一方、バッハ会長は「私たちはウクライナの人々、特にウクライナのオリンピックの関係者との連帯を示すためにここに来た」と述べました。そのうえでバッハ会長はウクライナのスポーツ界に対する支援を強化するための基金を従来の3倍に当たる750万ドル、日本円で10億円余りに増額することを明らかにしました。
さらにゼレンスキー大統領は「各国から受け取った高機動ロケット砲システム=ハイマースなどの兵器が重要な役割を果たしていて、われわれは徐々に前進している」として抗戦を続ける姿勢を強調するとともに欧米各国からの軍事支援の重要性を訴えました。
ルハンシク州の親ロシア派の武装勢力の指導者パセチニク氏は3日、SNSに「われわれの歴史に永遠に刻まれる日だ」などと投稿しました。
ただゼレンスキー大統領はこの日ウクライナを訪問したオーストラリアのアルバニージー首相との会談後の記者会見で「リシチャンシク周辺での戦闘は続いている」と述べました。
ウクライナからの穀物の輸出はロシア軍の海上封鎖によって滞っている上、ウクライナ側はロシアが穀物を盗んで運び出していると非難していますが、ロシア側は否定しています。
ウクライナの公共放送はドネツク州政府の報道官の話として、スロビャンシクへの攻撃で6人が死亡し15人がけがをしたと伝えています。
スイス政府によりますと、会議には日本を含め欧米などおよそ40か国の政府関係者のほか、EU=ヨーロッパ連合の機関や世界銀行など国際機関の代表も出席する予定です。ウクライナ政府は先月、ロシアの軍事侵攻によるインフラの被害はこれまでのところ総額で1040億ドル、日本円にしておよそ14兆円に上ると明らかにしています。ウクライナ政府としては今回の会議をばく大な資金が必要となる復興の出発点と位置づけ各国から長期的な支援を取り付けたい考えとみられます。
このあとアルバニージー首相はウクライナのゼレンスキー大統領と会談しました。会談後の記者会見でアルバニージー首相は「オーストラリアはウクライナが勝利をおさめるまでウクライナ政府と国民を支援し続ける用意がある」と述べたうえで、ロシアの政府高官などに対する新たな経済制裁のほか、ドローンの供与など追加の軍事支援を行うことを明らかにしました。これに対しゼレンスキー大統領は「ロシアとの戦闘の中で兵器が十分に足りているということは決してない。オーストラリアの支援に感謝する」と述べました。
ゼレンスキー大統領「スロビャンシクで6人死亡 女の子も犠牲」
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ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる4日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
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