長野市の車両基地では、水につかった2編成の車両が脱線していたことが新たにわかり、深刻な被害の実態が徐々に明らかになっています。長野市穂保の千曲川の堤防が決壊した現場近くにある北陸新幹線の車両基地は浸水で大きな被害を受け、国土地理院によりますと、周辺での浸水の深さは最大で4メートルを超えたとみられます。
JR東日本によりますと、北陸新幹線のすべての車両の3分の1にあたる10編成・120両が水につかる被害を受け、このうち2編成の車両が脱線していたことが、新たにわかりました。
JRは、浸水のため車両が線路から浮いたとみて、脱線した車両の数や損傷の状況などを詳しく調べています。
また、浸水のため、信号の関連設備などにも被害が出ていて、JR東日本は、全線での運転再開には少なくとも1週間から2週間ほどかかり、再開後も当面の間は運転本数が通常の5割から6割程度になる見込みだとしています。
一方、長野市のハザードマップでは、最大規模の大雨で千曲川などが氾濫した際に、車両基地の周辺では10メートル以上浸水するおそれがあるとされています。
これについて、車両基地を建設した鉄道・運輸機構は、「平成9年の建設当時には、過去に浸水したとされる場所よりも高いところに建設した」としています。