ゴーン被告ひこく会見かいけん「到底とうてい受け入うけいれられない」東京とうきょう地検ちけんがコメント

中東ちゅうとうのレバノンに逃亡とうぼうした日産にっさん自動車じどうしゃの元もと会長かいちょうカルロス・ゴーン被告ひこく（65）は日本にっぽん時間じかんの昨夜さくや、首都しゅとベイルートで逃亡とうぼう後ご、初はじめて記者きしゃ会見かいけんを開ひらき、「起訴きそされた内容ないようはいずれも根拠こんきょがない」などと無実むじつを主張しゅちょうするとともに、日本にっぽんの司法しほう制度せいどについて「基本きほん的てきな人権じんけんの原則げんそくに反はんする」などと批判ひはんしました。

これを受うけて東京とうきょう地方ちほう検察庁けんさつちょうの齋藤さいとう隆博たかひろ次席じせき検事けんじは9日にち未明みめい、コメントを発表はっぴょうし「会見かいけん内容ないようはみずからの行為こういを不当ふとうに正当せいとう化かするものにすぎない。ゴーン被告ひこくの各かく犯行はんこうは適法てきほうに捜査そうさを進すすめ訴追そついに至いたったもので、日産にっさんと検察けんさつによる仕組しくまれた訴追そついであるとの主張しゅちょうは不ふ合理ごうりで全まったく事実じじつに反はんしている」などと批判ひはんしました。

そして「ゴーン被告ひこくの主張しゅちょうはわが国わがくにの刑事けいじ司法しほう制度せいどを不当ふとうにおとしめるもので到底とうてい受け入うけいれられない。日本にっぽんで裁判さいばんを受うけさせるべく関係かんけい機関きかんと連携れんけいし、できる限かぎりの手段しゅだんを講こうじる」としています。

ゴーン被告ひこくの逃亡とうぼうについて東京とうきょう地検ちけんがコメントを発表はっぴょうするのは今月こんげつ５ご日にちに続つづいて２に回かい目めで、日本語にほんごと英語えいごでホームページにも掲載けいさいしていて、日本にっぽんの司法しほう制度せいどの正当せいとう性せいを国際こくさい世論せろんにアピールするねらいがあるとみられます。

コメント全文ぜんぶん

齋藤さいとう次席じせき検事けんじが出だしたゴーン被告ひこくの記者きしゃ会見かいけんについてのコメントの全文ぜんぶんです。

被告ひこく人じんゴーンは、犯罪はんざいに当あたり得える行為こういをしてまで国外こくがい逃亡とうぼうしたものであり、今回こんかいの会見かいけん内容ないようも自みずからの行為こういを不当ふとうに正当せいとう化かするものにすぎない。

被告ひこく人じんゴーンが約やく130日間にちかんにわたって逮捕たいほ・勾留こうりゅうされ、また、保釈ほしゃく指定してい条件じょうけんにおいて妻つまらとの接触せっしょくが制限せいげんされたのは、現げんにその後そのご違法いほうな手段しゅだんで出国しゅっこくして逃亡とうぼうしたことからも明あきらかなとおり、被告ひこく人じんゴーンに高度こうどの逃亡とうぼうのおそれが認みとめられたことや、妻つま自身じしんが被告ひこく人じんゴーンがその任務にんむに違背いはいして日産にっさんから取得しゅとくした資金しきんの還流かんりゅう先さきの関係かんけい者しゃであるとともに、その妻つまを通をつうじて被告ひこく人じんゴーンが他たの事件じけん関係かんけい者しゃに口裏くちうら合あわせを行おこなうなどの罪つみ証しょう隠滅いんめつ行為こういを現げんに行いってきたことを原因げんいんとするもので、被告ひこく人じんゴーン自身じしんの責任せきにんに帰着きちゃくするものである。

このような自身じしんの犯おかした事象じしょうを度外視どがいしして、一方いっぽう的てきに我が国わがくにの刑事けいじ司法しほう制度せいどを非難ひなんする被告ひこく人じんゴーンの主張しゅちょうは、我が国わがくにの刑事けいじ司法しほう制度せいどを不当ふとうにおとしめるものであって、到底とうてい受け入うけいれられない。

また、当とう庁ちょうは、被告ひこく人じんゴーンによる本件ほんけん各かく犯行はんこうにつき、適正てきせいに端緒たんしょを得えて我が国わがくにの法ほうに従にしたがって適法てきほうに捜査そうさを進すすめ、訴追そついに至いたったものである。

本件ほんけんの捜査そうさにより、検察けんさつは被告ひこく人じんゴーンの犯おかした犯行はんこうについて、有罪ゆうざい判決はんけつが得えられる高度こうどの蓋然がいぜん性せいが認みとめられるだけの証拠しょうこを収集しゅうしゅうし、公訴こうそを提起ていきしたものであって、そもそも犯罪はんざいが存在そんざいしなければ、このような起訴きそに耐たえうる証拠しょうこを収集しゅうしゅうできるはずがなく、日産にっさんと検察けんさつにより仕組しくまれた訴追そついであるとの被告ひこく人じんゴーンの主張しゅちょうは不ふ合理ごうりであり、全まったく事実じじつに反はんしている。

当とう庁ちょうとしては、適正てきせいな裁判さいばんに向むけて主張しゅちょうやそれに沿そう証拠しょうこの開示かいじを行おこなってきたところ、被告ひこく人じんゴーンは、我が国わがくにの法ほうを無視むしし、処罰しょばつを受うけることを嫌きらい、国外こくがい逃亡とうぼうしたものであり、当とう庁ちょうは、被告ひこく人じんゴーンに我が国わがくにで裁判さいばんを受うけさせるべく、関係かんけい機関きかんと連携れんけいして、できる限かぎりの手段しゅだんを講こうじる所存しょぞんである。