日本新聞: シングルマザー「子どもをどう養えば…」新型コロナ感染拡大

シングルマザー「子こどもをどう養やしなえば…」新型しんがたコロナ感染かんせん拡大かくだい

Apr 17, 2020 15:04

Furigana

「子こどもをどうやって養やしなっていくか。不安ふあんで夜よるも眠ねむれません」あるシングルマザーの声こえです。新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいがひとり親おや家庭かていに追い打おいうちをかけています。

仕事しごとがなくなる…

話はなしを聞きかせてもらったのは九州きゅうしゅうに住すむ40代だいの女性じょせいです。

小学しょうがく６ろく年生ねんせいの息子むすこと暮くらしています。女性じょせいは会社かいしゃの事務所じむしょなどの清掃せいそうを請け負うけおう会社かいしゃで正せい社員しゃいんとして働はたらいていますが、新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうで仕事しごとが激減げきげん。事務所じむしょを閉しめる会社かいしゃが増ふえ、清掃せいそうの依頼いらいが入はいらなくなっているといいます。

今いまのところ勤務きんむ先さきからは何なにも言いわれていませんが、このままでは「来月らいげつには仕事しごとがなくなるかもしれない」と今後こんごの生活せいかつに強つよい不安ふあんを感かんじています。

休校きゅうこうで支出ししゅつ増ぞうが追い打おいうち

女性じょせいがいま、頭あたまを悩なやませているのが支出ししゅつの増加ぞうかです。

先月せんげつから小学校しょうがっこうが休校きゅうこうになり、子こどもは一いち日にちのほとんどを自宅じたくで過すごしています。休校きゅうこうで給食きゅうしょくもなくなり、今いまは昼食ちゅうしょく代だいを家庭かていでまかなわなければなりません。食事しょくじは朝食ちょうしょくと昼食ちゅうしょくを兼かねて１いち日にち２に食しょくにしているほか、１いち回かいの食事しょくじの品数しなかずも減へらして節約せつやくしています。それでも先月せんげつ１いちか月かげつの食費しょくひはいつもより5000円えんほど上あがりました。

水道すいどう代だいや電気でんき代だいなど光熱こうねつ費ひも月つきに１いち万まん円えん余あまり増ふえ、大おおきな負担ふたんとなっています。

「ふだんからぎりぎりで生活せいかつしているので出費しゅっぴの増加ぞうかはかなりきつい」と女性じょせいは漏もらします。

子こどもにストレスも

さらに、ここにきて心配しんぱいなのは息子むすこのことです。

女性じょせいが住すんでいる地域ちいきでも感染かんせん者しゃが出でているため、子こどもたちも外出がいしゅつを控ひかえています。

このため、友人ゆうじんと一緒いっしょにサッカーをするのが大好だいすきな息子むすこが誰だれとも遊あそべずに、家いえでひとり過すごす時間じかんが多おおくなっています。経済けいざい的てきな余裕よゆうがないため、家いえにはインターネットの環境かんきょうがなく、息子むすこの友人ゆうじんたちのようにネットを使つかった学習がくしゅうやゲームをさせることもできません。

ふだんは温厚おんこうで明あかるい息子むすこから笑顔えがおが少すくなくなり、イライラすることが目立めだつようになったといいます。せめてできることと言いえば、仕事しごとから帰かえって夜よるの公園こうえんで一緒いっしょにランニングをすること。そんなことでも、うれしそうな息子むすこの顔かおをみるたびになんだか申し訳もうしわけないという気持きもちでいっぱいになるといいます。

女性じょせいは苦くるしい胸むねの内うちをこう打ち明うちあけてくれました。

「子こどものために何なにかしてあげたいが経済けいざい的てきに厳きびしいので限界げんかいがある。生活せいかつ環境かんきょうはどんどん悪化あっかし、子こどもにも相当そうとう、無理むりをさせてしまっている。でも仕事しごとがなくなったら、子こどもをどう養やしなっていけばいいのか。不安ふあんで夜よるも眠ねむれません」と話はなします。