エアコンを切った病室で仰向けになった患者4人が同時にせきをしたという想定では、小さな飛まつが天井に達したあと、仕切りのカーテンの隙間から部屋中に広がりました。
エアコンをつけて窓を開けていれば広がった飛まつは早い時間で薄まることが分かり、院内感染を防ぐためには換気の徹底が効果的だと分析しています。
机をはさんで4人が対面しているという想定では、マスクをつけずにせきをした場合に正面にいる人に飛まつがかかる一方で、隣や斜め前にいる人にはほとんど飛んでいかないことが分かったということです。
さらに湿度が高い場合は低い場合に比べて飛まつが蒸発せず机の上に残りやすいことが分かり、接触感染のリスクが高まるとしています。
坪倉チームリーダーは「窓を開けて換気するなど、身近にできる対策から建物の設備の改善まで、感染予防策の提言につなげたい」と話していました。
スパコン「富岳」とは 「京」の100倍の計算能力
スパコン「京」の後継機として開発された富岳は、神戸市中央区にある理化学研究所の「計算科学研究センター」内に今月13日までに設置されました。
広さ3000平方メートルの専用の室内には、幅80センチ、奥行き1メートル40センチ、高さ2メートル20センチの計算機合わせて432台が整然と並び、富岳はこれらを組み合わせて構成されています。
計算機の化粧パネルは、従来の「京」が赤色だったのに対し、富岳は富士山をイメージして青色があしらわれています。
理研によりますと、富岳は一時世界最速を誇った京の100倍の計算能力を持つ一方、電力の消費量は3分の1程度に抑えられているということです。
今月22日には世界のスパコンの性能を評価するランキングが国際学会で発表される予定で、富岳も上位に入ることが期待されています。
理化学研究所計算科学研究センターの松岡聡センター長は「これまでのスパコンの中でも最大規模で、世界最高の性能を持っている。富士山のように高い頂を目指しつつ、活用のすそ野も広げたい」と話していました。