去年5月、川崎市多摩区の路上でスクールバスを待っていた小学生と保護者が次々と包丁で刺されるなどし、当時、小学6年生だった栗林華子さん(11)と外務省職員の小山智史さん(39)が死亡したほか、40代の女性と児童17人が重軽傷を負いました。事件を起こした当時51歳の男はその場で自殺しました。
28日で1年となり、事件が起きた午前7時40分ごろには現場に多くの人が訪れ、花を手向けたり手を合わせたりして、犠牲になった2人を悼みました。また児童が通っていた小学校の教職員らも、現場で亡くなった2人の名前を呼んで祈りをささげました。
近くに住む74歳の女性は「亡くなった2人はもちろんですが、親のことを考えるとひとごとではなくつらいです。これからも2人を忘れずにいてあげたい」と話していました。
また、都内の学校の教員だという54歳の男性は「短い人生で終わってしまった女の子のことを考えると、本当にかわいそうです。教職員だけでは子どもの安全を守れないと痛感したので、地域の人や保護者と協力して子どもを守りたい」と話していました。
警察「二度と繰り返さない」
川崎市多摩区を管轄する多摩警察署では事件の発生時間にあわせて警察官が集まって犠牲者に黙とうをしました。地域では事件のあと、毎月28日に子どもの登校を見守る取り組みが続けられていて、倉林徹署長が「理不尽に命と日常を奪った大変痛ましい事件でした。あのような事件を二度と繰り返さないためにも、わが子を見守るつもりで臨んでほしい」と訓示しました。
そして近くの学校の校門に制服を来た警察官が立ち、休校中の課題提出で登校した子どもたちに「おはようございます」とか、「学校楽しみだった?」などと声をかけながら見守っていました。