日本新聞: 愛知取水施設の大規模漏水別の川から農業用水の取水始まる

愛知あいち取水しゅすい施設しせつの大だい規模きぼ漏水ろうすい別べつの川かわから農業のうぎょう用水ようすいの取水しゅすい始はじまる

May 22, 2022 19:05 2

Furigana

愛知あいち県けん豊田とよだ市しの取水しゅすい施設しせつで大だい規模きぼな漏水ろうすいが起おきて農業のうぎょう用水ようすいの利用りよう停止ていしが続つづく中なか、22日にち午後ごごから、市内しないの別べつの川かわからポンプで水みずをくみ上くみあげて農業のうぎょう用水ようすいを確保かくほする作業さぎょうを行おこないました。

豊田とよだ市しの取水しゅすい施設しせつで起おきた大だい規模きぼな漏水ろうすいを受うけ、東海とうかい農政のうせい局きょくは施設しせつのある矢作やはぎ川がわに109台だいのポンプ設置せっちを進すすめ水すいをくみ上くみあげる応急おうきゅう措置そちを行おこなっていますが、農業のうぎょう用水ようすいは供給きょうきゅうの停止ていしが続つづいています。

こうした中なか、農業のうぎょう用水ようすいを管理かんりする明治めいじ用水ようすい土地とち改良かいりょう区くは22日にち、市内しないを流ながれる猿渡さるわたり川がわから水みずをくみ上くみあげるため、新あらたにポンプを設置せっちしました。

当初とうしょは5台だいを設置せっちする予定よていでしたが、スペースがないため2台だいの設置せっちにとどまり、予定よていより3時間じかん遅おくれた午後ごご4時じごろに水みずのくみ上くみあげが始はじまりました。

明治めいじ用水ようすい土地とち改良かいりょう区くによりますと、新あらたなポンプで取水しゅすいできる量りょうはこのエリアに通常つうじょう流ながれる水みずの量りょうのおよそ16分ぶんの1だということで、別べつの川かわにもさらにポンプを設置せっちするなどして水みずの確保かくほを急いそぐことにしています。

明治めいじ用水ようすい土地とち改良かいりょう区く工務こうむ課かの中野なかの秀一ひでかず課長かちょうは「今回こんかい、猿渡さるわたり川がわから取水しゅすいできたのは大おおきなことだと思おもっています。農家のうかの方ほうにはご迷惑めいわくをおかけして大変たいへん申し訳もうしわけないですが、土地とち改良かいりょう区くでも給水きゅうすいの準備じゅんびを進すすめていますので、もうしばらくお待おまちください」と話はなしていました。

農家のうか「田植たうえができないかも」

農業のうぎょう用水ようすいの供給きょうきゅうが止とまり、田植たうえができない農家のうかからは「1時間じかんでも早はやく復旧ふっきゅうしてほしい」という声こえが聞きかれました。

愛知あいち県けん知立ちりゅう市しで農業のうぎょうを営いとなむ岡田おかだ忠雄ただおさん（82）は0.6ヘクタールの水田すいでんで、晩稲ばんとう品種ひんしゅの「あいちのかおり」を栽培さいばいしています。

もともと22日にちに田植たうえをする予定よていで準備じゅんびをしてきましたが、農業のうぎょう用水ようすいの供給きょうきゅうが止とまり、水田すいでんの水みずがほとんどなくなったため、先送さきおくりすることになりました。

岡田おかださんは22日にち、苗なえが枯かれるのを防ふせごうと、少すこしでも水みずがあるところに移うつしていました。

岡田おかださんは「これだけ気温きおんが高たかく水みずの蒸発じょうはつが早はやいと、ことしは田植たうえができないかもしれない」と懸念けねんを示しめしていました。

そして東海とうかい農政のうせい局きょくが近日きんじつ中ちゅうに試験しけん的てきな措置そちとして供給きょうきゅうを始はじめたいという見通みとおしを明あきらかにしたことについて、「半なかば諦あきらめ半分はんぶんの気持きもちだが、1日にちでも1時間じかんでも早はやく復旧ふっきゅうすることを願ねがって待まつばかりです」と話はなしていました。