大坂選手は優勝から一夜明けた27日、現地、オーストラリアのメルボルンで報道陣の取材に応じました。白と黒、赤のワンピース姿で現れた大坂選手は、最初に記念撮影のため、優勝トロフィーを持って海岸沿いを歩きました。
このあと質問に応じ、大坂選手は現在の心境について「すごくうれしい気持ちと、少しびっくりした気持ちがある」と日本語で話しました。
全豪オープンでは精神面の成長を感じさせる粘り強い戦いが優勝に結び付き、大坂選手は「メンタルの強化を昨シーズンから最も心がけてきたし、そこがいちばん成長したところだと思う。ストロークがどんどんよくなってきているので、それに伴って自信がついているところが大きい」と分析しました。
さらに技術面では「ストロークの精度が上がったことに加えて、いちばんの武器のサーブが特によくなった。スピードよりも、コースをつくサーブでエースを取るために工夫できるようになった」と述べたうえで、「オフシーズンには本当にたくさん走り込んできた。とても大変だったが、優勝するためと自分に言い聞かせて頑張ってきて、今回はフルセットの戦いでも自信を持って相手に対じできた」と話していました。
そして逆転勝ちが続いた今大会、学んだことについて聞かれると「ベストを尽くして頑張っていれば、どんな局面でも必ずチャンスが巡ってくるということを学んだ」と話していました。
また、世界1位になることが確定したことについて、「それがいちばんの目標で、達成することに責任を感じていたので、とてもうれしく思っている。これからも、今までやってきたことをただ続けたい。今のいい状態をキープすることが大事だと思っている」と話しました。
このほか、今、食べたい物について聞かれると「やっぱりカツ丼かな。去年の全米オープンのあと、11月に東京に行って食べたら、とてもおいしかった」と笑顔も見せて話していました。
大坂選手はこのあと拠点のあるアメリカに戻り、来月、カタールで開かれるツアー大会に出場する予定です。
沢松奈生子さん「どこまで強くなるか楽しみ」
テニスの全豪オープンで初優勝した大坂なおみ選手について、全豪オープンでベスト8に入ったことがある沢松奈生子さんは、対応力の速さと精神面の強さを勝因に挙げました。
沢松さんは、大坂選手が決勝で対戦したチェコのペトラ・クビトバ選手の持ち味である左利きから繰り出される強力なサーブに早い段階で対応できたことを勝因の一つに挙げました。
沢松さんは「第1セットの第6ゲームあたりからコースや回転、ショットの鋭さに対応し、どこに立てばいいかアジャストしてきていると感じた。ここで捉えたなと思ったのは、第1セットのタイブレークの大坂選手の2ポイント目。クビトバ選手のいちばん得意なコースのサーブをバックハンドの見事なリターンエースでしとめたあの1本がすごく大きかった」と振り返りました。
また、精神面では最終の第3セットの第2ゲームを鍵に挙げ、「大坂選手が第1ゲームを嫌な感じで落とし、クビトバ選手は第2ゲームに勝負を懸けて攻めてきた。その第2ゲームで踏みとどまったことこそがメンタルの部分でいちばん大きな勝因になった」とたたえました。
また、今大会を通じて感じた大坂選手の成長については「今まではあまり使うことがなかった短くネット際に落とすドロップショットをたくさん使うようになった。発展途上ではあるが、あの1本を見せることで相手は後ろに下がることができなくなる。大坂選手は常に進化しようとしているし、その成長の速さに周りがついていけていない」と話しました。
そのうえで、今後に向けて「四大大会の中で大坂選手がおそらくいちばん苦手にしているのが、クレーコートとなる次の全仏オープン。ただ、大坂選手ならクレーコートにも対応できるのではないかという期待が膨らむ。かつて、ここまで伸びしろを残して世界1位になった選手を見たことがないので、大坂選手がどこまで強くなるのかがいちばんの楽しみだ」とさらなる飛躍に期待を寄せていました。