陸上りくじょう日本にっぽん選手権せんしゅけん 最終さいしゅう日び 男女だんじょハードル種目しゅもくで大会たいかい記録きろく

女子じょし100mハードル 青木あおき益えき未ひつじが優勝ゆうしょう

新潟にいがた市しで開ひらかれている陸上りくじょうの日本にっぽん選手権せんしゅけんは大会たいかい最終さいしゅう日びの3日にち、女子じょし100メートルハードルの決勝けっしょうが行おこなわれ、日本にっぽん記録きろくを持もつ30歳さいの寺田てらだ明日香あすか選手せんしゅと、26歳さいの青木あおき益えき未み選手せんしゅの争あらそいに注目ちゅうもくが集あつまりました。

レースは、青木あおき選手せんしゅがスタートで飛び出とびだし、そのまま寺田てらだ選手せんしゅを抑おさえてフィニッシュし、大会たいかい記録きろくに並ならぶ13秒びょう02のタイムで2年ねんぶり2回かい目めの優勝ゆうしょうを果はたしました。寺田てらだ選手せんしゅは13秒びょう14で2位いでした。

自己じこベストとともに大会たいかい記録きろくも塗ぬりかえた青木あおき選手せんしゅは「完璧かんぺきなレースだった。寺田てらだ選手せんしゅのことを気きにして練習れんしゅうでやってきたことができなかったら意味いみがないので、気きにせず走はしろうと思おもった。スタートから差さをつけて自分じぶんのレーンだけを見みることができ、すごくいい走はしりができた」と会心かいしんのレースを振り返ふりかえりました。

そのうえで「準決勝じゅんけっしょうのあと、寺田てらだ選手せんしゅと自分じぶんの映像えいぞうを見みてどうすれば勝かてるかとイメージしながら心こころの準備じゅんびをした。今後こんごもきょうのように緊張きんちょう感かんを持もって走はしれるように頑張がんばっていきたい」と話はなしていました。

一方いっぽう寺田てらだ選手せんしゅは「きのう走はしってみて、調子ちょうしを合あわせられていないという印象いんしょうがあった。それでもできることをやろうと思おもって臨のぞんだが、このような大だい舞台ぶたいに調子ちょうしを合あわせることが大事だいじだ。それができないという意味いみではまだ足たりないところがあるのだと思おもう」と大会たいかいを振り返ふりかえりました。

そして、「去年きょねんは3位いだったので、一いち歩ほずつ前まえに進すすんでいる。娘むすめに金メダルきんめだるをあげられなくて残念ざんねんだが、スポーツで勝かつのは1人にんだけで、あとは負まけるので、その中なかでどう楽たのしむかをわかってもらえたらいいと思おもう」と自宅じたくでレースを見守みまもった6歳さいの長女ちょうじょ、果はて緒いとぐちちゃんに語かたりかけるように話はなしていました。

寺田てらだ 10年ねんぶりの優勝ゆうしょうならず

日本にっぽん記録きろく保持ほじ者しゃとして女子じょし100メートルハードルの決勝けっしょうに臨のぞんだ寺田てらだ明日香あすか選手せんしゅは、10年ねんぶりの日本一にっぽんいちにはわずかに届とどきませんでした。

寺田てらだ選手せんしゅは、今いまから12年ねん前まえの18歳さいのときに日本にっぽん選手権せんしゅけんで初はつ優勝ゆうしょう、そこから3連覇れんぱを果はたしました。

しかし、その後そのご、けがや病気びょうきに苦くるしみ23歳さいの若わかさで引退いんたいを決断けつだんし結婚けっこん、24歳さいで長女ちょうじょの果はて緒いとぐちちゃんを出産しゅっさんしました。

去年きょねんから再ふたたびレースに復帰ふっきした寺田てらだ選手せんしゅですが、その背景はいけいにはまな娘むすめ、果はて緒いとぐちちゃんの存在そんざいがありました。

寺田てらだ選手せんしゅは当時とうじを振り返ふりかえって「目標もくひょうとか夢ゆめがあって、そこに向むかっていく姿すがたを娘むすめに見みてほしいし近ちかくで感かんじてほしいと思おもった」とその理由りゆうを説明せつめいしました。

一度いちど決断けつだんした以上いじょう、徹底てっていした準備じゅんびをして陸上りくじょうに復帰ふっきした寺田てらだ選手せんしゅ。29歳さいで日本にっぽん記録きろくを更新こうしんし再ふたたび日本にっぽんのトップに戻もどってきました。

10年ねんぶりの日本一にっぽんいちを目指めざした3日にちの決勝けっしょうでは、ライバルの青木あおき益えき未み選手せんしゅにわずかに届とどきませんでしたが、テレビで応援おうえんしていた果はて緒いとぐちちゃんの心こころにはオリンピックを目指めざして奮闘ふんとうを続つづける母ははの姿すがたが刻きざまれたはずです。

男子だんし110mハードル 金井かない大だい旺が優勝ゆうしょう

男子だんしの110メートルハードルの決勝けっしょうは日本にっぽん記録きろくを持もつ高山たかやま峻たかし野選やせん手しゅと前まえの日本にっぽん記録きろく保持ほじ者しゃの金井かない選手せんしゅの争あらそいに注目ちゅうもくが集あつまりました。

レースはスタートで金井かない選手せんしゅが飛び出とびだし、後半こうはんに高山たかやま選手せんしゅが追い上おいあげましたが、金井かない選手せんしゅがそのまま逃にげきり、自身じしんがおととし出だした大会たいかい記録きろくに並ならぶ13秒びょう36で、2年ねんぶり2回かい目めの優勝ゆうしょうを果はたしました。

高山たかやま選手せんしゅは13秒びょう47で2位いでした。

大会たいかい記録きろくに並ならぶ13秒びょう36のタイムで優勝ゆうしょうした金井かない選手せんしゅは、「タイムはまだまだですが、フライングかと思おもうくらいいいスタートでとび出とびでして、勝かつことができました。今こんシーズンはトレーニングをしっかり積つんで技術ぎじゅつともかみ合かみあっていい走はしりにつながっています」と手応てごたえを口くちにしました。

そのうえで「集大成しゅうたいせいとなる東京とうきょうオリンピックに向むけてハードリングの技術ぎじゅつを見直みなおすなどして悔くいのないようにしたい」と意気込いきごんでいました。

2位いに終おわり大会たいかい連覇れんぱを逃のがした高山たかやま選手せんしゅは、「スタートで出遅でおくれたあと終始しゅうし、勝かてるところがなく、逆ぎゃくにすがすがしい気持きもちです。今いまは実力じつりょく不足ふそくで金井かない選手せんしゅに勝かてるビジョンがわかないので、来年らいねんに向むけて基礎きそ体力たいりょくを戻もどしてしっかりと戦たたかっていけるようにしたい」と冷静れいせいに巻き返まきかえしを誓ちかっていました。

男子だんし110mハードル 競きおい高たかめ合あうライバル

男子だんし110メートルハードルは、ここ2年間ねんかんで日本にっぽん記録きろく更新こうしんが相次あいついでいる種目しゅもくです。

そのきっかけを作つくったのが、金井かない大だい旺選手せんしゅです。22歳さいで出場しゅつじょうした2年ねん前まえ、2018年ねんの日本にっぽん選手権せんしゅけんで13秒びょう36の日本にっぽん新しん記録きろくをマーク、実じつに14年ねんぶりの日本にっぽん記録きろく更新こうしんでした。

これをきっかけに、2019年ねんは男子だんし110メートルハードルの記録きろくが大おおきく動うごきました。

その主人公しゅじんこうとなったのが金井かない選手せんしゅより1学年がくねん上じょうの高山たかやま峻たかし野選やせん手しゅです。

6月つきに自己じこベストを0秒びょう08更新こうしんして日本にっぽん記録きろくに並ならぶと、そのわずか1か月かげつ後ごにさらに0秒びょう06更新こうしんして13秒びょう30の日本にっぽん新しん記録きろくを樹立じゅりつ。そこから3週間しゅうかん後ごの大会たいかいで日本にっぽん記録きろくを13秒びょう25まで縮ちぢめました。

主役しゅやくを完全かんぜんに奪うばわれた形かたちの金井かない選手せんしゅですが、ことし2020年ねんに入はいって復調ふくちょう。8月つきに日本にっぽん記録きろくまで100分ぶんの2秒びょうに迫せまる13秒びょう27の日本にっぽん歴代れきだい2位いの好こう記録きろくをマークし、高山たかやま選手せんしゅと直接ちょくせつ対決たいけつした8月つきの2大会たいかいは、いずれも金井かない選手せんしゅが勝かっています。

ことしの最大さいだいの舞台ぶたい、日本にっぽん選手権せんしゅけんでも2人にんは前ぜん評判ひょうばん通どおり、準決勝じゅんけっしょうの各組かくくみをトップで通過つうかし、決勝けっしょうで雌雄しゆうを決けっしました。

（男子だんし110mハードル 日本にっぽん記録きろくの変遷へんせん）

2004年ねん8月つき 谷川たにがわ聡さとし 13秒びょう39

2018年ねん6月つき 金井かない大だい旺 13秒びょう36

2019年ねん6月つき 高山たかやま峻たかし野の 13秒びょう36

2019年ねん6月つき 泉谷いずみや駿介しゅんすけ 13秒びょう36

2019年ねん7月つき 高山たかやま峻たかし野の 13秒びょう30

2019年ねん8月つき 高山たかやま峻たかし野の 13秒びょう25（現げん日本にっぽん記録きろく）

（参考さんこう）

2020年ねん8月つき 金井かない大だい旺 13秒びょう27（日本にっぽん歴代れきだい2位い）

最終さいしゅう日び このほかの結果けっか

▽男子だんし200メートル決勝けっしょうは飯塚いいづか翔太しょうた選手せんしゅが向かい風むかいかぜ0.5メートルのなか、20秒びょう75で2年ねんぶりに優勝ゆうしょうしました。2位いは小池こいけ祐ゆう貴き選手せんしゅで20秒びょう88でした。

▽女子じょし200メートル決勝けっしょうは鶴田つるた玲美れいみ選手せんしゅが向かい風むかいかぜ0.1メートルのなか、自己じこベストを大幅おおはばに更新こうしんして、日本にっぽん歴代れきだい3位いとなる23秒びょう17のタイムをマークし初はつ優勝ゆうしょうを果はたしました。

女子じょし800m 川田かわた朱しゅ夏なつが初はつ優勝ゆうしょう

▽女子じょし800メートルの決勝けっしょうは、川田かわた朱しゅ夏なつ選手せんしゅが2分ふん3秒びょう54で初はつ優勝ゆうしょうを果はたしました。2位いは塩見しおみ綾乃あやの選手せんしゅ、3位いは卜部うらべ蘭らん選手せんしゅで、女子じょし1500メートルとの2冠かんを目指めざした田中たなか希のぞみ実じつ選手せんしゅは4位いでした。

川田かわた選手せんしゅは「今こんシーズン、優勝ゆうしょうがなくてずっと2位いや3位いだったので、絶対ぜったいに優勝ゆうしょうしたいと思おもっていた。リラックスして走はしると自分じぶんに言い聞いいきかせていて、500メートルあたりで抜ぬかれたが、焦あせらずに自分じぶんの走はしりができた」とレースを振り返ふりかえっていました。

一方いっぽう、田中たなか選手せんしゅは「最低さいていでもメダルが欲ほしかったので悔くやしいが、これで真摯しんし（しんし）な気持きもちで競技きょうぎと向き合むきあうことができるので、負まけてよかったと思おもう」と話はなしていました。

男子だんし走り高跳はしりたかとび 真野まや友博ともひろが初はつ優勝ゆうしょう

男子だんし走り高跳はしりたかとびは、真野まや友博ともひろ選手せんしゅが、2メートル30センチの好こう記録きろくで初はつ優勝ゆうしょうしました。

24歳さいの真野まや選手せんしゅは、先月せんげつの全ぜん日本にっぽん実業じつぎょう団だん選手権せんしゅけんで自己じこベストを3センチ更新こうしんする日本にっぽん歴代れきだい4位いの2メートル31センチを跳とんで勢いきおいに乗のっています。真野まや選手せんしゅは、2メートル10センチから跳とび始はじめ、ほかの選手せんしゅが次々つぎつぎと失敗しっぱいするなか、2メートル24センチまですべて1回かいで成功せいこうし、この時点じてんで初はつ優勝ゆうしょうを決きめました。

このあとは記録きろくを目指めざしてバーをあげ、2メートル27センチと2メートル30センチをともに最後さいごの1回かいでクリアし、自己じこベストとなる2メートル33センチに挑いどみました。

2回かい失敗しっぱいしたあとの最後さいごの3回かい目めは、会場かいじょうの手拍子てびょうしを受うけて跳躍ちょうやくしましたが、わずかに及およばす、結果けっかは2メートル30センチでした。

また、2メートル35センチの日本にっぽん記録きろくを持もつ戸と邉直人ただびと選手せんしゅは、2メートル10センチで12位いに終おわりました。

真野まや選手せんしゅは「去年きょねんは記録きろくなしだったので2メートル30センチ台だいで優勝ゆうしょうできてうれしい。筋力きんりょくも走はし力ちからも上あがり、好調こうちょうを維持いじできた。これからも結果けっかを残のこし、日本にっぽん記録きろくもねらいたい」と笑顔えがおで振り返ふりかえりました。

また、戸と邉選手せんしゅは「練習れんしゅうからいい形かたちでできず、思おもったよりも悪わるい結果けっかで残念ざんねんだ。技術ぎじゅつ的てきな練習れんしゅう不足ふそくに尽つきるので、オリンピックに向むけてゼロから練習れんしゅうを積つみたい」と淡々たんたんと話はなしていました。