北朝鮮きたちょうせん 弾道だんどうミサイル3発はつ発射はっしゃ EEZ外がいに落下らっかか

これまでに、1月つきに7回かい、2月つきに1回かい、3月つきに3回かい、先月せんげつは1回かい、それぞれ弾道だんどうミサイルなどの発射はっしゃを繰り返くりかえし、今月こんげつは3回かい目めになります。

これまでの14回かいのうち、12回かいは弾道だんどうミサイルと推定すいていされ、もう1回かいも弾道だんどうミサイルの可能かのう性せいが指摘してきされています。

残のこりの1回かいは長距離ちょうきょり巡航じゅんこうミサイルと推定すいていされています。

このうち、3月つき24日にちの弾道だんどうミサイルは、日本にっぽんのEEZ＝排他はいた的てき経済けいざい水域すいいきの内側うちがわの、北海道ほっかいどうの渡島ととう半島はんとうの西にしおよそ150キロの日本海にほんかいに落下らっかしたと推定すいていされています。

飛ひしょう時間じかんが過去かこ最長さいちょうのおよそ71分ふんで、通常つうじょうより角度かくどをつけて打ち上うちあげる「ロフテッド軌道きどう」で発射はっしゃされ、最高さいこう高度こうどが6000キロを超こえてこれまでで最もっとも高たかいと推定すいていされています。

この弾道だんどうミサイルについて防衛ぼうえい省しょうは、2017年ねん11月つきのICBM＝大陸たいりく間かん弾道だんどうミサイル級きゅうの弾道だんどうミサイル「火星かせい15型がた」の発射はっしゃ時じの4000キロを大おおきく超こえる高度こうどで、おととし10月つきの北朝鮮きたちょうせんの軍事ぐんじパレードで初はじめて確認かくにんされた新型しんがたのICBM＝大陸たいりく間かん弾道だんどうミサイル級きゅうのミサイルとみて分析ぶんせきを続つづけており、通常つうじょうの弾道だんどうであれば、弾頭だんとうの重おもさ次第しだいでは、射程しゃていが1万まん5000キロを超こえ、アメリカ全土ぜんどが射程しゃていに含ふくまれる可能かのう性せいがあるということです。

このため、政府せいふは「次元じげんの異ことなる深刻しんこくな脅威きょういだ」として非難ひなんするとともに、北朝鮮きたちょうせんが挑発ちょうはつ行為こういを繰り返くりかえすおそれがあると見みて、アメリカや韓国かんこくなどと連携れんけいして、警戒けいかいを強つよめています。

そのうえで「弾道だんどうミサイルなどのたび重かさなる発射はっしゃも含ふくめ、一連いちれんの北朝鮮きたちょうせんの行動こうどうは、平和へいわと安全あんぜんを脅おびやかすもので、断だんじて容認ようにんできない。ウクライナへの侵略しんりゃくが発生はっせいしている中なかで立て続たてつづけにミサイルを発射はっしゃしていることは許ゆるされない」と述のべ、国連こくれん安保理あんぽり決議けつぎに違反いはんするものだとして非難ひなんし、北京ぺきんの大使館たいしかんルートを通をつうじて北朝鮮きたちょうせんに抗議こうぎしたことを明あきらかにしました。

防衛ぼうえい省しょうによりますと、北朝鮮きたちょうせんが一いち度どに3発はつ以上いじょうの弾道だんどうミサイルを発射はっしゃしたのは、2017年ねん3月つきに、中距離ちゅうきょり弾道だんどうミサイルの「スカッドER」を4発はつ発射はっしゃして以来いらいだということです。

この中なかで、両氏りょうしは、韓国かんこくのユン新しん政権せいけんの発足ほっそく直後ちょくごとなる12日にちの発射はっしゃも含ふくめ、北朝鮮きたちょうせんが核かく・ミサイル技術ぎじゅつの開発かいはつを強化きょうかしていることは、国際こくさい社会しゃかいへの明白めいはくかつ深刻しんこくな挑戦ちょうせんだという認識にんしきを共有きょうゆうしました。

また、北朝鮮きたちょうせんが国内こくないでの新型しんがたコロナの感染かんせん確認かくにんを明あきらかにしたことなど最新さいしん情勢じょうせいについて分析ぶんせきしつつ、国連こくれん安保理あんぽり決議けつぎに従したがった北朝鮮きたちょうせんの完全かんぜんな非核ひかく化かに向むけ、引き続ひきつづき、日にち米べい両国りょうこくや韓国かんこくを加くわえた3か国かこくで緊密きんみつに連携れんけいすることを改あらためて確認かくにんしました。

このタイミングでの発射はっしゃ、北朝鮮きたちょうせんのねらいは？。

【A1】

飛ひしょう体たいの種類しゅるいや飛行ひこう距離きょりなど詳くわしいことは分わかっていませんが、韓国かんこく軍ぐんの合同ごうどう参謀さんぼう本部ほんぶは弾道だんどうミサイルだとしています。

韓国かんこくでは10日にち、保守ほしゅ系けいのユン・ソンニョル大統領だいとうりょうが就任しゅうにんしました。

ユン大統領だいとうりょうは米べい韓かん同盟どうめいを基盤きばんに、北朝鮮きたちょうせんに対にたいする抑止よくし力りょくを強つよめていくとしているだけに、今回こんかいの発射はっしゃには、米べい韓かん両国りょうこくをけん制けんせいする狙ねらいがありそうです。

また、ユン大統領だいとうりょうは就任しゅうにん式しきでの演説えんぜつで北朝鮮きたちょうせんに対にたいし、実質じっしつ的てきな非核ひかく化かに転てんじるよう呼よびかけ、対話たいわする用意よういがあるという姿勢しせいを示しめしたばかりですが、間まを置おかずに発射はっしゃすることで、応おうじるつもりはないと反発はんぱつした形かたちです。

【Q2】

今後こんごの焦点しょうてんは？

【A2】

まずは、今回こんかいの飛ひしょう体たいが具体ぐたい的てきに何なになのかがポイントです。

北朝鮮きたちょうせんは、去年きょねん打ち出うちだした「国防こくぼう5か年かねん計画けいかく」に基もとづき、新型しんがたミサイルの発射はっしゃ実験じっけんを相次あいついで行いってミサイルの多様たよう化かを進すすめています。

キム総そう書記しょきは先月せんげつの軍事ぐんじパレードの際さいの演説えんぜつで「核かく武力ぶりょくを最大限さいだいげんの速度そくどで、さらに強化きょうか、発展はってんさせるための措置そちを取とっていく」と述のべており、次つぎの出方でかたも焦点しょうてんです。

2018年ねんに閉鎖へいさしたとしていた北東ほくとう部ぶプンゲリにある核かく実験じっけん場じょうでは、南側みなみがわの坑道こうどうで新あらたな動うごきが衛星えいせい写真しゃしんで捉とらえられています。

日にち米べい両りょう政府せいふは、今月こんげつ中ちゅうにも7回かい目めの核かく実験じっけんの準備じゅんびを終おえる可能かのう性せいがあると分析ぶんせきしていて、核かく弾頭だんとうの小型こがた化か・軽量けいりょう化かを進すすめるため核かく実験じっけんを強行きょうこうするという見方みかたが出でています。

来週らいしゅう21日にちには、アメリカのバイデン大統領だいとうりょうが韓国かんこくを訪問ほうもんし、米べい韓かん首脳しゅのう会談かいだんが予定よていされています。

北朝鮮きたちょうせんが、米べい韓かん同盟どうめいや日にち米べい韓かん3か国かこくの連携れんけいに揺ゆさぶりをかけようと、さらなる挑発ちょうはつに出でることも予想よそうされ、関係かんけい国こくによる警戒けいかいと監視かんしが続つづきそうです。