日韓の
軍事情報包括保護協定=GSOMIAは、
北朝鮮が
弾道ミサイルの
発射を
繰り返していた
3年前の2016
年11
月に
結ばれました。GSOMIAが
失効した
場合、
どんな影響が
あるのでしょうか。GSOMIAでは、
弾道ミサイルの
発射の
兆候など、
秘匿性の
高い軍事情報を
2国間で
交換するため、
情報を
適切に
保護する
仕組みを
定めていて、
情報を
取り扱う人を
限定している
ほか、
許可なく
第3国へ
提供しないことなどが
盛り込まれています。
協定に基づいてどのような情報を交換しているかは、具体的に明らかにされていませんが、北朝鮮の弾道ミサイルに関する情報などを共有したものとみられています。
北朝鮮の発射地点に地理的に近い韓国は、地上に配備したレーダーによって、具体的な発射地点などミサイルの発射時の情報を日本よりも多く収集できる一方、ミサイルの落下地点に地理的に近い日本は、自衛隊のイージス艦などで落下地点などの情報を正確に把握することができるとされ、双方の情報をあわせればミサイルの射程や軌道についてより正確な情報を得ることができるとされています。
協定は、日本と韓国のどちらかが破棄を通告しないかぎり、1年ごとに自動的に延長される取り決めになっていて、破棄する場合は、90日前に外交ルートを通じて通告しなければならないことになっています。
日韓のGSOMIAは、おととしと去年は自動的に延長されましたが、ことし8月、韓国政府が破棄を決めて日本政府に通告しました。
GSOMIA 失効した場合の影響
GSOMIAが失効した場合、今後、日本と韓国の軍事情報に関する情報共有は、アメリカを交えた日米韓3か国の間で締結された防衛当局間の取り決めによって行われるものとみられます。
この取り決めは、北朝鮮が弾道ミサイルを相次いで発射していた2014年12月に3か国の間で締結されました。
共有される情報は、北朝鮮の核とミサイルに関するものに限定され、脱北者による北朝鮮の内部情報などは、共有できないとされています。
また、この取り決めでは、日韓の間で直接情報をやり取りすることはできず、アメリカを介した形でしか情報共有できないことになっています。このため日本と韓国は、相手から情報を受け取るまで時間がかかるとされています。
韓国政府は、GSOMIAが失効しても日米韓3か国の取り決めがあるため、大きな影響はないと強調していますが、一部の軍事分野の専門家は、情報の共有までに時間がかかるほか、情報の質が低下し、北朝鮮への対応に影響が出る可能性があると指摘しています。