日本新聞: 旧日本軍の「特攻」で沈没米空母の海底映像公開

旧きゅう日本にっぽん軍ぐんの「特攻とっこう」で沈没ちんぼつ米べい空母くうぼの海底かいてい映像えいぞう公開こうかい

Oct 30, 2019 10:10

Furigana

75年ねん前まえの昭和しょうわ19年ねんに旧きゅう日本にっぽん軍ぐんが初はじめて行いった飛行機ひこうきによる体からだ当あたり攻撃こうげき、いわゆる「特攻とっこう」を受うけて沈没ちんぼつしたアメリカ海軍かいぐんの空母くうぼをアメリカのチームがフィリピン海うみの海底かいていで発見はっけんし、その映像えいぞうを公開こうかいしました。アメリカ海軍かいぐんの小型こがた空母くうぼ「セント・ロー」は、太平洋たいへいよう戦争せんそうで輸送ゆそう船せんの護衛ごえいに従事じゅうじし、フィリピンのレイテ島れいてとうへの上陸じょうりく作戦さくせんに参加さんかしていた昭和しょうわ19年ねん10月つき25日にち、飛行機ひこうきに爆弾ばくだんを搭載とうさいして体からだ当あたりする、旧きゅう日本にっぽん軍ぐんのいわゆる「特攻とっこう」を受うけて沈没ちんぼつし、143人にんが死亡しぼうしました。

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんで沈没ちんぼつした艦船かんせんの調査ちょうさを行おこなっているアメリカの財団ざいだんの調査ちょうさチームは、ことし５月ごがつにフィリピン海うみの深ふかさ4736メートルに沈しずんでいる「セント・ロー」を発見はっけんし、無人むじんの調査ちょうさ艇ていで船体せんたいを撮影さつえいすることに成功せいこうしました。

今月こんげつ、公開こうかいされた映像えいぞうからは船体せんたいに施ほどこされた迷彩めいさいの塗装とそうや、刻印こくいんされた文字もじがくっきり読み取よみとれるほか、強つよい力ちからを受うけてひしゃげたとみられる飛行ひこう甲板かんぱんが確認かくにんできます。

「セント・ロー」を沈没ちんぼつさせたのは、関せき行男いくお大尉たいい率ひきいる「敷島しきしま隊たい」だとされ、日本にっぽん軍ぐんが組織そしき的てきに行いった初はじめての特攻とっこうと位置いちづけられています。

この作戦さくせんでの戦果せんかを受うけて陸海りくかい軍ぐんは、特攻とっこう作戦さくせんを本格ほんかく化かさせ、終戦しゅうせんまでにおよそ4000人にんが戦死せんししたとされています。

旧きゅう日本にっぽん海軍かいぐんの歴史れきしに詳くわしい広島ひろしま県けんの大和やまとミュージアムの戸高とだか一成いっせい館長かんちょうは「初はじめての特攻とっこう作戦さくせんが大おおきな戦果せんかを挙あげたことが、軍ぐんがその後そのご、特攻とっこうに傾倒けいとうしていくきっかけとなった。日本にっぽんにとっても重おもい意義いぎを持もつ発見はっけんだ」と話はなしています。