日本新聞: AI活用を巡る若年層の葛藤――「AIネイティブ」世代における利用実態と課題

業務ぎょうむにおいてAIを活用かつようすることは、果はたして恥はずべき行為こういなのだろうか。Hajimari社しゃが実施じっししたビジネスパーソン861名めいを対象たいしょうとする調査ちょうさによれば、AIの利用りようを上司じょうしや同僚どうりょうに一切いっさい隠かくさないと回答かいとうした人ひとは全体ぜんたいの約やく4割わりにとどまることが明あきらかとなった。特筆とくひつすべきは、AIに最もっとも親したしんでいるはずの20代だいにおいて、その傾向けいこうが顕著けんちょであり、実じつに63パーセントがAI利用りようを秘匿ひとくした経験けいけんがあるという結果けっかである。

一方いっぽうで、業務ぎょうむにおけるAIの利用頻度りようひんどが最もっとも高たかいのも20代だいであり、そのためかAI活用かつように起因きいんする叱責しっせきやミスの経験者けいけんしゃも20代だいが最多さいたとなっている。具体的ぐたいてきには、20代だいの約やく86パーセントが何なにらかの失敗しっぱいを経験けいけんしており、50代だいでも約やく66パーセントに達たっするなど、世代せだいを問とわず8割わり近ちかい人々ひとびとがAI利用りように伴ともう課題かだいに直面ちょくめんしている。

失敗しっぱいの内容ないようとしては、「AIに過度かどに依存いぞんした結果けっか、自身じしんの思考しこうや提案ていあんの深ふかみが不足ふそくしていると指摘してきされた」との回答かいとうが約やく37パーセントと最もっとも多おおく、さらに、情報源じょうほうげんの明示めいじ不足ふそくやAI生成せいせい資料しりょうの完成度かんせいどの低ひくさによるやり直なおしなど、AIの「無謀むぼう運転うんてん」とも言いえる事例じれいが目立めだつ。Hajimari社しゃは、特とくに実務経験じつむけいけんが浅あさい20代だいにおいて、AI依存いぞんによる従来じゅうらいにない新あたらたな失敗しっぱいが発生はっせいしている可能性かのうせいを指摘してきしている。

中堅層ちゅうけんそうからシニア層そうにかけても類似るいじの失敗しっぱいが見みられるものの、AIなしには業務ぎょうむが成なり立たたない現状げんじょうもあり、利用りようを周囲しゅういに隠かくしながら活用かつようするケースけーすが増ふえていると推察すいさつされる。実際じっさい、生成せいせいAIを業務ぎょうむに用もちいている人ひとは全体ぜんたいの約やく45パーセントにとどまるが、こうしたトラブルとらぶるは利用者りようしゃのみに限かぎられる問題もんだいではない。

むしろ深刻しんこくなのは、AIを利用りようしていない層そうの姿勢しせいである。AI非利用者ひりようしゃに今後こんご学習がくしゅうする意向いこうを尋たずねたところ、「まったく学まなぶつもりはない」「興味きょうみがない」と回答かいとうした人ひとが約やく8割わりを占しめ、学習意欲がくしゅういよくを示しめした人ひとは2割わり未満みまんに過すぎなかった。AI利用者りようしゃの失敗例しっぱいれいを目めの当あたりにすることで、AI導入どうにゅうをためらう傾向けいこうが強つよまっていると考かんがえられるが、今後こんごもAIを用もちいずに業務ぎょうむを継続けいぞくできるかは疑問ぎもんが残のこる。

AIへの過度かどな依存いぞんによる予期よきせぬ失敗しっぱいも、AIを敬遠けいえんする姿勢しせいも、いずれも「AI時代じだいにふさわしいマネジメントや指導法しどうほうの未確立みかくりつ」に起因きいんしているとHajimari社しゃは指摘してきしている。AI利用りようの現状げんじょうを見直みなおし、適切てきせつな運用体制うんようたいせいを整備せいびすることが急務きゅうむであると言いえるだろう。

AI活用かつようを巡めぐる若年層じゃくねんそうの葛藤かっとう――「AIネイティブ」世代せだいにおける利用実態りようじったいと課題かだい

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