日本郵政グループは、顧客が不利益を受けた可能性のある、およそ18万3000件を対象に、去年から詳しい調査を進め、法令や社内ルールに反する契約が3500件余り確認されました。
これについて会社は30日、販売を担当した郵便局の社員、2448人に処分を行ったことを明らかにしました。
「保険をすぐには解約できない」と、顧客に虚偽の説明をした事例などがあったということです。
処分の内訳は、保険の販売資格を取り消す業務廃止が11人、1か月から6か月の業務停止が924人、2週間または3週間の業務停止が1513人となっていて、業務停止の期間中は、再発防止のための研修を受けるということです。
一連の問題では、これとは別の多数の契約をしている顧客を対象にした調査でも、77人が業務廃止などの処分を受けています。
30日のオンラインでの会見で、日本郵政の増田寛也社長は「創業以来の危機だと申し上げてきたが、コンプライアンス意識に欠ける営業を続けてきたことを大変重く受け止めている」と述べました。
一方、日本郵便とかんぽ生命の社員が、新型コロナウイルス対策の持続化給付金を趣旨に反して申請していた問題で、会社は30日、申請したのが合わせて125人だったと明らかにしました。
保険の販売を担当する社員は給与と別に、事業所得として営業手当を受け取っていて、不適切販売の問題をきっかけに去年の夏以降、営業の自粛が続いているため、最大100万円を受け取れる給付金で収入を補おうとしたとみられています。
これについて増田社長は、全員が申請の取り下げや返還の手続きを進めているとし「グループの社員が不適切な行為を行っていたことを深くおわびする」と陳謝しました。