日本新聞: 経団連前会長の中西宏明氏が死去 75歳

病気びょうき療養りょうようのため任期にんき途中とちゅうで退任たいにんした経団連けいだんれんの前まえの会長かいちょうで、日立ひたち製作せいさく所しょの社長しゃちょうや会長かいちょうを歴任れきにんした中西なかにし宏明ひろあき氏しが6月つき27日にち、東京とうきょう都内とないの病院びょういんで亡なくなりました。75歳さいでした。

中西なかにし氏しは、昭和しょうわ45年ねんに日立ひたち製作せいさく所しょに入社にゅうしゃし、北米ほくべいやヨーロッパの代表だいひょうなどを務つとめたあと平成へいせい22年ねんに社長しゃちょうに就任しゅうにんし、平成へいせい26年ねんからことし5月つきまで、会長かいちょうを務つとめました。

経営けいえいトップとして、日本にっぽんの製造せいぞう業ぎょうとしては当時とうじ、過去かこ最大さいだいの7800億おく円えんを超こえる巨額きょがくの赤字あかじに陥おちいった日立ひたちの再建さいけんに手腕しゅわんを発揮はっきし「選択せんたくと集中しゅうちゅう」を進すすめて業績ぎょうせきのV字じ回復かいふくを果はたしました。

3年ねん前まえの平成へいせい30年ねん5月つきに経団連けいだんれんの会長かいちょうに就任しゅうにんし、これまで経団連けいだんれんが策定さくていしていた就職しゅうしょく活動かつどうのルールを廃止はいししたり、新卒しんそつ一括いっかつ採用さいようや終身しゅうしん雇用こようなどの「日本にっぽん型がた雇用こようシステム」の見直みなおしを呼よびかけたりました。

また、政府せいふの経済けいざい財政ざいせい諮問しもん会議かいぎや気候きこう変動へんどう対策たいさくの推進すいしんのための有識者ゆうしきしゃ会議かいぎのメンバーなども歴任れきにんし、エネルギー政策せいさくやデジタル社会しゃかいの実現じつげんに向むけた提言ていげんを積極せっきょく的てきに発信はっしんしました。

中西なかにし氏しは、経団連けいだんれん会長かいちょうとして在任ざいにん中ちゅうのおととし体調たいちょうを崩くずして入院にゅういんし、検査けんさの結果けっか、リンパ腫りんぱしゅであることを明あきらかにしました。

その後そのご、退院たいいんして業務ぎょうむに復帰ふっきしたものの、去年きょねん7月つき、再ふたたび入院にゅういんし、リンパ腫りんぱしゅが再発さいはつしたと発表はっぴょうしていました。

病状びょうじょうはいったん落ち着おちつきましたが、ことし4月つき、再々さいさい発はつのおそれがあることが分わかり、5月つき、任期にんき途中とちゅうで経団連けいだんれんの会長かいちょうの退任たいにんを表明ひょうめいし、日立ひたちの会長かいちょうの職しょくからも退しりぞいていました。

関係かんけい者しゃによりますと中西なかにし氏しは6月つき27日にち、療養りょうようしていていた東京とうきょう都内とないの病院びょういんで亡なくなりました。

75歳さいでした。

自民じみん岸田きしだ前ぜん政調せいちょう会長かいちょう「政治せいじ家かの心構こころがまえ指導しどういただいた」

自民党じみんとうの岸田きしだ前ぜん政務せいむ調査ちょうさ会長かいちょうは、記者きしゃ団だんに対にたいし「経団連けいだんれんの会長かいちょうになる前まえから、長ながきにわたって個人こじん的てきに指導しどういただき、ご冥福めいふくを心こころからお祈おいのり申し上もうしあげる。政策せいさくや政治せいじ家かとしての心構こころがまえについて指導しどういただいたことを懐なつかしく思い返おもいかえしていて、そのことを胸むねに、政治せいじ家かとして努力どりょくを続つづけていきたい」と述のべました。

日商にっしょう三村みつむら会頭かいとう「本当ほんとうに残念ざんねんで惜おしい人ひとをなくした」

経団連けいだんれんの前まえの会長かいちょうの中西なかにし宏明ひろあき氏しが亡なくなったことについて、日本にっぽん商工しょうこう会議かいぎ所しょの三村みつむら会頭かいとうは「退任たいにんまで病やまいをおして会長かいちょう職しょくを続つづけてこられただけに本当ほんとうに驚おどろいている。中西なかにしさんは現状げんじょうの世界せかいを変かえないといけないという問題もんだい意識いしきを強つよく持もち、そのために努力どりょくされてきた。もう一度もういちど復帰ふっきし、やり残のこしたことをやっていただいていたら、世の中よのなかがもう少もうすこしよくなったのではないか。本当ほんとうに残念ざんねんで惜おしい人ひとをなくしたと思おもいます」と述のべました。

日立ひたち製作せいさく所しょが正式せいしきに発表はっぴょう

日立ひたち製作せいさく所しょは、経団連けいだんれんの前まえの会長かいちょうで、日立ひたちの社長しゃちょうや会長かいちょうを歴任れきにんした中西なかにし宏明ひろあき氏しが6月つき27日にちにリンパ腫りんぱしゅのため、都内とないの病院びょういんで亡なくなったと正式せいしきに発表はっぴょうしました。

合あわせて、日立ひたちでともに経営けいえいを担になってきた東原ひがしはら敏昭としあき会長かいちょうが談話だんわを発表はっぴょうし、この中なかで「事業じぎょう所しょでは新人しんじんとして仕事しごとのイロハを教おそわり、私わたしが社長しゃちょうに就任しゅうにんしてからは経営けいえい者しゃとしてご指導しどういただきました。2010年ねんに社長しゃちょうに就任しゅうにんし、未み曽そ有ゆうの大だい震災しんさいに見舞みまわれる中なか、高たかい視座しざをもち、日立ひたちのグローバル化かと、成長せいちょう路線ろせんへの転換てんかんを強力きょうりょくに推し進おしすすめてくださいました。さらに、日本にっぽんの発展はってんや国際こくさい社会しゃかいとの協調きょうちょう・親善しんぜんに尽力じんりょくされた中西なかにしさんは、日立ひたちが目指めざすグローバルリーダーを正ただしく体現たいげんされていました」などとしています。

経団連けいだんれん十倉とくら会長かいちょう「国くにを憂うれい意見いけんを発信はっしんする経営けいえい者しゃ」

経団連けいだんれんの前まえの会長かいちょうの中西なかにし宏明ひろあき氏しが亡なくなったことについて、経団連けいだんれんの十倉とくら会長かいちょうは記者きしゃ団だんの取材しゅざいに応おうじ「胸むねが締しめつけられ、やるせない思おもいでいっぱいだ。心こころよりご冥福めいふくをお祈おいのりしたい。中西なかにし氏しからは体調たいちょうがよいので今月こんげつ9日にちに食事しょくじをしようと誘さそいを受うけていたので、驚おどろき以外いがいにない」と述のべました。

そのうえで「中西なかにし氏しが掲かかげていた持続じぞく可能かのうな形かたちで経済けいざい社会しゃかいを発展はってんさせる『サステイナブルな資本しほん主義しゅぎの確立かくりつ』は私わたしの考かんがえそのものでもあり、尊敬そんけいしていた。この考かんがえを成し遂なしとげることが中西なかにしさんへの恩返おんがえしだと思おもっている。病室びょうしつからITを駆使くしして、常つねに笑顔えがおで経団連けいだんれん会長かいちょうの職務しょくむにあたった中西なかにしさんの不屈ふくつの闘志とうしに感服かんぷくするばかりだった。国くにを憂うれい、意見いけんを発信はっしんする経営けいえい者しゃだった」と述のべました。