日本新聞: 北九州市の医師 “これ以上クラスター起きると解決困難に”

北九州きたきゅうしゅう市しの医師いし “これ以上いじょうクラスター起おきると解決かいけつ困難こんなんに”

Jun 4, 2020 16:06 32

Furigana

北九州きたきゅうしゅう市しでは、救急きゅうきゅう医療いりょうを担になう3つの医療いりょう機関きかんで新型しんがたコロナウイルスの集団しゅうだん感染かんせんが確認かくにんされ、救急きゅうきゅう患者かんじゃの受け入うけいれを停止ていししています。

市しの救急きゅうきゅう医療いりょうを統括とうかつする医師いしは「これ以上いじょうクラスターが起おきると市内しないだけで解決かいけつするのが難むずかしくなる」として危機きき感かんを強つよめています。北九州きたきゅうしゅう市しでは3日にちまでに救急きゅうきゅう医療いりょうを担になう3つの医療いりょう機関きかんで集団しゅうだん感染かんせんが確認かくにんされています。

中なかでも、小倉北こくらきた区くの北九州きたきゅうしゅう総合そうごう病院びょういんは、市内しないに2つしかない重おも篤あつな患者かんじゃを受け入うけいれる「3次じ救急きゅうきゅう」の医療いりょう機関きかんの1つで、八幡西やはたにし区くの産業さんぎょう医科いか大学だいがく病院びょういんは高度こうどな医療いりょうを提供ていきょうする市内しないで唯一ゆいいつの「特定とくてい機能きのう病院びょういん」に指定していされています。

市しによりますと、これらの病院びょういんで救急きゅうきゅう患者かんじゃの受け入うけいれを停止ていししたため、周辺しゅうへんのほかの病院びょういんへの搬送はんそうが急増きゅうぞうしているということです。

北九州きたきゅうしゅう市しの感染かんせん症しょう対策たいさくアドバイザーや地域ちいきの救急きゅうきゅう医療いりょうの協議きょうぎ会かいの会長かいちょうを務つとめる市立しりつ八幡やはた病院びょういんの伊藤いとう重彦しげひこ院長いんちょうは「学校がっこうの休校きゅうこうや企業きぎょうの自粛じしゅくによりけがや労災ろうさいが一時いちじ的てきに減へったことで、1月つきから先月せんげつまでの救急きゅうきゅう搬送はんそうは前まえの年としより2500件けん少すくなく、そのため救急きゅうきゅう医療いりょうの現場げんばもなんとか対応たいおうできていた」として、すでにギリギリの状況じょうきょうにあると指摘してきしています。

そのうえで、「今後こんご、社会しゃかい活動かつどうが活発かっぱつになって救急きゅうきゅう搬送はんそうがもとの水準すいじゅんに戻もどり、これ以上いじょうクラスターが起おきると北九州きたきゅうしゅう市内しないの病院びょういんだけで解決かいけつするのは難むずかしくなる」と述のべ、危機きき感かんを強つよめています。

伊藤いとう院長いんちょうは「今いまのうちに近隣きんりんの医療いりょう機関きかんの協力きょうりょくを得えて市外しがいへの搬送はんそうの道筋みちすじを立たて、余裕よゆうを持もって受け入うけいれられる体制たいせいを作つくりたい」として周辺しゅうへんの自治体じちたいと連携れんけいしながら救急きゅうきゅう医療いりょうの体制たいせいを維持いじしていきたいとしています。