日産自動車の
元会長、カルロス・ゴーン
被告が
逃亡先のレバノンで
記者会見し、
日産とルノーの
経営統合を
進めようとしたことで
失脚させられたと
主張したことについて、
日産の
西川廣人前社長は、「
不正の
話とは
全く次元の
違う話だ」と
述べ、
経営統合と
不正との
関わりを
否定しました。ゴーン
元会長は、
日本時間の
8日夜開いた
記者会見で、
日産とルノーの
経営統合を
進めようとしたことで
策略によって
失脚させられたと
主張し、
日産の
複数の
幹部が
関与したとして、
実名を
挙げました。
名前が挙がった幹部の1人の日産の西川前社長は9日朝、記者団に対し、「会見は、あの程度なら日本で話をすればいいという内容で、拍子抜けした。裁判で有罪になるのが怖いと逃げてしまったのか、私としてはまた裏切られたという感じが強い」と述べました。
そのうえでルノーとの経営統合を進めようとしたことで失脚させられたという主張について、「全くそういうことはない。ゴーン元会長による不正の話とは全く次元の違う話だ」と述べ、経営統合と不正との関わりを否定しました。
ゴーン元会長の多額の報酬などをめぐる不正について日産は、会社による内部調査の結果、不正行為を確認したためゴーン元会長の役職を解いたとし、損害賠償請求などで責任を追及していく方針を示しています。
西川廣人前社長とゴーン被告
西川廣人氏は、去年9月まで日産自動車の社長を務めていました。
1977年に日産に入社した西川氏は、ゴーン元会長が進め、業績のV字回復のきっかけとなった「日産リバイバル・プラン」で、購買担当として調達コストの削減などに取り組みました。そして、副会長などを経て、2017年4月、社長兼CEO=最高経営責任者に就任しました。
おととし11月、ゴーン元会長が金融商品取引法違反の疑いで逮捕された際には、記者会見してゴーン元会長の不正を説明しました。
事件の背景について西川氏は「ゴーン氏の長年にわたる統治の負の側面と言わざるをえない」と述べ、元会長への権限の集中が要因だという見方を示しました。
その後、経営体制の透明性を高めるための改革に取り組み、社外取締役を中心に人事や報酬などを決める「指名委員会等設置会社」への移行や、経営の主導権をめぐって関係がぎくしゃくしたルノーとの交渉に当たりました。
しかし、去年9月、みずからの不透明な報酬の問題などで社長を辞任しました。
西川氏は現在も日産の取締役ですが、来月18日に開かれる株主総会で取締役を退任し、日産の経営から退くことになります。