日本新聞: 鹿児島十島村島外避難の悪石島の住民16人が16日夜帰島へ

地震じしんが相次あいつぐ鹿児島かごしま県けん十島としま村むらは、鹿児島かごしま市しなどに島しま外がい避難ひなんしている住民じゅうみんのうち、悪石島あくせきじまの16人にんが16日にち夜よるの村営そんえいフェリーで島しまに戻もどることを明あきらかにしました。

トカラ列島れっとう近海きんかいでは先月せんげつ21日にちから地震じしん活動かつどうが活発かっぱつになっていて、十島としま村むらは7月つき4日にちから希望きぼうする住民じゅうみんを対象たいしょうに村営そんえいフェリーで島しま外がい避難ひなんを行おこない、16日にちまでに悪石島あくせきじまから52人にん、小しょう宝島たからじまから15人にんの合あわせて67人にんが鹿児島かごしま市内しないのホテルなどに避難ひなんしました。

十島としま村むらの久保くぼ源一郎げんいちろう村長そんちょうは16日にち午後ごご、記者きしゃ会見かいけんを開ひらき、島しま外がい避難ひなんした人ひとのうち、帰き島とうを希望きぼうする悪あく石島いしじまの16人にんが16日にち午後ごご11時じに鹿児島かごしま市しの鹿児島かごしま港こうを出港しゅっこうする村営そんえいのフェリーで島しまに戻もどると明あきらかにしました。

義務ぎむ教育きょういく学校がっこうの悪石島あくせきじま学園がくえんに通かよう子こども4人にんも含ふくまれるということです。

帰き島とうを希望きぼうする人ひとたちからは

▽島しまに残のこっている家族かぞくが1人にんで牛うしの世話せわをしていて心配しんぱいだ

▽ホテル生活せいかつが長引ながびいて子こどもにストレスがたまっているといった声こえのほか

▽眠ねむれるようになり体調たいちょうが回復かいふくしたという声こえも出でているということです。

村むらは震度しんど4以上いじょうの地震じしんが5日間にちかん以上いじょう、発生はっせいしなかった場合ばあいに住民じゅうみんが島しまに戻もどるか判断はんだんするとしていますが、悪石島あくせきじまでは16日にちも震度しんど4の地震じしんが起おきています。

これについて久保くぼ村長そんちょうは「村むらが帰き島とうの目安めやすとしている基準きじゅん日びの前まえになるがもともと避難ひなんの呼よびかけに強制きょうせい力りょくはない。

判断はんだんの基準きじゅんは変かえないが、きょうの帰き島とうを希望きぼうする人ひとたちの交通こうつう費ひは公費こうひで負担ふたんする」と述のべました。

避難ひなんを続つづける人ひとの中なかには次つぎに鹿児島かごしま港こうを出港しゅっこうする18日にちの便びんでの帰き島とうを希望きぼうする人ひともいるということで、村むらは希望きぼう者しゃを把握はあくし、引き続ひきつづき支援しえんしたいとしています。

悪石島あくせきじまの自治じち会長かいちょう「経済けいざい的てき不安ふあんが増ましている」

悪石島あくせきじまの自治じち会長かいちょうで、今いまも島しまにとどまり、島しま外がいに避難ひなんした人ひとと連絡れんらくを取り続とりつづけている坂元さかもと勇いさむさんが16日にち午後ごご、NHKの電話でんわインタビューに応おうじました。

坂元さかもとさんは、震度しんど4以上いじょうの地震じしんが5日間にちかん以上いじょう発生はっせいしていないという村むらによる帰き島とうの判断はんだん基準きじゅんを満みたす前まえに16人にんが島しまに戻もどることについて「村むらが決きめた基準きじゅんでは、島しまに帰かえる見通みとおしが立たたず避難ひなん生活せいかつに疲つかれた人ひとや、島しまの家いえや船ふね、それに畑はたけなどが気きになるという人ひとたちが多おおい」と述のべました。

その上うえで「ホテルでの避難ひなん生活せいかつは食事しょくじなどの費用ひようは自分じぶんで出ださないといけないので長ながくなればなるほど持ち出もちだしが多おおくなることを心配しんぱいする人ひともいる」と話はなしました。

さらに、みずからが経営けいえいする民宿みんしゅくについて「本来ほんらい、今いまの時期じきは観光かんこうなどで予約よやくがいっぱいのはずだがそれもない」と明あかし、「漁業ぎょぎょう者しゃも漁りょうに出でることができない状態じょうたいが続つづいている」と述のべ、避難ひなんした人ひとも島しまにとどまっている人ひとも経済けいざい的てきな不安ふあんが増ましている実情じつじょうを明あきらかにしました。