小４しょうよん男児だんじ死亡しぼう 重体じゅうたいの母親ははおやはふだんと変かわらぬ態度たいど 島根しまね

男の子おとこのこには刺さし傷きずなどがあり、警察けいさつは母親ははおやが無理むり心中しんじゅうを図はかった疑うたがいがあるとみて調しらべています。

警察けいさつによりますと男の子おとこのこは、母親ははおやによる虐待ぎゃくたいの疑うたがいがあるとして、ことし９月くがつ、児童じどう相談そうだん所しょに一時いちじ保護ほごされましたが、その後そのご、児童じどう相談そうだん所しょが母親ははおやなどに面会めんかいして虐待ぎゃくたいのおそれは低ひくいと判断はんだんし、先月せんげつ25日にちに自宅じたくに戻もどされました。

安来やすぎ市し教育きょういく委員いいん会かいによりますと、その後そのご、男の子おとこのこはほぼ毎日まいにち小学校しょうがっこうに通かよい、変かわった様子ようすは見みられなかったということです。

児童じどう相談そうだん所しょは一時いちじ保護ほごを解除かいじょしたあと、母親ははおやと連日れんじつ、電話でんわで連絡れんらくをとり、最後さいごに母親ははおやとやり取やりとりをした先月せんげつ29日にちも落ち着おちついた態度たいどだったということです。

一方いっぽう、母親ははおやは男の子おとこのこが一時いちじ保護ほごされる際さい、精神せいしん的てきに不安定ふあんていな様子ようすで医療いりょう機関きかんに通かよっていたということです。

事件じけん当時とうじ、父親ちちおやは病気びょうきで入院にゅういん中ちゅうで、母親ははおやと男の子おとこのこの２に人にんで生活せいかつしていたということで、警察けいさつは児童じどう相談そうだん所しょが母親ははおやと最後さいごに連絡れんらくを取とった先月せんげつ29日にち以降いこうの状況じょうきょうについて、詳くわしく調しらべることにしています。

事件じけんまでの経緯けいいは

児童じどう相談そうだん所しょに一時いちじ保護ほごされていた男の子おとこのこが自宅じたくに戻もどってわずか１いち週間しゅうかんで母親ははおやの無理むり心中しんじゅうに巻き込まきこまれたとみられる今回こんかいの事件じけん。

児童じどう相談そうだん所しょが説明せつめいして明あきらかになった経緯けいいをまとめました。

ことし９月くがつ10日にち、島根しまね県けんの中央ちゅうおう児童じどう相談そうだん所しょは安来やすぎ市しから母親ははおやによる身体しんたい的てき虐待ぎゃくたいや、食事しょくじをきちんと与あたえていないネグレクトの疑うたがいがあるという連絡れんらくを受うけ、翌よく11日にちに陸りくくんの一時いちじ保護ほごに踏み切ふみきります。

この時とき、母親ははおやは家いえに鍵かぎをかけて陸りくくんと会あわせないようにするなど、協力きょうりょく的てきではなかったということです。

その後そのごの児童じどう相談そうだん所しょや医療いりょう機関きかんの調査ちょうさで、陸りくくんにあざなどは確認かくにんされず、身体しんたい的てきな虐待ぎゃくたいはないと判断はんだんされました。

一方いっぽうで、母親ははおやが精神せいしん的てきに不安定ふあんていになると、陸りくくんの食事しょくじを作つくらなかったり、学校がっこうに行いかせなかったりしたことが確認かくにんされました。

こうした状況じょうきょうを踏ふまえて、児童じどう相談そうだん所しょは一時いちじ保護ほごから児童じどう養護ようご施設しせつなどに入所にゅうしょさせることを提案ていあんしましたが、母親ははおやも陸りくくんも応おうじなかったということです。

このため、児童じどう相談そうだん所しょは医療いりょう機関きかんや学校がっこう、安来やすぎ市しなどと連携れんけいしながら定期ていき的てきに家庭かてい訪問ほうもんをしたり、母親ははおやと陸りくくんに福祉ふくしサービスを行おこなったりする在宅ざいたくの支援しえんを提案ていあんし、提案ていあんに応おうじる形かたちで先月せんげつ25日にち、陸りくくんは自宅じたくに戻もどることになりました。

一時いちじ保護ほごが解除かいじょされるまでのおよそ２にか月かげつ半はんの間ま、児童じどう相談そうだん所しょは母親ははおやと面会めんかいし、精神せいしん的てきに不安定ふあんていな様子ようすが見みられたということですが、その後そのご、落ち着おちつきを取り戻とりもどし、再ふたたび虐待ぎゃくたいをするおそれは低ひくいと判断はんだんしました。

陸りくくんが自宅じたくに戻もどって以降いこう、先月せんげつ29日にちの先週せんしゅう金曜日きんようびまでの間ま児童じどう相談そうだん所しょは、ほぼ毎日まいにち、電話でんわで母親ははおやと連絡れんらくをとりあい、母親ははおやは食事しょくじの話はなしや学校がっこうの話はなしなどをしていたといいます。

最後さいごに母親ははおやから電話でんわがかかってきた29日にちの夜よるは、担当たんとうの職員しょくいんがいませんでしたが、別べつの職員しょくいんが「月曜日げつようびにもう一度もういちど連絡れんらくしてください」と伝つたえた際さいも、母親ははおやは非常ひじょうに落ち着おちついた様子ようすだったということです。

陸りくくんは、翌よく30日にちの土曜どよう日びの日にち中ちゅう、子こども向むけの福祉ふくしサービスを利用りようしたことが確認かくにんされていますが、その後そのご、母親ははおやから児童じどう相談そうだん所しょへの連絡れんらくはなく、２に日にち、アパートの部屋へやで陸りくくんと血ちを流ながして倒たおれているのが見みつかりました。

自治じち会長かいちょう「ごく普通ふつうの家族かぞくだと…」

亡なくなった増田ますだ陸りくくんは、44歳さいの母親ははおやと、父親ちちおやの３さん人にんで安来やすぎ市しのアパートで暮くらしていました。

毎月まいつき、自治じち会費かいひの集金しゅうきんでアパートを訪おとずれていたという女性じょせいは、母親ははおやについて、「おとなしそうな人ひとで、あまり周まわりの住民じゅうみんと交流こうりゅうしないような印象いんしょうだった。近所きんじょの人ひとたちとの交流こうりゅうもなく、寂さびしさが募つのっていたのかもしれないが、こんなことになるとは思おもわなかった」と話はなしていました。

また、３さん人にんが住すんでいた地区ちくで自治じち会長かいちょうをつとめていた男性だんせいは、「家族かぞく３さん人にんが数すう年ねん前まえに引っ越ひっこしてきた時ときにあいさつに来きた。父親ちちおやは愛想あいそもよく、話はなしやすい人ひとだった。自治じち会かいにも入はいってくれて、ごく普通ふつうの家族かぞくだと思おもっていた」と話はなしていました。

関係かんけい者しゃによりますと、母親ははおやは、精神せいしん的てきに不安定ふあんていで医療いりょう機関きかんに通かよっていたということです。

また、ことし８月はちがつには父親ちちおやが病気びょうきになって入院にゅういん生活せいかつを余儀よぎなくされ、陸りくくんは母親ははおやと２に人にんで生活せいかつしていました。

児童じどう相談そうだん所しょから戻もどってきた先月せんげつ25日にち以降いこうも母親ははおやと２に人にんきりで暮くらしていたということです。