これまでの調べで、青葉容疑者は犯行に使ったとみられるガソリンの携行缶や台車、それに多目的ライターを現場から南に5キロほど離れた宇治市のホームセンターで購入したことが分かっています。
その後、第1スタジオからは1キロほど離れた宇治市内の「京都アニメーション」の本社や第2スタジオ周辺にも立ち寄っていたことが警察などへの取材で分かりました。
事件前日の午後、近くの路上を赤いシャツを着て携行缶を載せた台車を押しながら歩く様子が、複数の防犯カメラに写っていたということです。
青葉容疑者は警察官に取り押さえられた際、「社長を呼べ」などと叫んでいたということで、警察は放火したスタジオだけでなく本社なども狙って下見していた疑いがあるとみて事件前の足取りを詳しく調べています。
本社近くの防犯カメラに容疑者とよく似た男
京都市の「京都アニメーション」の第1スタジオが放火された事件で、隣接する京都府宇治市にある本社から北西に100メートルほど離れた建物の防犯カメラに、青葉容疑者と特徴の極めてよく似た男が写っていました。
写っていたのは防犯カメラの記録から、事件前日の今月17日の午後2時半ごろで、男は赤いシャツにデニムのズボン姿で、リュックを背負っていました。
画面の左から右に台車を片手で押しながら歩いていて、台車の上には箱のようなものが置かれているのが確認できます。
撮影されたのは「京都アニメーション」の本社とその西側にある第2スタジオの間で、男は特に急ぐ様子もなく、本社のある方向に向かって歩いていきました。
これまでに判明した容疑者の足取り
これまでの捜査で、青葉真司容疑者が京都にきてからの足取りが徐々に分かってきました。
捜査関係者によりますと、青葉容疑者が京都に入ったのは事件が起きた今月18日の数日前。
到着後、事件現場から南におよそ5キロ離れた宇治市内のホームセンターでガソリンを入れる携行缶や台車、多目的ライターを購入していたことが防犯カメラの映像などから分かっています。
さらに事件前日17日の午後2時半ごろには、ホームセンターから北に4キロほど行った「京都アニメーション」の宇治市の本社近くの防犯カメラに特徴の極めてよく似た男が写っていました。
本社から北に1キロほどの場所には事件が起きた「第1スタジオ」、西に200メートルほどの場所には「第2スタジオ」があります。
警察によりますと、さらに防犯カメラに写ったのと同じ17日には、「第1スタジオ」のすぐ近くの路上を、青葉容疑者とよく似た男が歩く姿が複数、目撃されているということです。
警察は、「京都アニメーション」の施設を頭に入れたうえで入念に犯行に及んだとみて調べています。