国内で
新型コロナウイルスのワクチンを
開発する
際の
臨床試験について、
医薬品の
審査を
行う国の
機関が
新たな
考え方をまとめ、
数万人規模の
臨床試験で
発症予防の
効果を
調べなくても、すでに
実用化されているワクチンと
抗体の
データを
比べることで
有効性を
判断できるなどとしました。
この考え方は医薬品の審査を行うPMDA=医薬品医療機器総合機構が先月、公表しました。
国内でワクチンを開発する際にはこれまで最終段階で数万人規模の臨床試験を行い、有効性や安全性の確認が必要とされていました。
今回示された考え方では、すでに実用化されたワクチンの接種が各地で進んでいることから、新たなワクチンを開発する際に偽薬と呼ばれる偽の薬と発症率などを比較して効果を確認する臨床試験を行うのが難しくなりつつあるとして、最終段階の臨床試験ではすでに実用化されている同じタイプのワクチンと比べてウイルスの感染を防ぐ中和抗体の値が同等以上であれば有効性を判断できるとしました。
さらに安全性については海外の基準なども踏まえ、原則として少なくとも3000人に投与して安全性を確認することなどとしています。
新型コロナウイルスの国産のワクチン開発をめぐっては、複数の製薬メーカーが今後、最終段階の臨床試験を始める意向を示しています。