準決勝は、26日午後5時から横浜国際総合競技場で行われ、4大会ぶり2回目の優勝を目指すイングランドと、「オールブラックス」の愛称で知られ、史上初の3連覇をねらったニュージーランドが対戦しました。
イングランドは、開始直後にウイングのアンソニー・ワトソン選手の突破から連続攻撃をしかけてゴールライン近くまで迫り、最後はセンターのマヌ・トゥイランギ選手が密集からボールを持ちだして先制のトライを決めました。
これに対してニュージーランドは、キックや細かいパス回しなど多彩な攻撃を見せましたが、相手の懸命なタックルでタッチラインの外に押し出されたり、ラインアウトでボールを確保できなかったりして得点を奪えず、イングランドが10対0とリードして折り返しました。
後半、ニュージーランドは、相手ボールのラインアウトからフランカーのアーディー・サベア選手がボールを奪い、チーム最初のトライを決めて追い上げました。
しかし、その後、イングランドが2つのペナルティーゴールを決めて、リードを広げるとともに、最後まで堅い守りを発揮して19対7で勝ちました。
イングランドは3大会ぶりの決勝進出です。
敗れたニュージーランドは、史上初の3連覇を逃し、3位決定戦に回ることになりました。
準決勝のもう1試合は、27日、同じ横浜国際総合競技場で行われ、初の決勝進出をねらうウェールズと、3回目の優勝を目指す南アフリカが対戦します。
イングランド ジョーンズHC「攻撃的な守備でチャンス作った」
イングランドのエディー・ジョーンズヘッドコーチは「ワールドカップでは守備が大切だと思っていて、私たちの攻撃的な守備がチャンスを作った。選手たちは、ここに至るまで努力をしてきたので勝ててうれしい」と話しました。
そのうえで、対戦したニュージーランドについて「ワールドカップを連覇していてすばらしいチームだ」とたたえていました。
イングランド ファレル主将「決勝でいいプレーを」
イングランドのキャプテン、オーウェン・ファレル選手は「ワールドカップの準決勝で、ニュージーランドが相手というこれだけ大きな試合はないと思う。その試合でいいプレーができてよかった。きょうの勝利を喜び、決勝ではいいプレーをしたい」と話しました。
またフランカー、サム・アンダーヒル選手は「今回の勝利の鍵は、80分間、非常にうまくプレーをしたこと。ニュージーランドは攻撃力があるのでチャンスを与えると仕掛けてくる。相手の攻撃のたびに、こちらもチャンスをつかみ、いいカウンターができたので得点につながった」と話しました。
MVP イトジェ「試合全体通して俊敏に動けた」
この試合の最優秀選手に選ばれたイングランドのロック、マロ・イトジェ選手は、「3連覇を目指すニュージーランドに勝つことができて本当にうれしい」と話し、勝利を喜びました。
そのうえで、勝因については「世界最高のチームというのは、どんな弱点もない。そうした相手に勝つために長い間、練習してきたし、きょうは素早いディフェンスで相手の攻撃を黙らせることが出来たと思う。一番のポイントはわれわれがいかに試合全体を通して俊敏に動けたかということだった」と話しました。
ニュージーランド ハンセンHC「全力を尽くしたが…」
ニュージーランドのスティーブ・ハンセンヘッドコーチは「もちろん残念で、それ以上のことは言えない。全力を尽くしたが負けてしまった。結果を受け止めるしかない。イングランドはいいチームなので敗戦の痛みはあるが恥ずかしさはない。将来のオールブラックスに向けて、この試合からポジティブな面を見つけていきたい。3位決定戦に向けて準備する。気落ちをせずに頭を切り替えたい」と冷静に話していました。
ニュージーランド リード主将「これからも前進していく」
ニュージーランドのキャプテン、キーラン・リード選手は「力を尽くしたが相手のレベルが高く、至らなかった。とても残念だ」とことば少なに試合を振り返りました。
そのうえで、「自分のすべてを出そうと臨んだ試合で楽しかった。試合直後のいま、何が欠けていたかをことばにするのは難しいが、オールブラックスはこれからも前進していく」と話し、前を向いていました。