日本新聞: 「来年前半までに全国民へのワクチン提供目指す」政府対策本部

「来年らいねん前半ぜんはんまでに全ぜん国民こくみんへのワクチン提供ていきょう目指めざす」政府せいふ対策たいさく本部ほんぶ

Aug 28, 2020 19:08

Furigana

新型しんがたコロナウイルスへの対応たいおうをめぐり、政府せいふの対策たいさく本部ほんぶは、来年らいねん前半ぜんはんまでに、すべての国民こくみんに提供ていきょうできるワクチンの確保かくほを目指めざすなどとした今後こんごの取り組とりくみを決定けっていしました。政府せいふは28日にち午後ごご、総理そうり大臣だいじん官邸かんていで、安倍あべ総理そうり大臣だいじんや菅かん官房かんぼう長官ちょうかん、西村にしむら経済けいざい再生さいせい担当たんとう大臣だいじんらが出席しゅっせきして、新型しんがたコロナウイルス対策たいさく本部ほんぶを開ひらき、今後こんごの取り組とりくみを決定けっていしました。

それによりますと、インフルエンザとの同時どうじ流行りゅうこうが懸念けねんされる冬ふゆを見据みすえ、医療いりょう提供ていきょう体制たいせいの確保かくほに取り組とりくむほか、検査けんさ体制たいせいも1日にちに平均へいきん20万まん件けん程度ていど行おこなえるよう抜本ばっぽん的てきに拡充かくじゅうするとしています。

また、ワクチンをめぐり、来年らいねん前半ぜんはんまでに、すべての国民こくみんに提供ていきょうできる数かずの確保かくほを目指めざすとしたうえで、安全あんぜん性せいや有効ゆうこう性せいが認みとめられるものは国内こくない産さん、国外こくがい産さんを問とわず、供給きょうきゅうのための契約けいやくを順次じゅんじ、進すすめるとしています。

さらに、感染かんせん症しょう法ほうに基もとづいて、感染かんせん者しゃに入院にゅういんの勧告かんこくなどを行おこなっている現在げんざいの対応たいおうについて、無む症状しょうじょうや軽症けいしょうが多おおい実態じったいを踏ふまえ、保健所ほけんじょや医療いりょう機関きかんの負担ふたん軽減けいげんを図はかるため、政令せいれいの改正かいせいも含ふくめ、柔軟じゅうなんに見直みなおすとしています。

一方いっぽう、本部ほんぶでは、雇用こよう調整ちょうせい助成じょせい金きんの上限じょうげん額がくの引き上ひきあげなどの特例とくれい措置そちを年末ねんまつまで延長えんちょうするほか、水際みずぎわ対策たいさくとしてとられている入国にゅうこく制限せいげんを来月らいげつから一部いちぶ緩和かんわし、ＰＣＲ検査けんさの実施じっしなどを条件じょうけんに在留ざいりゅう資格しかくがある外国がいこく人じんの日本にっぽんへの再さい入国にゅうこくを認みとめることも確認かくにんしました。

安倍あべ総理そうり大臣だいじんは「感染かんせんの拡大かくだいをできるかぎり抑おさえながら、社会しゃかい経済けいざい活動かつどうなどの両立りょうりつを図はかっていくため、事業じぎょう者しゃや地方ちほう自治体じちたいとも連携れんけいして、これらの対策たいさくに引き続ひきつづき全力ぜんりょくであたってほしい」と述のべました。

専門せんもん家か「インフルエンザとの同時どうじ流行りゅうこうにらんだ対応たいおう」

日本にっぽん感染かんせん症しょう学会がっかいの理事りじ長ちょうで東邦とうほう大学だいがくの舘田たてだ一博かずひろ教授きょうじゅは「軽症けいしょう、無む症状しょうじょう者しゃの療養りょうようの考え方かんがえかたや、検査けんさ数すうを1日にちに20万まん件けんへの拡充かくじゅうは秋あきから増ふえると予想よそうされる、インフルエンザとの同時どうじ流行りゅうこうをにらんだ対応たいおうではないか。軽症けいしょうであっても新型しんがたコロナウイルスの患者かんじゃさんが増ふえると院内いんない感染かんせん対策たいさくなど、現場げんばのスタッフの仕事しごとは増ふえる。若わかい世代せだいで持病じびょうが無なければ、重症じゅうしょう化かのリスクは高たかくないことが分わかってきた。重症じゅうしょう者しゃを守まもるためにも軽症けいしょう者しゃ、無む症状しょうじょう者しゃをホテルや自宅じたく療養りょうようとしたのは大おおきな意味いみがある」と話はなしています。

検査けんさについては「1日にち20万まん件けん検査けんさができる体制たいせいがあれば、インフルエンザと同時どうじ流行りゅうこうしても十分じゅうぶんに診断しんだんができると考かんがえられ、今いまから次つぎの大おおきな波なみを乗り越のりこえるために備そなえていくという点てんで重要じゅうようだ」と指摘してきしました。

また、ワクチンをすべての国民こくみんが受うけられるようにするとしたことについては「すべての国民こくみんがきちんとワクチンを接種せっしゅできるよう、今いまから準備じゅんびを進すすめておくことは非常ひじょうに重要じゅうようだ。一方いっぽうで、ワクチンは安全あんぜん性せいや有効ゆうこう性せいなどハードルも高たかいと考かんがえられるため、過剰かじょうな期待きたいを持もつことなく、これから出でてくる科学かがく的てき根拠こんきょを注視ちゅうしして冷静れいせいに判断はんだんをしていく必要ひつようがある」と話はなしています。