ノルディック
スキーの
世界選手権で
ジャンプ競技はすべての
種目を
終えました。
日本は
男子が
小林陵侑
選手を
中心に
団体で
5大会ぶりのメダルと
なる銅メダルを
獲得する
など復活の
兆しを
見せた
一方、
女子は
これまで
得意としてきた
団体で
6位に
沈み、
混合団体も
含めてメダルなしと、
男女で
明暗が
分かれる結果となりました。23
歳の
小林陵侑
選手は
今シーズンのワールドカップで
ここまで11
勝を
挙げ、
日本選手初の
総合優勝を
目前にして
世界選手権に
臨みました。
日本勢として1999年大会の船木和喜選手以来10大会ぶりに個人種目での優勝が期待されましたが、初戦のラージヒルは4位、巻き返しをねらったノーマルヒルでは、まれに見る悪天候の中で1回目のトップから大きく順位を落として14位に終わりメダルには届きませんでした。
それでも団体ではエースとしてチームを引っ張り、5大会ぶりの表彰台となる銅メダルの獲得に大きく貢献し男子の復活を予感させました。
また今シーズン、ワールドカップで初めての表彰台を経験した23歳の佐藤幸椰選手も、初出場のプレッシャーを感じさせないのびのびとしたジャンプでノーマルヒルで7位に入り、団体では1人目としてチームを勢いづけるなど若手の躍進を印象づける大会となりました。
一方で女子は、前回大会銅メダルのエース、高梨沙羅選手が6位、前回銀メダルの伊藤有希選手も15位で、4大会ぶりにメダルに届きませんでした。
今大会初めて採用された団体も6位と惨敗に終わりました。
高梨選手、伊藤選手ともに今シーズンは次のオリンピックを見据えて助走姿勢の改善に取り組むなど、みずからのジャンプをいちから見直し、最終種目となった北京オリンピックからの新種目 混合団体でも満足な結果を残すことはできませんでした。
一方でピョンチャンオリンピックの金メダリスト、ノルウェーのルンビ選手や銀メダルのドイツのアルトハウス選手など、ヨーロッパの強豪選手たちは前評判どおりの好成績を収め、日本はこれまでにない苦しい状況に立たされています。
大会中、みずからがいない表彰式をじっと見つめた高梨選手は「今のままではどうやってもかなわない」と現在の力の差を素直に認めました。
全日本スキー連盟の斉藤智治常務理事は「強化の方針を大きく見直す必要性を感じるほど世界との力の差を感じた世界選手権だった。どこかで高梨選手の56勝というものに安心していた部分があったのかもしれない」と強い危機感を口にしました。
そのうえで「次の世界選手権までにはなんとかまた表彰台に上がれるチームを作っていきたい」と巻き返しを誓いましたがその道は決して平たんではないと感じさせる世界選手権となりました。