最大瞬間風速が50メートル以上になると、ブロック塀が倒壊したり、多くの樹木が倒れたり、老朽化した木造住宅が倒壊したりするおそれがあります。暴風の中、外で行動するのは大変危険です。
専用の装置で強風を再現した実験では、サンダルやぬれた雑誌が風で飛ばされると窓ガラスを粉々に割りました。身近なものが風で飛ばされると凶器に変わるおそれがあることがわかります。
今月上旬の台風21号では各地で猛烈な風が吹き、強風で飛ばされたものに当たって死亡やけがをする被害が相次いだほか、住宅や建物の窓ガラスが割れる被害も相次ぎました。
こうした被害を防ぐための対策について専門家は、明るい時間帯や雨風が強くならないうちに対策を取っておくことが重要だと指摘しています。災害リスク評価研究所の松島康生代表によりますと、住宅の敷地内の植木鉢などが強風で飛ばされれば周囲に被害を与えるおそれがあるため、これらを屋内に収納するほか、大きなものはひもで固定したり、物干しざおは地面に下ろしたりするなど対策を取っておくことが必要だということです。
また、窓ガラスが割れないためには雨戸やシャッターを閉めておくことが有効ですが、雨戸などがない場合は破片が飛び散らないように粘着テープを貼ったり、カーテンやブラインドを閉めたりすることが効果的だということです。
このほか、強風による被害では車や建物のドアに指を挟まれてけがをするケースも多く、ドアをしっかり持って注意して出入りすることも大事だということです。
松島さんは「強風でものが飛ばされれば自分が被害者にも加害者にもなるおそれがあります。明るい時間帯や雨風が強くないうちにあらかじめ対策を取っておくことが重要です」と話していました。