北海道の
小型の
風力発電所で、
絶滅危惧種のオジロワシが
回転する
風車に
衝突する
瞬間が
撮影されました。
小型の
風力発電所の
建設計画は
全国に7000
か所以上で
認定される
など、
今後大幅に
増えることが
予想され、
専門家は
貴重な
鳥への
影響を
評価すべきだと
指摘しています。
風力発電所の
回転する
風車に
鳥が
衝突するバードストライクは、
出力が
1万キロワット
以上の
規模の
大きな風力発電所では
環境アセスメントの
中で
影響の
評価が
求められていますが、
それよりも
小さい風力発電所では
義務づけられていません。
徳島大学の研究グループは、北海道苫前町にある出力が20キロワットより小さい小型の風力発電所で調査したところ、絶滅危惧種のオジロワシが回転する風車に衝突する瞬間が撮影されました。
オジロワシは右側の翼の骨が砕け、道内の施設で保護されたということです。
小型の風力発電所の建設計画は全国でおよそ7500件認定されるなど、今後大幅に増加することが予想され、グループではワシやタカなどの貴重な鳥への影響を評価すべきだとしています。
調査を行った徳島大学の河口洋一准教授は「小型の風力発電所でのバードストライクはあると思われていたが実態はよく分かっておらず、評価や対策を考えることが必要だ」と話しています。
バードストライクと環境アセスメント
風力発電所でのバードストライクは、比較的大きな風力発電所の建設が進む中、2010年ごろから問題となりました。
大きな風力発電所では、高さが数十メートルから100メートル前後の風車が使われることが多く、タカやカモメなどが被害に遭うケースが相次いだため、環境省などは必要に応じて、建設時の環境アセスメントでバードストライクの調査を求めるようになったほか、運転を開始したあとも調査を行うよう求めてきました。
その後、2015年ごろから出力が20キロワットより小さい小型の風力発電所の建設計画が増えましたが、出力が1万キロワットを下回る風力発電所は、環境アセスメントの対象ではありません。
そのため自治体はガイドラインなどで事業者が守るべきことを示していますが、環境アセスメントと同じ規模の調査は求めておらず、バードストライクが大きく問題視されることはありませんでした。