終戦の
日の15
日、
天皇陛下は、
皇后さまとともに
全国戦没者追悼式に
臨み、
新型コロナウイルスの
感染拡大にも
触れながら、
人々の
幸せと
平和を
願うおことばを
述べられました。
終戦から75
年を
迎えた15
日、
天皇皇后両陛下は、
東京の
日本武道館で
行われた
全国戦没者追悼式に
臨まれました。
感染拡大の影響で、両陛下がそろって公の場に姿を見せるのは半年ぶりで、マスク姿で式典に出席され、正午の時報とともに参列者全員で黙とうをささげたあと、天皇陛下がおことばを述べられました。
天皇陛下は、はじめに「さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします」と述べられました。
そして、「過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります」と締めくくられました。
ことしのおことばには、新型コロナウイルスの感染拡大に触れた一文も加えられ、天皇陛下は、新たな苦難に直面しているとしたうえで、「私たち皆が手を共に携えて、この困難な状況を乗り越え、今後とも、人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います」と述べられました。
戦没者追悼式の天皇のおことばに現在の課題が盛り込まれたのは初めてで、上皇さまの戦争と平和への思いを受け継ぐ姿勢とともに、感染拡大に直面する人々に寄せる天皇陛下の思いがあらわれたものとなりました。
天皇陛下のおことば全文
本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。
終戦以来七十五年、人々のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき、誠に感慨深いものがあります。
私たちは今、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、新たな苦難に直面していますが、私たち皆が手を共に携えて、この困難な状況を乗り越え、今後とも、人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います。
ここに、戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。