“コロナショック”も株価かぶか上昇じょうしょう続つづく

ニューヨーク株式かぶしき市場しじょうでは上昇じょうしょう傾向けいこうが顕著けんちょ

とりわけニューヨーク株式かぶしき市場しじょうでは上昇じょうしょう傾向けいこうが顕著けんちょです。

先月せんげつ8日にちには世界せかいが最もっとも最もっとも注目ちゅうもくするアメリカの経済けいざい指標しひょう「雇用こよう統計とうけい」が発表はっぴょうされ、失業しつぎょう率りつが戦後せんご最悪さいあくの水準すいじゅんに悪化あっか。ところがこの日ひのニューヨーク株式かぶしき市場しじょうはダウ平均へいきん株価かぶかが455ドル上昇じょうしょう。衝撃しょうげき的てきな内容ないようだったにもかかわらず、多おおくの投資とうし家かは「雇用こようの悪化あっかはもともと想定そうていされていた。これが事実じじつ上じょう、景気けいきの底そこだ」と受け止うけとめ、このとき多おおくの州しゅうで出で始はじめていた経済けいざい再開さいかいに向むけた動うごきに目めを向むけました。このあとは景気けいきは持ち直もちなおすと見込みこんで買かい注文ちゅうもんが広ひろがったのです。

15日にちに発表はっぴょうされたスーパーやデパートなど小売こうり業ぎょうの4月つきの売上うりあげ高だかも過去かこ最悪さいあくの記録きろく的てきな落ち込おちこみになりました。しかし、この日ひもダウ平均へいきん株価かぶかは上昇じょうしょう。次つぎの営業えいぎょう日びも900ドルを超こえる大幅おおはばな上昇じょうしょうとなりました。

景気けいき悪化あっかの実態じったいが明あきらかになれば企業きぎょうの業績ぎょうせきも落ち込おちこむという見方みかたが増ふえ、株価かぶかは下さがりやすくなりますが、逆ぎゃくの動うごきとなっているのです。

逆ぎゃくの動うごきは日本にっぽんでも

こうした逆ぎゃくの動うごきは日本にっぽんでもみられます。

先月せんげつ18日にちには1月つきから3月つきのＧＤＰじ-でぃ-ぴ-＝国内こくない総そう生産せいさんが2期き連続れんぞくのマイナスとなったことが明あきらかになりましたが、その日ひの日経にっけい平均へいきん株価かぶかは値上ねあがり。今週こんしゅうも5月つきの自動車じどうしゃの販売はんばいやデパートの売り上うりあげが記録きろく的てきな落ち込おちこみだったことが明あきらかになったほか、5日にちは景気けいき動向どうこう指数しすうが発表はっぴょうされて悪化あっか幅はばが過去かこ最大さいだいとなったにもかかわらず、日経にっけい平均へいきん株価かぶかは上昇じょうしょうし、5日にち連続れんぞくの値上ねあがりとなっています。

専門せんもん家か「景気けいき回復かいふくが想定そうてい以上いじょうの早はやさで顕在けんざい化か」

このところの株価かぶかの上昇じょうしょうについて大和やまと証券しょうけんの石黒いしぐろ英之ひでゆきシニアストラテジストは「景気けいき回復かいふくが想定そうてい以上いじょうの早はやさで顕在けんざい化かしている。これまで景気けいき回復かいふくが遅おそいとみていた投資とうし家かが株式かぶしきを買い戻かいもどしている」と話はなしています。

また景気けいきが落ち込おちこむ中なかで株価かぶかが先行せんこうする形かたちで上昇じょうしょうしていることについては「ショックの時ときは景気けいきも株価かぶかも行き過いきすぎたところまで下さがるので、その反動はんどうも大おおきい。株価かぶかと景気けいきにかい離かいりがあっても景気けいきが、あとから株価かぶかに追おいついてくるのが過去かこの危機ききの特徴とくちょうだ」と分析ぶんせきしています。

そのうえで、今後こんごの景気けいきの見通みとおしについて「ひとことでいうとＶぶい字じに近ちかい形かたちで回復かいふくすると思おもう。各国かっこくともに金融きんゆう政策せいさくと財政ざいせい政策せいさくをセットにして、強烈きょうれつに経済けいざいを後押あとおししているからだ。株価かぶかも年末ねんまつにかけ上昇じょうしょうが続つづく可能かのう性せいが高たかい」と話はなしています。

専門せんもん家か「強力きょうりょくな金融きんゆう緩和かんわが株価かぶかに現あらわれている」

松井まつい証券しょうけんの窪田くぼた朋一ともかず郎ろうシニアマーケットアナリストはこのところの株価かぶかの上昇じょうしょうについて「アメリカのＦＲＢえふあ-るび-や日銀にちぎんなど各国かっこくの中央ちゅうおう銀行ぎんこうが強力きょうりょくな金融きんゆう緩和かんわをおこなっていることが株価かぶかに現あらわれている。企業きぎょうの決算けっさんや今後こんごの業績ぎょうせき予想よそうから考かんがえると、かなり割高わりだかの水準すいじゅんだ」と分析ぶんせきしています。

そのうえで、「目先めさきの株価かぶかはまだ上あがる可能かのう性せいは高たかい。ただ、中期ちゅうき的てきには不透明ふとうめいだ。新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんの再さい拡大かくだいや、アメリカと中国ちゅうごくの摩擦まさつなど、株価かぶかが下落げらくするきっかけは数多かずおおくある」と述のべました。

景気けいきの先行さきゆきについては「新型しんがたコロナウイルスのワクチンがまだ開発かいはつされていない今いま、安心あんしんして経済けいざい活動かつどうを行おこなえる状態じょうたいとはいえない。景気けいきの完全かんぜんな回復かいふくにはあと1、2年ねんはかかるだろう」と話はなしています。