コロナ陰性いんせい後ごも続つづく“後遺症こういしょう” 実態じったい調査ちょうさへ 日本にっぽん呼吸こきゅう器き学会がっかい

また、新型しんがたコロナウイルス感染かんせん症しょうは国くにの指定してい感染かんせん症しょうになっているため、入院にゅういんなどでかかる医療いりょう費ひは全額ぜんがく、公費こうひで負担ふたんされますが、陰性いんせいになり退院たいいんしたあとの医療いりょう費ひの一部いちぶは自己じこ負担ふたんとなっていて、後遺症こういしょうとみられる症状しょうじょうへの理解りかいや支援しえんを求もとめる声こえも相次あいついでいます。

こうした中なか、日本にっぽん呼吸こきゅう器き学会がっかいは肺はい機能きのうの低下ていかを中心ちゅうしんに、陰性いんせい後ごも続つづくさまざまな症状しょうじょうについて実態じったい調査ちょうさを進すすめることになりました。調査ちょうさは早はやければ来月らいげつにも始はじまる見通みとおしで、学会がっかいの医師いしが所属しょぞくしている全国ぜんこくの医療いりょう機関きかんに協力きょうりょくしてもらい新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん者しゃの症例しょうれいをもとに調査ちょうさや研究けんきゅうを進すすめるということです。

日本にっぽん呼吸こきゅう器き学会がっかいの横山よこやま彰あきら仁じん理事りじ長ちょうは「陰性いんせいになっても肺はい機能きのうなどが元もとに戻もどらない人ひとが海外かいがいで多おおく報告ほうこくされ、日本にっぽんでも同おなじような事例じれいがあることが分わかっているが、感染かんせん者しゃのうちどのくらいの人ひとに後遺症こういしょうが出でるのかなど詳くわしい実態じったいはまだ分わかっていない。症例しょうれいのデータを集あつめて調査ちょうさし今後こんごの対応たいおうに生いかしていきたい」と話はなしています。

症状しょうじょう続つづく大学生だいがくせいは…

新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんした21歳さいの男子だんし大学生だいがくせいは、陰性いんせいになったあとも2か月かげつ近ちかくにわたって発熱はつねつや息苦いきぐるしさなどの症状しょうじょうが続つづき通とおっていた大学だいがくの休学きゅうがくを余儀よぎなくされています。

「社会しゃかい復帰ふっきできると思おもった…」退院たいいん後ご2か月かげつ近ちかく続つづく症状しょうじょう

大学生だいがくせいが新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんしていることが確認かくにんされたのは4月つき7日にち。それから3週間しゅうかん、自宅じたくで療養りょうようを続つづけましたが、40度どを超こえる発熱はつねつが続つづいたことなどから、4月つき29日にちに入院にゅういんしました。10日にち後ごの5月つき9日にち、ＰＣＲ検査けんさで2度ど陰性いんせいが確認かくにんされたため退院たいいん。

しかし、退院たいいん後ごも、37度ど5分ふん前後ぜんごの発熱はつねつやけん怠けんたい感かんのほか、息切いきぎれや嗅覚きゅうかく障害しょうがいなどの症状しょうじょうが2か月かげつ近ちかく続つづいていて、5月つき中旬ちゅうじゅんには脱水だっすい症状しょうじょうになって意識いしきを失うしないおよそ1週間しゅうかん、入院にゅういんしたといいます。

大学生だいがくせいは「ＰＣＲ検査けんさで陰性いんせいになりましたが、発熱はつねつや頭痛ずつうのほか味覚みかくや嗅覚きゅうかくも元もとに戻もどっていなかったので、『これで本当ほんとうに陰性いんせいなのかな』と不安ふあんでした。陰性いんせいになって点滴てんてきを外はずして、『家いえに帰かえって普通ふつうの生活せいかつをしてください』って言いわれてもけん怠けんたい感かんからずっと家いえで寝ねているような状態じょうたいで外出がいしゅつする気力きりょくもありません。コロナにかかる前まえは若者わかものだとすぐに治なおって社会しゃかい復帰ふっきできると思おもっていましたが全然ぜんぜんそんなことはありませんでした」と話はなしました。

9月つきまで休学きゅうがく

陰性いんせい後ごも発熱はつねつなどの症状しょうじょうに苦くるしむ大学生だいがくせい。外出がいしゅつもできない状況じょうきょうが続つづき、迷まよった末すえに通かよっていた大学だいがくをことし9月つきまで休学きゅうがくすることを決断けつだんしました。大学だいがくには医師いしの診断しんだん書しょとともに休学きゅうがく届とどけを提出ていしゅつしましたが、大学だいがく側がわからは休学きゅうがく期間きかん中ちゅうであっても原則げんそくとして学費がくひを支払しはらう必要ひつようがあると説明せつめいされたといいます。

大学生だいがくせいは「いまは数すう分間ふんかん勉強べんきょうしただけでも疲つかれてしまうような状況じょうきょうなので何なん時間じかんも授業じゅぎょうを受うけるのは難むずかしいと考かんがえました。休学きゅうがくはギリギリまで迷まよいましたが、たとえ、オンライン授業じゅぎょうであっても授業じゅぎょうを受うけるのは難むずかしいので休学きゅうがくせざるをえない状況じょうきょうでした。半年はんとしで治なおるのかもまだ分わからない未知みちのウイルスで、いつ復帰ふっきできるかもわからず、友人ゆうじんよりも卒業そつぎょうが遅おくれてしまうのでとても不安ふあんです」と話はなしています。

のしかかる医療いりょう費ひ

大学生だいがくせいは、陰性いんせい後ごも続つづく症状しょうじょうの治療ちりょうのため今いまも定期ていき的てきに病院びょういんに通かよい3種類しゅるいの薬くすりを処方しょほうしてもらっています。新型しんがたコロナウイルスは国くにの指定してい感染かんせん症しょうになっているため陰性いんせいとなり、退院たいいんの基準きじゅんを満みたすまでの医療いりょう費ひは、全額ぜんがく、公費こうひで負担ふたんされますが、その後そのごの医療いりょう費ひの一部いちぶは自己じこ負担ふたんとなります。

大学生だいがくせいは陰性いんせい後ごに1週間しゅうかん入院にゅういんし、その後そのごも定期ていき的てきに通院つういんしているためこれまでに支払しはらった医療いりょう費ひは合あわせて12万まん円えんに上のぼっているといいます。

大学生だいがくせいは「今いまも2週間しゅうかんに1度ど、通院つういんしていますが、1回かい当あたりの医療いりょう費ひが5、6000円えんかかるほか、電車でんしゃでの移動いどうもしんどいのでタクシー代だいもかかってしまいます。アルバイトもできず、学生がくせいには到底とうてい払はらえないので親おやに頼たよっている状況じょうきょうですが、いつまで続つづくかわからず、経済けいざい的てきな面めんも不安ふあんです。陰性いんせいになっても症状しょうじょうは変かわらないのに医療いりょう費ひが自己じこ負担ふたんになるのはおかしいと感かんじています」と話はなしていました。

SNSにも投稿とうこう相次あいつぐ

ＳＮＳ上じょうには、新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんし、陰性いんせいになったあとも後遺症こういしょうとみられる症状しょうじょうに苦くるしむ人ひとたちの投稿とうこうが相次あいついでいます。

「コロナ後遺症こういしょうですが、あります。発熱はつねつ、息苦いきぐるしさ、頭痛ずつうなど。自分じぶんも微熱びねつが60日にち続つづいています」

「耳鼻じび科かに行いってきました。やはり情報じょうほうが少すくなく、コレと言いった治療ちりょうがないので、感冒かんぼう後ご嗅覚きゅうかく障害しょうがいと同おなじ対応たいおうしかないとのこと。長期ちょうき戦せんだ～」

「めまいが治なおらん。薬くすり飲のんでるのに治なおらん。耳鳴みみなりも治なおらん。これ、本気ほんきで後遺症こういしょうなんじゃないかという気きがしてきた」

また、退院たいいん後ごの医療いりょう費ひが一部いちぶ、自己じこ負担ふたんとなっていることについても投稿とうこうが相次あいついでいます。

「陰性いんせい後ごも体調たいちょう不良ふりょう続つづくことがあるなんて知しらなかった。陽性ようせい時じは指定してい感染かんせん症しょうで入院にゅういん費ひ全額ぜんがく免除めんじょだが、陰性いんせい後ごの入院にゅういんは自己じこ負担ふたんということを知しらなかった」

「今後こんご全部ぜんぶ有料ゆうりょうでしかも高たかいのも気きになる。後遺症こういしょうがあるうちはせめてお手てごろ価格かかくで経過けいか観察かんさつしてほしい…変かわったのは陰性いんせいってだけだからなぁ」

そして後遺症こういしょうとみられる症状しょうじょうに苦くるしむ人ひとたちが相次あいついでいること対たいする驚おどろきの投稿とうこうもあります。

「感染かんせん者しゃの人達ひとたちのお話おはなしを聞きくまでは全まったく知しりませんでした。後遺症こういしょうに備そなえて通院つういん特約とくやく付つけようかと思おもっています」

「後遺症こういしょうの苦くるしみや治療ちりょう方針ほうしんなど全まったく知しらないから詳くわしく書かいてもらって改あらためて気きをつけようと思おもいました」