イスラエル軍ぐん 地上ちじょう侵攻しんこう進すすめる “民間みんかん人じん犠牲ぎせいやむなし”

イスラエル軍ぐんの報道ほうどう官かんはアメリカのCNNテレビのインタビューで、イスラム組織そしきハマスの戦闘せんとう員いん1人にんを殺害さつがいするためにおおむね2人にんの民間みんかん人じんの犠牲ぎせいが出でていると伝つたえられたことについて、民間みんかん人じんの犠牲ぎせいはやむをえないという考かんがえを強調きょうちょうしました。

イスラエルやパレスチナに関にかんする日本にっぽん時間じかん12月つき6日にちの動うごきを、随時ずいじ更新こうしんでお伝おつたえします。

中心ちゅうしん都市としハンユニスへの空爆くうばく強つよめる

イスラエル軍ぐんはイスラム組織そしきハマスへの軍事ぐんじ作戦さくせんを続つづけ、特とくにガザ地区ちく南部なんぶの中心ちゅうしん都市としハンユニスへの空爆くうばくを強つよめています。

イスラエル軍ぐんの部隊ぶたいの司令しれい官かんは5日にち、SNSに「われわれはハンユニスの中心ちゅうしん部ぶにいる」と投稿とうこうし、市内しないに部隊ぶたいを進すすめたことを明あきらかにしました。ガザ地区ちくの保健ほけん当局とうきょくによりますと、戦闘せんとう開始かいしからこれまでの死者ししゃ数すうはガザ地区ちくで1万まん6248人にんにのぼっています。

こうしたなか、イスラエル軍ぐんの報道ほうどう官かんはアメリカのCNNテレビのインタビューで、ガザ地区ちくではイスラエル軍ぐんがハマスの戦闘せんとう員いん1人にんを殺害さつがいするためにおおむね2人にんの民間みんかん人じんの犠牲ぎせいが出でていると伝つたえられたことについて、「民間みんかん人じんを人間にんげんの盾たてとして利用りようするテロ組織そしきと軍ぐんとの紛争ふんそうにおいては、世界せかいでも類るいをみない非常ひじょうにポジティブな比率ひりつだ」と述のべ、一定いってい程度ていどの民間みんかん人じんの犠牲ぎせいはやむをえないという考かんがえを強調きょうちょうしました。

一方いっぽう、ハマスの政治せいじ部門ぶもんの幹部かんぶは5日にち夜よる、レバノンの首都しゅとベイルートで会見かいけんし、「イスラエルが侵攻しんこうをやめない限かぎり、交渉こうしょうも人質ひとじちの交換こうかんもない。人質ひとじちの命いのちに責任せきにんを負おっているのは、ネタニヤフ首相しゅしょうだ」などと述のべ、イスラエル側がわを批判ひはんしました。

アメリカの有力ゆうりょく紙し、ウォール・ストリート・ジャーナルは4日にち、イスラエル軍ぐんがハマスの地下ちかトンネルに海水かいすいを注入ちゅうにゅうすることを検討けんとうしていると伝つたえました。

アメリカ政府せいふの当局とうきょく者しゃの話はなしとして伝つたえたところによりますと、イスラエル軍ぐんの目的もくてきは地下ちかトンネルを破壊はかいし、ハマスの戦闘せんとう員いんを排除はいじょするためだとしています。記事きじでは人質ひとじちを解放かいほうする前まえに、この作戦さくせんに踏み切ふみきるかどうかははっきりしないとしています。

イスラム聖戦せいせん ハンユニスでの戦闘せんとうの様子ようすだとする映像えいぞう公開こうかい

イスラム組織そしきハマスと連帯れんたい関係かんけいにあるパレスチナの武装ぶそう組織そしきイスラム聖戦せいせんは5日にち、ガザ地区ちく南部なんぶのハンユニスでの戦闘せんとうの様子ようすだとする映像えいぞうを公開こうかいしました。

映像えいぞうでは戦闘せんとう員いんが建物たてものに隠かくれながら銃じゅうを撃うったり、市街しがい地ちを走り回はしりまわる様子ようすが確認かくにんできます。また、ロケット砲ほうや迫撃はくげき砲ほうを使つかって攻撃こうげきしている様子ようすも映うつされています。イスラム聖戦せいせんは映像えいぞうが撮影さつえいされた詳くわしい場所ばしょや時間じかんを明あきらかにしていません。

イスラエル軍ぐんの部隊ぶたいの司令しれい官かんは5日にち、ハンユニスの中心ちゅうしん部ぶに部隊ぶたいを進すすめたことを明あきらかにしていて、ハマスだけでなくイスラム聖戦せいせんも加くわわって戦闘せんとうが激化げきかしているものとみられます。

避難ひなんを繰り返くりかえしてきた人ひとたち「どこに行いけば」

イスラエル軍ぐんがガザ地区ちく南部なんぶでの地上ちじょう侵攻しんこうを進すすめ、ハンユニス周辺しゅうへんの住民じゅうみんに退避たいひを通告つうこくするなか、退避たいひ先さきとされた南部なんぶラファでは避難ひなんを繰り返くりかえしてきた人ひとたちが、苦くるしい生活せいかつを余儀よぎなくされています。

NHKガザ事務所じむしょのサラーム・アブタホンカメラマンが4日にち、南部なんぶラファの郊外こうがいで撮影さつえいした映像えいぞうでは、避難ひなんしてきた大勢たいせいの人ひとが道路どうろ脇わきにテントをたてて、家族かぞくが雨あめや寒さむさをしのげる場所ばしょを確保かくほしようとしている様子ようすが写うつっています。

なかには燃料ねんりょう不足ふそくで車くるまが動うごかせないため、ロバの荷車にぐるまに積つめるだけの家財かざい道具どうぐを積つんで避難ひなんしている人ひとたちの姿すがたもありました。

このうち、もともとはガザ市しに住すんでいて、避難ひなん先さきのハンユニスからより南みなみのラファへと再度さいどの避難ひなんを余儀よぎなくされた男性だんせいの一家いっかは、ラファ郊外こうがいの空き地あきちでテントを組み立くみたてていました。

持ち出もちだせたのはなべやフライパンなど一部いちぶの家財かざい道具どうぐだけで、男性だんせいは「避難ひなんしていたハンユニスでもテントで生活せいかつをしていたが、ラファに行いくように言いわれました。でも、このあとはどこに行いけばいいのでしょう。もともとはガザ市しにある難民なんみんキャンプの出身しゅっしんです。いまはそこの住民じゅうみんは誰だれも生いきていないと思おもいます。次つぎはエジプトに行いけとでも言いうのでしょうか」と話はなしていました。

また、別べつの男性だんせいは「もともとは北部ほくぶのベイトラヒヤに住すんでいましたが、避難ひなんしていた南部なんぶの学校がっこうが攻撃こうげきを受うけ、ラファに避難ひなんしてきました。どこにも安全あんぜんな場所ばしょはありません。テントをたてているこの場所ばしょも荒れ地あれちですが、ほかに選択肢せんたくしがないのです。避難ひなん所しょの学校がっこうもいっぱいで私わたしたちに行いくところはありません」と話はなしていました。