサービスを利用りようしはじめ、体力たいりょくや生活せいかつのリズムを取り戻とりもどすことに励はげんでいます。

角すみさんは「転倒てんとうしたときは今後こんごどうなるのかと心配しんぱいだったし、入院にゅういん中ちゅうも早はやく家いえに帰かえりたかった。デイサービスがないと不安ふあんでしかたがない」と話はなしていました。

事業じぎょう所しょでは、利用りよう控ひかえによる生活せいかつ環境かんきょうの変化へんかが高齢こうれい者しゃの生活せいかつに大おおきな影響えいきょうを及およぼしかねないと懸念けねんしています。

国くには、デイサービスの職員しょくいんが利用りよう者しゃの自宅じたくを訪問ほうもんして臨時りんじ的てきにサービスを行おこなうことを認みとめていますが、訪問ほうもん介護かいごに慣なれていない職員しょくいんにとっては簡単かんたんなことでは無ないといいます。

通所つうしょ介護かいごの事業じぎょう所しょ「Ｋｉｎｄ　Ｃａｒｅ」の佐藤さとう剛つよし部長ぶちょうは「デイサービスで実施じっししている支援しえんを自宅じたくですべて行おこなうのは到底とうてい無理むりです。利用りよう控ひかえで体からだを動うごかさなくなると筋力きんりょくや体力たいりょくが落おちてしまい、転倒てんとうなどのケガにつながることが懸念けねんされます。また認知にんち症しょうが進すすんでしまうかもしれないという怖こわさもあり、どう対応たいおうすべきか頭あたまを悩なやませている」と話はなしています。

利用りよう者しゃ半減はんげんの通所つうしょ施設しせつも増ふえる

このデイサービスの事業じぎょう所しょでは、新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで先月せんげつから利用りようを控ひかえる高齢こうれい者しゃが徐々じょじょに増ふえ始はじめました。

事業じぎょう所しょでは運動うんどうのほか、食事しょくじや入浴にゅうよくなどさまざまなサービスを行おこなっています。

１いち時間じかんに１いち回かい、窓まどを開あけるなどして室内しつないを換気かんきし、運動うんどう器具きぐも使用しようの前後ぜんごにアルコール消毒しょうどくを行おこなうなど感染かんせん対策たいさくを徹底てっていしています。

さらに、利用りよう者しゃには手洗てあらいを徹底てっていするなどして感染かんせん予防よぼうに努つとめています。

それでも20人にんいた利用りよう者しゃは減へり続つづけ、現在げんざいはおよそ半数はんすうとなっています。しかし、利用りよう者しゃが減へってもサービスの質しつを維持いじするためには職員しょくいんを減へらすことはできません。

一方いっぽうで、子こどもを育そだてる職員しょくいんはすでに１いち人にんが休校きゅうこうの影響えいきょうで出勤しゅっきんできなくなり、これが長期ちょうき化かすればさらに働はたらけなくなる人ひとが増ふえる可能かのう性せいもあります。

そうなれば、サービスを続つづけられなくなるおそれも出でてくるといいます。

事業じぎょう所しょは、利用りよう者しゃの生活せいかつと職員しょくいんの雇用こようを守まもるためにも、できるかぎり営業えいぎょうは継続けいぞくしていくつもりですが、収入しゅうにゅうはすでに半減はんげんしていて、この状況じょうきょうが続つづくと、半年はんとし後ごには事業じぎょう継続けいぞくのめどが立たたなくなるのではないかという危機きき感かんを抱だいています。

佐藤さとう剛つよし部長ぶちょうは「ただでさえ、介護かいご職員しょくいんが不足ふそくしている中なかで、もし解雇かいこしたら、再ふたたび戻もどってきてくれるのかという不安ふあんもある。国くにや自治体じちたいからデイサービスをどう継続けいぞくすべきか明確めいかくな方針ほうしんも示しめされず、日々ひび悩なやみながら今後こんごの対応たいおうを検討けんとうしている」と話はなしていました。

家族かぞくの負担ふたん増ぞうの懸念けねん

デイサービスの利用りよう控ひかえが相次あいつぎ、家族かぞくの負担ふたんも重おもくなっています。

横浜よこはま市しで訪問ほうもん看護かんごを行おこなっている茂木もぎ美津枝みつえさんには、デイサービスの利用りようを控ひかえた高齢こうれい者しゃの家族かぞくからの相談そうだんがここ最近さいきん、相次あいついでいるといいます。

このうち、60代だいの女性じょせいは、先月せんげつから、同居どうきょする80代だいの母親ははおやが週しゅう２に日にち通かよっていたデイサービスの利用りようを控ひかえたことで、自身じしんも精神せいしん的てきに追い込おいこまれていったといいます。

外出がいしゅつの機会きかいを失うしなった母親ははおやは筋力きんりょくが低下ていかして転ころびやすくなったため常つねに目めが離はなせず、家いえにいてもテレビを見みるしかなく、ぼーぼ-っとすることも多おおくなったといいます。

このため母親ははおやを家いえにおいて買い物かいものに行いくことすらままならず、気きが休やすまらない日々ひびがここ１いちか月かげつ間かん、続つづきました。

さらに夫おっとも在宅ざいたく勤務きんむとなり、家事かじの負担ふたんも増ふえ、精神せいしん的てきに不安定ふあんていになってしまったといいます。

茂木もぎさんは新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで、介護かいごする側がわの家族かぞくもよりストレスがたまりやすくなっていると感かんじています。

このため、利用りよう控ひかえが長期ちょうき化かすれば介護かいごを受うける側がわもそれを支ささえる家族かぞくも共倒ともだおれしてしまう危険きけん性せいがあると懸念けねんしています。

茂木もぎさんは「こうした事態じたいは初はじめてで、特とくに緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげんが出でて以降いこう、相談そうだんが増ふえている。家族かぞくの負担ふたんは大おおきくなり精神せいしん的てきに追い込おいこまれるおそれもあり、家族かぞくの相談そうだん窓口まどぐちも設もうけるべきではないか」と話はなしています。

感染かんせん不安ふあんと介護かいご負担ふたんで葛藤かっとう

都内とないに住すむ50代だいの女性じょせいは80代だいの母親ははおやと２に人にんで暮くらし、母親ははおやは週しゅうに３さん回かい、デイサービスに通かよって昼食ちゅうしょくや入浴にゅうよくなどを利用りようしていました。

しかし先月せんげつ、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんリスクがあるとして２に週間しゅうかん利用りようを控ひかえました。

すると毎日まいにち家かに閉とじこもり、「感染かんせんするかもしれない」という不安ふあんから夕方ゆうがたになると体からだのだるさを訴うったえるようになり、立ち上たちあがるなどの動作どうさも鈍にぶくなったといいます。

女性じょせいは働はたらいていますが、母親ははおやの世話せわをするため、仕事しごとを早はやく切り上きりあげて食事しょくじの準備じゅんびや入浴にゅうよくの介助かいじょなどを行おこないました。

次第しだいに女性じょせい自身じしんが、いらいらしやすくなって、母親ははおやに対にたいし余裕よゆうをもって接せっすることができなくなったといいます。

このままデイサービスの利用りよう控ひかえが続つづくと、母親ははおやの身体しんたい機能きのうがさらに低下ていかするかもしれないと不安ふあんになり、自分じぶんも精神せいしん的てきに追い詰おいつめられるかもしれないと考かんがえ、今月こんげつから母親ははおやに利用りようを再開さいかいしてもらうことにしました。

感染かんせんのリスクと介護かいごの負担ふたんとのはざまで葛藤かっとうがあったという女性じょせいは「デイサービスに行いかせるか不安ふあんはあるが、母親ははおやの行いき場所ばしょがなくなるほうが困こまるので利用りようを再開さいかいしました。ただ、感染かんせんが拡大かくだいするとデイサービスそのものが閉鎖へいさしてしまうかもしれず不安ふあんはつきません」と話はなしていました。

専門せんもん家か「地道じみちな取り組とりくみが重要じゅうよう」

高齢こうれい者しゃがデイサービスを自粛じしゅくしたり、施設しせつで家族かぞくと面会めんかいできない状態じょうたいが続つづくことについて、高齢こうれい者しゃの介護かいごに詳くわしい東洋とうよう大学だいがくの高野たかの龍りゅう昭あきら准じゅん教授きょうじゅは、「人ひととの交流こうりゅうが減へったり、体からだを動うごかす機会きかいが少すくなくなっていくと徐々じょじょに心身しんしんの機能きのうが低下ていかすることが懸念けねんされ、これが数すう週間しゅうかん、数すうか月かげつと長期ちょうき化かしていくとより深刻しんこくになっていく」と指摘してきしました。

そのうえで、デイサービスなどを自粛じしゅくしている高齢こうれい者しゃの支援しえんについて、「デイサービスから訪問ほうもん介護かいごに切り替きりかえるというケースもあるが、人手ひとで不足ふそくが深刻しんこくなのでそう簡単かんたんではない。屋外おくがいに出歩であるくことが可能かのうな高齢こうれい者しゃは、家族かぞくや、地域ちいきのボランティアが感染かんせんのリスクを避さけたうえで自宅じたくの周辺しゅうへんを散歩さんぽしたり、声こえをかけてあげるなど地道じみちな取り組とりくみが重要じゅうようになってくる」と指摘してきしています。

また、利用りよう控ひかえが介護かいご事業じぎょう者しゃの経営けいえいにも大おおきく影響えいきょうしているとして、「仮かりに新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんが終息しゅうそくしても介護かいご事業じぎょう所しょが減へってしまうと、高齢こうれい者しゃの生活せいかつが成り立なりたたなくなるので、国くにや自治体じちたいが経営けいえいの支援しえん策さくを講こうじることが不可欠ふかけつな状況じょうきょうだ」と指摘してきしています。