本庶さんは、待ち受けていた関係者から「おめでとうございます」という言葉とともに花束を受け取ったあと、妻の滋子さんと一緒に記者会見を行い、これまでの研究生活を振り返りました。
この中で本庶さんは「これまで家族の支えや研究費に恵まれてきて、絶望して研究をやめようと思うことは一度もなかった。これまでの成果を後進の育成のために還元していきたい」と話していました。
また、妻の滋子さんは「家庭での役割ははっきりと分担するなど、夫を支えてきた私もうれしく思います。会話していても中途半端で終わらせないなど家の中でも諦めず、極める姿勢で、そうしたことが受賞につながったと思います」と話していました。
授賞式は、12月10日にスウェーデンのストックホルムで開かれることになっています。
「ライフサイエンス分野の振興に貢献したい」
本庶佑さんは、一夜明けた2日午前、京都大学でNHKのインタビューに応じました。
この中で本庶さんは「昨夜は帰って風呂に入り、食事をとるなどしていたら、午前0時になっていた。妻とは、受賞の連絡の直後に電話で短い会話をして以降はまだじっくり話していません」と述べました。
また、受賞を知らされた時の状況について「私の知っているノーベル財団の人から連絡を受け『これはフェイクニュースではないよ』と言われた。しかし、さらに確認のメールをお願いし、届いたメールを研究室に居合わせたみんなにみせて『これは間違いないな』と、ようやくその時点で確信した」と話しました。
そして今後について本庶さんは「ノーベル賞受賞者としてどういう役割があるか理解していないので、先輩の受賞者に聞いてみたいが、欧米先進国に比べて日本はライフサイエンスに投資する割合が少ないので、ライフサイエンス分野の振興に貢献していきたい」と話していました。
妻の滋子さん「ゴルフも研究熱心」
会見のあと本庶佑さんの妻、滋子さんは取材陣の質問に応えて「きのうは夫から『受賞の電話を受けた』という連絡をもらい『おめでとうございます』と話しました。うれしい驚きでした」と話しました。そのうえで夫の本庶さんについて「研究熱心で、ゴルフのフォームも同じく熱心に突き詰めています」と話していました。