日本新聞: 知床観光船沈没1か月不明者捜索続く現場では船体つり上げへ

知床しれとこ観光かんこう船せん沈没ちんぼつ1か月かげつ不明ふめい者しゃ捜索そうさく続つづく現場げんばでは船体せんたいつり上つりあげへ

May 23, 2022 07:05

Furigana

北海道ほっかいどう・知床しれとこ半島はんとう沖おきで観光かんこう船せんが沈没ちんぼつし乗客じょうきゃく14人にんが死亡しぼう、12人にんの行方ゆくえが分わからなくなった事故じこは、23日にちで発生はっせいから1か月かげつとなります。

いまも行方ゆくえ不明ふめい者しゃの捜索そうさくが続つづけられているほか、沈没ちんぼつ現場げんばでは早はやければ23日にちにも船体せんたいを水面すいめん近ちかくの海中かいちゅうにつり上つりあげる作業さぎょうが行おこなわれる見通みとおしです。

先月せんげつ23日にち、知床しれとこ半島はんとうの沖合おきあいで乗客じょうきゃく・乗員じょういん26人にんを乗のせた観光かんこう船せん「KAZU 1」（19トン）が沈没ちんぼつした事故じこは、これまでに周辺しゅうへんの海域かいいきで見みつかった乗客じょうきゃく14人にんの死亡しぼうが確認かくにんされました。

発生はっせいから1か月かげつとなる今いまも12人にんの行方ゆくえが分わからないままで、第だい1管区かんく海上かいじょう保安ほあん本部ほんぶや自衛隊じえいたいなどは知床しれとこ半島はんとう周辺しゅうへんから北方ほっぽう領土りょうどの国後くなしり島とう周辺しゅうへんにかけての広ひろい範囲はんいで行方ゆくえ不明ふめい者しゃを捜さがしています。

しかし、現場げんば周辺しゅうへんの海域かいいきは潮しおの流ながれが速はやく、時間じかんの経過けいかとともに予測よそくされる漂流ひょうりゅうの範囲はんいも広ひろがり捜索そうさくは難航なんこうしています。

先週せんしゅうには、潜水せんすい士しが沈しずんだ船内せんないに入はいって捜索そうさくにあたったものの、手てがかりは見みつかりませんでした。

また、国後くなしり島とうの西側にしがわの海岸かいがんではこれまでに2人にんの遺体いたいが見みつかったとロシア側がわから連絡れんらくがあり、海上かいじょう保安ほあん本部ほんぶは観光かんこう船せんの乗客じょうきゃくか乗員じょういんの可能かのう性せいがないか確認かくにんを進すすめています。

一方いっぽう、深ふかさおよそ120メートルの海底かいていに沈しずんだ観光かんこう船せんについては、23日にち朝あさから引き揚ひきあげに向むけた準備じゅんび作業さぎょうが再開さいかいされます。

サルベージ会社かいしゃの作業さぎょう船せん「海うみ進すすむ」から潜水せんすい士したちがカプセルで海中かいちゅうにおろされ、飽和ほうわ潜水せんすいをして引き揚ひきあげ用ようのワイヤーをくくりつけるなどの作業さぎょうにあたる予定よていです。

早はやければ23日にち中ちゅうに、船体せんたいを水面すいめん付近ふきんの海中かいちゅうまでつり上つりあげる作業さぎょうを行おこない、24日にちにも作業さぎょう船せんの上うえに引き揚ひきあげることにしています。

このほか、事故じこをめぐっては、運航うんこう会社かいしゃの「知床しれとこ遊覧ゆうらん船せん」が観光かんこう船せんとの定点ていてん連絡れんらくを怠おこたっていたことや、十分じゅうぶんな連絡れんらく手段しゅだんを確保かくほしていなかったことなどずさんな安全あんぜん管理かんりの実態じったいが次々つぎつぎと明あきらかになっていて、海上かいじょう保安ほあん本部ほんぶは業務ぎょうむ上じょう過失かしつ致死ちしの疑うたがいで捜査そうさしています。