きょう防災ぼうさいの日ひ 首都しゅと直下ちょっか地震じしんを想定そうていして総合そうごう防災ぼうさい訓練くんれん

訓練くんれんでは閣僚かくりょうが宿舎しゅくしゃなどから総理そうり大臣だいじん官邸かんていまで歩あるいて集あつまったあと、午前ごぜん８はち時じすぎから訓練くんれんのための「緊急きんきゅう災害さいがい対策たいさく本部ほんぶ」を設置せっちし、被害ひがい状況じょうきょうの確認かくにんや対応たいおう方針ほうしんなどについて話し合はなしあいました。

また、千葉ちば県けんの森田もりた知事ちじとテレビ会議かいぎを行おこない、被害ひがい状況じょうきょうや必要ひつような支援しえんなどについて報告ほうこくを受うけ、今後こんごの対応たいおうや連携れんけいについて確認かくにんしました。

さらに、臨時りんじの閣議かくぎを開ひらいて、人命じんめい救助きゅうじょを最さい優先ゆうせんに活動かつどうに当あたることや事前じぜんに定さだめた計画けいかくに基もとづいて首都しゅと機能きのうの維持いじを図はかるといった基本きほん方針ほうしんを決定けっていしました。

そのあと安倍あべ総理そうり大臣だいじんは訓練くんれんのための記者きしゃ会見かいけんで国民こくみんに対にたいし政府せいふの対応たいおう状況じょうきょうや方針ほうしんを伝つたえるとともに、安全あんぜんな場所ばしょに避難ひなんすることや落ち着おちついた行動こうどうをとることなどを呼よびかけました。

１いち日にちは政府せいふの訓練くんれん以外いがいにも、関東かんとうの１いち都と３さん県けんと５いつつの政令せいれい指定してい都市としが千葉ちば県けん船橋ふなばし市しで合同ごうどう訓練くんれんを行おこなうなど全国ぜんこく各地かくちでさまざまな防災ぼうさい訓練くんれんが行おこなわれる予定よていです。

安倍あべ首相しゅしょう “助け合たすけあい落ち着おちついて行動こうどうを”

「防災ぼうさいの日ひ」の１いち日にち、安倍あべ総理そうり大臣だいじんは総理そうり大臣だいじん官邸かんていで訓練くんれんのための記者きしゃ会見かいけんを行おこない、国民こくみんに対にたいし安全あんぜんな場所ばしょへ避難ひなんするなどして命いのちを守まもるとともに、自治体じちたいやテレビ・ラジオなどの情報じょうほうに注意ちゅういして落ち着おちついて行動こうどうするよう呼よびかけました。

政府せいふの総合そうごう防災ぼうさい訓練くんれんは１いち日にち午前ごぜん７なな時じごろに、東京とうきょう23区くを震源しんげんとする首都しゅと直下ちょっか地震じしんが発生はっせいしたという想定そうていで行おこなわれ、安倍あべ総理そうり大臣だいじんは午前ごぜん８はち時じすぎに総理そうり大臣だいじん官邸かんていに入はいり、午前ごぜん９きゅう時じ前まえから訓練くんれんのための記者きしゃ会見かいけんを行おこないました。

この中なかで安倍あべ総理そうり大臣だいじんは「関東かんとう地方ちほうを中心ちゅうしんに、これまでに多数たすうの死傷ししょう者しゃや建物たてもの倒壊とうかい、大だい規模きぼ火災かさいなどが確認かくにんされている」と述のべ、「災害さいがい緊急きんきゅう事態じたい」を布告ふこくするとともに、みずからを本部ほんぶ長ちょうとする「緊急きんきゅう災害さいがい対策たいさく本部ほんぶ」を設置せっちしたことを説明せつめいしました。

そのうえで安倍あべ総理そうり大臣だいじんは、国民こくみんに対にたいし引き続ひきつづき今後こんごの地震じしん活動かつどうや火災かさいなどに厳重げんじゅうに警戒けいかいし安全あんぜんな場所ばしょに避難ひなんするなど、命いのちを守まもる行動こうどうをとるよう呼よびかけました。

また、混乱こんらんを最小さいしょう限げんに抑おさえるため生活せいかつ必需ひつじゅ品ひんの買かいだめなどの自粛じしゅくを要請ようせいするとともに、自治体じちたいからの避難ひなん情報じょうほうやテレビ・ラジオなどの情報じょうほうにも注意ちゅういし、互たがいに助け合たすけあいながら落ち着おちついて行動こうどうするよう呼よびかけました。

首都しゅと直下ちょっか地震じしんとは

首都しゅと圏けんで甚大じんだいな被害ひがいが出でるおそれがある「首都しゅと直下ちょっか地震じしん」は政府せいふの地震じしん調査ちょうさ委員いいん会かいが今後こんご30年ねん以内いないに70％の確率かくりつで起おきると予測よそくしているマグニチュード７なな程度ていどの大だい地震じしんです。

この地震じしんについて専門せんもん家かなどで作つくる国くにの検討けんとう会かいは、平成へいせい25年ねんに最大さいだいクラスの地震じしんによる被害ひがい想定そうていと今後こんごの対策たいさくの方向ほうこう性せいを公表こうひょうしました。

想定そうていでは、東京とうきょう都心としん南部なんぶの直下ちょっかでマグニチュード7.3の大だい地震じしんが起おきた場合ばあい、東京とうきょうの江戸川えどがわ区くと江東こうとう区くで震度しんど７なな、東京とうきょう、千葉ちば、埼玉さいたま、神奈川かながわの４よっつの都県とけんで震度しんど６ろく強きょうの揺ゆれに襲おそわれるとしています。

被害ひがいが最もっとも大おおきいと想定そうていされているのは、地震じしんが風かぜの強つよい冬ふゆの夕方ゆうがたに起おきた場合ばあいで、全壊ぜんかいまたは焼失しょうしつする建物たてものは61万まん棟むねに上のぼり、このうち火災かさいによって41万まん2000棟むねが焼失しょうしつするとされています。

死者ししゃはおよそ２に万まん3000人にんに上のぼり、その７なな割わりにあたるおよそ１いち万まん6000人にんは火災かさいによって死亡しぼうするとされています。またけが人けがにんは12万まん3000人にん、救助きゅうじょが必要ひつような人ひとは５ご万まん8000人にん、避難ひなん者しゃは最大さいだいで720万まん人にんに達たっすると想定そうていされています。

上下じょうげ水道すいどうや電気でんきなどのライフラインや交通こうつうへの影響えいきょうも長期ちょうき化かし、都心としんの一般いっぱん道どうは激はげしい交通こうつう渋滞じゅうたいが数すう週間しゅうかん継続けいぞくし、鉄道てつどうは１いち週間しゅうかんから１いちか月かげつ程度ていど運行うんこうできない状態じょうたいが続つづくおそれがあるほか、食料しょくりょうや水みず、ガソリンなどの燃料ねんりょうも不足ふそくした状態じょうたいが続つづくとされています。

経済けいざい的てきな被害ひがいは、建物たてものなどの直接ちょくせつ的てきな被害ひがいと企業きぎょうの生産せいさん活動かつどうやサービスの低下ていかによる間接かんせつ的てきな被害ひがいを合あわせて95兆ちょう円えん余あまりと想定そうていされています。

一方いっぽうで事前じぜんの対策たいさくを徹底てっていすれば死者ししゃは10分ぶんの１いちまで減へらせるとしていて、建物たてものの耐震たいしん化かや出火しゅっか防止ぼうしのために揺ゆれを感知かんちして自動的じどうてきに電源でんげんを遮断しゃだんする「感かん震しんブレーカー」の普及ふきゅうなどが重要じゅうようだとしています。