日本新聞: 高梨沙羅「どうやってもかなわない」欧州に惨敗ジャンプ女子

高梨たかなし沙羅さら「どうやってもかなわない」欧州おうしゅうに惨敗ざんぱいジャンプ女子じょし

Mar 3, 2019 06:03

Furigana

ノルディックスキーの世界せかい選手権せんしゅけんでジャンプ競技きょうぎはすべての種目しゅもくを終おえました。日本にっぽんは男子だんしが小林こばやし陵りょう侑選手せんしゅを中心ちゅうしんに団体だんたいで５ご大会たいかいぶりのメダルとなる銅メダルどうめだるを獲得かくとくするなど復活ふっかつの兆きざしを見みせた一方いっぽう、女子じょしはこれまで得意とくいとしてきた団体だんたいで６ろく位いに沈しずみ、混合こんごう団体だんたいも含ふくめてメダルなしと、男女だんじょで明暗めいあんが分わかれる結果けっかとなりました。23歳さいの小林こばやし陵りょう侑選手せんしゅは今こんシーズンのワールドカップでここまで11勝しょうを挙あげ、日本にっぽん選手せんしゅ初はつの総合そうごう優勝ゆうしょうを目前もくぜんにして世界せかい選手権せんしゅけんに臨のぞみました。

日本にっぽん勢ぜいとして1999年ねん大会たいかいの船木ふなき和喜かずよし選手せんしゅ以来いらい10大会たいかいぶりに個人こじん種目しゅもくでの優勝ゆうしょうが期待きたいされましたが、初戦しょせんのラージヒルは４よん位い、巻き返まきかえしをねらったノーマルヒルでは、まれに見みる悪天候あくてんこうの中なかで１いち回かい目めのトップから大おおきく順位じゅんいを落おとして14位いに終おわりメダルには届とどきませんでした。

それでも団体だんたいではエースとしてチームを引っ張ひっぱり、５ご大会たいかいぶりの表彰台ひょうしょうだいとなる銅メダルどうめだるの獲得かくとくに大おおきく貢献こうけんし男子だんしの復活ふっかつを予感よかんさせました。

また今こんシーズン、ワールドカップで初はじめての表彰台ひょうしょうだいを経験けいけんした23歳さいの佐藤さとう幸みゆき椰選手せんしゅも、初はつ出場しゅつじょうのプレッシャーを感かんじさせないのびのびとしたジャンプでノーマルヒルで７なな位いに入はいり、団体だんたいでは１いち人にん目めとしてチームを勢いきおいづけるなど若手わかての躍進やくしんを印象いんしょうづける大会たいかいとなりました。

一方いっぽうで女子じょしは、前回ぜんかい大会たいかい銅メダルどうめだるのエース、高梨たかなし沙羅さら選手せんしゅが６ろく位い、前回ぜんかい銀メダルぎんめだるの伊藤いとう有希ゆき選手せんしゅも15位いで、４よん大会たいかいぶりにメダルに届とどきませんでした。

今こん大会たいかい初はじめて採用さいようされた団体だんたいも６ろく位いと惨敗ざんぱいに終おわりました。

高梨たかなし選手せんしゅ、伊藤いとう選手せんしゅともに今こんシーズンは次つぎのオリンピックを見据みすえて助走じょそう姿勢しせいの改善かいぜんに取り組とりくむなど、みずからのジャンプをいちから見直みなおし、最終さいしゅう種目しゅもくとなった北京ぺきんオリンピックからの新しん種目しゅもく混合こんごう団体だんたいでも満足まんぞくな結果けっかを残のこすことはできませんでした。

一方いっぽうでピョンチャンオリンピックの金きんメダリスト、ノルウェーのルンビ選手せんしゅや銀メダルぎんめだるのドイツのアルトハウス選手せんしゅなど、ヨーロッパの強豪きょうごう選手せんしゅたちは前ぜん評判ひょうばんどおりの好こう成績せいせきを収おさめ、日本にっぽんはこれまでにない苦くるしい状況じょうきょうに立たたされています。

大会たいかい中ちゅう、みずからがいない表彰ひょうしょう式しきをじっと見みつめた高梨たかなし選手せんしゅは「今いまのままではどうやってもかなわない」と現在げんざいの力ちからの差さを素直すなおに認みとめました。

全ぜん日本にっぽんスキー連盟れんめいの斉藤さいとう智治ともはる常務じょうむ理事りじは「強化きょうかの方針ほうしんを大おおきく見直みなおす必要ひつよう性せいを感かんじるほど世界せかいとの力ちからの差さを感かんじた世界せかい選手権せんしゅけんだった。どこかで高梨たかなし選手せんしゅの56勝しょうというものに安心あんしんしていた部分ぶぶんがあったのかもしれない」と強つよい危機きき感かんを口くちにしました。