安倍あべ首相しゅしょう「可能かのうな場合ばあい 今月こんげつ31日にち待またずに宣言せんげん解除かいじょ」 新型しんがたコロナ

一方いっぽうで、感染かんせん者しゃの減少げんしょうが十分じゅうぶんなレベルと言いえず、医療いりょう現場げんばが過酷かこくな状況じょうきょうにあるとして、「もうしばらく努力どりょくを続つづけていかなければならないと率直そっちょくに伝つたえたい」と述のべました。

そして、重症じゅうしょう者しゃ治療ちりょうをさらに強化きょうかするとともに、１いち日にち当あたり100人にんを超こえる回復かいふく者しゃ数すうを下回したまわるレベルまで新規しんき感染かんせん者しゃを減へらし、地方ちほうへの人ひとの流ながれを抑制よくせいするための対策たいさくを講こうじる必要ひつようがあることから、対象たいしょう地域ちいきを全国ぜんこくとしたまま、宣言せんげんを延長えんちょうする決定けっていを行おこなったと説明せつめいしました。

また、期限きげんを今月こんげつ31日にちまでとした理由りゆうについて、患者かんじゃの平均へいきん的てきな在院ざいいん期間きかんが２に週間しゅうかんから３さん週間しゅうかんとされており、新規しんき感染かんせん者しゃ数すうを低ひくい水準すいじゅんにおさえながら、退院たいいんを進すすめ、医療いりょう現場げんばのひっ迫ひっぱくした状況じょうきょうを改善かいぜんするために、１いちか月かげつ程度ていどの期間きかんが必要ひつようと判断はんだんしたと述のべました。

さらに、安倍あべ総理そうり大臣だいじんは、今月こんげつ14日にちをめどに、改あらためて専門せんもん家かから、地域ちいきごとの感染かんせん者しゃ数すうの動向どうこうや医療いりょう提供ていきょう体制たいせいのひっ迫ひっぱく状況じょうきょうなどの分析ぶんせきを聴きき、可能かのうな場合ばあいは、今月こんげつ31日にちの期限きげんを待またずに、宣言せんげんを解除かいじょする考かんがえを示しめしました。

そして、「当初とうしょ予定よていしていた１いちか月かげつで、宣言せんげんを終おえることができず、おわびを申し上もうしあげる。中小ちゅうしょう・小しょう規模きぼ事業じぎょう者しゃがこれまでになく厳きびしい経営けいえい環境かんきょうに置おかれている苦くるしみは、痛いたいほど分わかっている。さらに１いちか月かげつ続つづける判断はんだんをしなければならなかったことは断腸だんちょうの思おもいだ」と陳謝ちんしゃしました。

そのうえで、経済けいざい対策たいさくを盛り込もりこんだ補正ほせい予算よさんの成立せいりつを受うけて、給付きゅうふ金きんの支給しきゅうを急いそぐとともに、賃料ちんりょうの支払しはらいが困難こんなんな事業じぎょう者しゃの負担ふたん軽減けいげんや、雇用こよう調整ちょうせい助成じょせい金きんのさらなる拡充かくじゅう、それに、生活せいかつが厳きびしい学生がくせいへの支援しえんについて、与党よとう内ないでの検討けんとうを踏ふまえて、追加ついか的てきな対策たいさくを講こうじる考かんがえを明あきらかにしました。

一方いっぽうで、経済けいざいや社会しゃかい活動かつどうの本格ほんかく的てきな再開さいかいについて、「この１いちか月かげつで、現在げんざいの流行りゅうこうを収束しゅうそくさせなければならない。５月ごがつは収束しゅうそくのための１いちか月かげつで、次つぎなるステップに向むけた準備じゅんび期間きかんだ」と述のべました。

また、「ある程度あるていどの長期ちょうき戦せんを覚悟かくごする必要ひつようがあり、経済けいざい社会しゃかい活動かつどうの厳きびしい制限せいげんを続つづけていけば、暮くらし自体じたいが立ち行たちゆかなくなりコロナの時代じだいの『新あらたな日常にちじょう』を１いち日にちも早はやく作り上つくりあげなければならない」と指摘してきしました。

そして、専門せんもん家か会議かいぎが策定さくていした「新あたらしい生活せいかつ様式ようしき」を指針ししんとして学校がっこう生活せいかつの段階だんかい的てきな再開さいかいをはじめ商店しょうてんやレストランの営業えいぎょう、小規模しょうきぼイベントの開催かいさいなどは、感染かんせん防止ぼうし策さくを十分じゅうぶんに講こうじたうえで実施じっしするよう呼よびかけました。

また、医療いりょう提供ていきょう体制たいせいについて、ＰＣＲ検査けんさの体制たいせい拡充かくじゅうや、感染かんせん者しゃの病状びょうじょうに応おうじた医療いりょう機関きかんや宿泊しゅくはく施設しせつへの受け入うけいれ支援しえん、それに、医療いりょう用ようのガウンやマスクの生産せいさんや輸入ゆにゅうの強化きょうかを図はかる考かんがえを改あらためて示しめしました。

さらに、治療ちりょう薬やくの開発かいはつについては、アメリカ政府せいふが使用しようを認みとめた「レムデシビル」の承認しょうにん手続てつづきを急いそぐとともに、インフルエンザ治療ちりょう薬やくの「アビガン」についても、臨床りんしょう研究けんきゅうで有効ゆうこう性せいが確認かくにんされれば今月こんげつ中ちゅうの承認しょうにんを目指めざす考かんがえを示しめしました。

そして、安倍あべ総理そうり大臣だいじんは、感染かんせん者しゃや医療いりょう従事じゅうじ者しゃへの差別さべつや偏見へんけんが問題もんだいとなっていることについて、「ウイルスよりも、もっと大おおきな悪影響あくえいきょうを私わたしたちの社会しゃかいに与あたえかねない。誰だれにでも感染かんせんリスクはあり、支ささえあいの気持きもちを持もってほしい。強つよい使命しめい感かんで頑張がんばっている医療いりょう従事じゅうじ者しゃや家族かぞくへの差別さべつなど決けっしてあってはならない」と訴うったえました。

そのうえで、大型おおがた連休れんきゅう中ちゅうの外出がいしゅつや帰省きせいの自粛じしゅくに改あらためて協力きょうりょくを求もとめたうえで、「国立こくりつ感染かんせん症しょう研究所けんきゅうじょによれば、中国ちゅうごく経由けいゆの第だい一いち波はの流行りゅうこうは抑え込おさえこむことに成功せいこうしたと推測すいそくされる。欧米おうべい経由けいゆの第だい二に波はも、感染かんせん者しゃの増加ぞうかはピークアウトし収束しゅうそくへの道みちを進すすんでいる。みんなで前まえを向むいて頑張がんばれば、きっと困難こんなんも乗り越のりこえられる」と呼よびかけました。

首相しゅしょう 宣言せんげん延長えんちょうに「責任せきにんを痛感つうかん」

安倍あべ総理そうり大臣だいじんは記者きしゃ会見かいけんで、「残念ざんねんながら１いちか月かげつ延長えんちょうするに至いたったことに内閣ないかく総理そうり大臣だいじんとして責任せきにんを痛感つうかんしている。実現じつげんできなかったことに改あらためておわび申し上もうしあげたい」と述のべました。そのうえで、「この５月ごがつは現在げんざいの流行りゅうこうを収束しゅうそくさせること、そして、次つぎなる流行りゅうこうに備そなえる１いちか月かげつであり、その備そなえを万全ばんぜんに固かためるための１いちか月かげつであると考かんがえている。その目標もくひょうに向むかって先頭せんとうに立たって努力どりょくをしていく考かんがえだ」と述のべました。

また、現金げんきん10万まん円えんの一律いちりつ給付きゅうふをめぐり追加ついかの給付きゅうふを行おこなうかどうかについて、「すでに800を超こえる自治体じちたいがオンラインでの申請しんせい受付うけつけを開始かいしした。自治体じちたいと協力きょうりょくして一いち日にちも早はやくこの現金げんきんを手元てもとに届とどけたい。その先さきについては、事態じたいの推移すいいや状況じょうきょうなどを十分じゅうぶんに見極みきわめながら判断はんだんしたい」と述のべました。

さらに、都道とどう府県ふけん知事ちじによる、より強つよい措置そちを可能かのうとする法ほう改正かいせいについて、「どうしても必要ひつような事態じたいが生しょうじる場合ばあいについては、当然とうぜん検討けんとうされるべきと考かんがえているが、いまは緊急きんきゅう事態じたいのさなかであり引き続ひきつづき、国民こくみんの協力きょうりょくをいただきながら、都道とどう府県ふけんとしっかりと協力きょうりょくをして進すすめていきたい」と述のべました。

ＰＣＲ検査けんさについては、「専門せんもん家か会議かいぎの分析ぶんせき・提言ていげんでは、検査けんさ件数けんすうがなかなか増加ぞうかしなかった要因よういんとして、各かく自治体じちたいの保健所ほけんじょの業務ぎょうむ過多かたなどが挙あげられている。現在げんざいはこうした状況じょうきょうを踏ふまえて地域ちいきの医師いし会かいにも協力きょうりょくをいただきながら、ＰＣＲ検査けんさ体制たいせいの強化きょうかが図はかられてきた。東京とうきょうなどの大だい都市とし圏けんを中心ちゅうしんに対策たいさくを徹底てっていしていきたい」と述のべました。

また安倍あべ総理そうり大臣だいじんは、憲法けんぽう改正かいせいをめぐって３さん日にち、緊急きんきゅう事態じたいへの対応たいおうを憲法けんぽうにどう位置いちづけるか、国会こっかいで議論ぎろんすべきだという考かんがえを示しめしたことについて、「自民党じみんとうは４よん項目こうもくのイメージ案あんを提案ていあんし、その中なかに緊急きんきゅう事態じたい条項じょうこうがある。今いまの事態じたいだから申し上もうしあげているのではなく、ずっと申し上もうしあげている」と述のべました。

休校きゅうこうの長期ちょうき化かに伴ともなう学習がくしゅう機会きかいの確保かくほについて、「１いち人にん１いち台だいのＩＴ端末たんまつの実現じつげんに向むけて予算よさんを確保かくほするなど、さまざまな対策たいさくをしているが、感染かんせん予防よぼうに最大限さいだいげん配慮はいりょしたうえで、分散ぶんさん登校とうこうを受け入うけいれるなどの段階だんかい的てきな学校がっこう再開さいかいに向むけた工夫くふうも提示ていじしている。子こどもたちの学習がくしゅう機会きかいの確保かくほに向むけて、地方ちほう自治体じちたいや学校がっこう現場げんばと一体いったいとなって全力ぜんりょくを尽つくしていきたい。さまざまなアイデアを取り入とりいれていきたい」と述のべました。

抗体こうたい検査けんさについて、「感染かんせん状況じょうきょうの全体ぜんたい像ぞうを把握はあくするには、ＰＣＲ検査けんさだけでは困難こんなんで、抗体こうたい検査けんさを用もちいた疫学えきがく調査ちょうさも有意義ゆういぎな方法ほうほうだ。現在げんざい、抗体こうたい検査けんさキットの性能せいのう評価ひょうかなどを行おこなっており、速すみやかに疫学えきがく調査ちょうさの実施じっしに移うつしていきたい」と述のべました。

一方いっぽうで、「欧米おうべいに比くらべて日本にっぽんの死者ししゃ数すうが少すくないのは、別べつの肺炎はいえんで亡なくなった人ひとに新型しんがたコロナウイルスによる死者ししゃが混まじっているからではないかという指摘してきがあるが、日本にっぽんは肺炎はいえんで亡なくなった人ひとには大体だいたいＣし-Ｔてぃ-検査けんさを行おこなっていて、直ただちに判断はんだんがつくので、そういうことはない」と述のべました。