このうち、「ギャラクシーフォールド」は広げた状態ではタブレット端末のように使えて、画面を本のように折り畳むとスマートフォンとして使えます。
地図などが表示されているスマートフォンの画面を広げると、自動的に画面の表示も拡大されます。
ことし4月26日にアメリカで発売し、価格は最も安い機種で1980ドル、日本円でおよそ22万円だということです。
スマホ事業を統括するコ・ドンジン部長は発表会で、「スマホのイノベーションの時代は終わったと言われてきたが、きょうは新たな始まりだ」とアピールました。
画面が折りたためるスマホをめぐっては、すでに中国のメーカー、ロヨルが販売しているほか、ファーウェイや、中国メーカーの子会社となったモトローラが近く発売する見通しで、各社の競争が激しくなりそうです。
スマホ出荷台数は減少傾向
スマートフォンは消費者の買い替えまでの期間が長くなっていることや、世界の多くの市場ですでに広く普及しているため、出荷台数は減少傾向です。
アメリカの調査会社IDCによりますと、去年1年間に世界で出荷されたスマホの台数は合わせて14億台で、前の年に比べて4.1%減りました。
最大の市場の中国で売れ行きが大きく落ち込んだため、2年連続で前年割れとなり、ことしも減るという見方を示しています。
メーカー別の去年のシェアは、韓国のサムスン電子が20.8%で首位、アメリカのアップルが14.9%で2位、3位から5位はいずれも中国メーカーで、ファーウェイが14.7%、シャオミが8.7%、OPPOが8.1%でした。
サムスン電子は首位を維持しましたが、出荷台数は前の年より8%減り、アップルも3.2%減少したということです。
これに対して、インドやヨーロッパなどで割安なスマホの販売を伸ばしたファーウェイとシャオミは出荷台数が30%以上増え、中国メーカーの躍進が目立っています。
このため、サムスン電子は、割安なスマホも販売しつつ、折り畳み式や次世代の通信規格5G対応など高い価格の新しいスマホをいち早く発売することで、存在感を示そうとしています。
新端末の特徴は
折りたためるサムスンの新しい端末は、画面に有機ELディスプレーを採用しています。
画面を広げたタブレット端末の状態では画面の大きさは7.3インチ、折り畳んだスマホの状態では4.6インチです。
広げた状態では3つのアプリを同時に実行できるのが特徴です。カメラは合わせて6つ搭載され、広げた状態でも折り畳んだ状態でも撮影できるということです。
サムスンによりますと、4月のアメリカに続いて、ヨーロッパなどで販売を始めますが、日本については未定だとしています。
サムスンは、これとは別に次世代の通信規格=5Gに対応した画面の大きさ6.7インチのスマートフォンをことしの6月末までにアメリカで発売することも明らかにし、大手メーカーでは他社に先行することになります。