京都市の
難病の
女性の
依頼を
受け
薬物を
投与して
殺害したとして
医師2
人が
逮捕された
事件で、
女性から
医師の
口座に
現金およそ130
万円が
事前に
振り込まれていたことが
捜査関係者への
取材で
分かりました。
入金の
やり取りは
第三者が
見ることができないSNSの
個別の
メッセージの
中で
行われていたとみられ、
警察はメッセージを
分析する
などして
入金の
趣旨を
調べる方針です。
仙台市泉区の
大久保愉一容疑者(42)と
東京 港区の
山本直樹容疑者(43)の
医師2
人は、
去年11
月、
全身の
筋肉が
徐々に動かなく
なる難病、ALSの
患者で
京都市の
林優里さん(51)の
依頼を
受け
自宅に
出向いて
薬物を
投与し
殺害したとして、23
日、
嘱託殺人の
疑いで
逮捕されました。
警察は24
日、2
人の
身柄を
検察庁に
送りました。
また、この事件で女性から山本医師名義の口座に現金およそ130万円が事前に振り込まれていたことが、捜査関係者への取材で新たに分かりました。
こうした入金のやり取りは、女性が大久保医師との間で交わしていたとみられるSNSで第三者が見ることができない個別のメッセージの中で行われていたとみられるということです。
警察はメッセージを分析するなどして入金の趣旨を調べるとともに、学生時代に知り合ったとみられる医師2人の関係についても捜査を進める方針です。
ブログに持論投稿か
捜査関係者によりますと、大久保医師は匿名のブログや電子書籍で、安楽死を積極的に肯定するような内容を記していたとみられています。
大久保医師が書いたとみられるブログには「高齢者を枯らす技術」とタイトルが付けられ、みずからを「田舎の内科医」とし、「人生を『太く』『短く』生きたいというあなたに捧げるブログです」と紹介文が記されています。
去年5月の投稿では、ALSなどの神経難病の患者を診察した経験があるとしたうえで、「『日々生きていることすら苦痛だ』という方には、一服盛るなり、注射一発してあげて、楽になってもらったらいい」と記載しています。
また、手塚治虫の漫画、「ブラック・ジャック」に登場する安楽死の専門医、ドクターキリコに触れながら、「安楽死は500万円なんてふっかけても支払えないでしょう。ヤバい仕事とは思いませんが訴追されてプーになるリスクを背負うのに、全くのボランティアではやってられません」などと投稿しています。
このほか、終末期の高齢者に対する安楽死についても肯定するような内容を記しています。
また、大久保医師のものとみられるSNSのアカウントと、同じ名前の人物が編集者になっている電子書籍には、「扱いに困った高齢者を『枯らす』技術」というタイトルが付けられています。書籍の内容については、「『今すぐに死んでほしい』といわれる老人を証拠も残さず、大がかりな設備なしに消せる方法がある。急変とか病気の自然経過に見せかけて患者を死なせることができてしまう」などと記されています。
大久保容疑者の妻が会見
大久保医師の妻は24日、夫が開業する宮城県名取市のクリニックで会見を開きました。
この中で夫が事件前、対人関係などの悩みで自殺未遂を繰り返していたことを明らかにしたうえで、「彼は死にたい気持ちに耐えて、生活してきた。その気持ちとたたかっている姿をずっとみていたので、死にたい人の気持ちに共感し過ぎたのではないか」と話しました。
また、経済面についても金銭的に苦しい状態では全くなかったと述べました。