日本新聞: 臨時休校学童保育の現場は困難な状況に大阪

臨時りんじ休校きゅうこう学童がくどう保育ほいくの現場げんばは困難こんなんな状況じょうきょうに大阪おおさか

Mar 4, 2020 16:03

Furigana

突然とつぜんの臨時りんじ休校きゅうこうによって、朝あさから子こどもを受け入うけいれることになった学童がくどう保育ほいくの現場げんばは、国くにや自治体じちたいからの十分じゅうぶんなサポートがない中なか、職員しょくいんの確保かくほやマスクや消毒しょうどく液えきの不足ふそくなど困難こんなんな状況じょうきょうに直面ちょくめんしています。大阪おおさか東成ひがしなり区くでＮＰＯえぬぴ-お-法人ほうじんが運営うんえいする「かわせみ学童がくどう保育ほいく所しょ」です。臨時りんじ休校きゅうこうに合あわせて朝あさ８はち時じから20人にんほどの子こどもたちを受け入うけいれていますが、大おおきな困難こんなんに直面ちょくめんしています。

１ひとつ目めが「マスクと消毒しょうどく液えきの調達ちょうたつ」です。

感染かんせん防止ぼうしの対策たいさくとして、職員しょくいんはマスクを着用ちゃくようし、机つくえやドアノブなどを１いち日にち数すう回かいアルコールで消毒しょうどくしていますが、こうしたマスクや消毒しょうどく液えきは自分じぶんたちで調達ちょうたつしなければなりません。最近さいきんは、休やすみの職員しょくいんが朝あさからドラッグストアに並ならんでいますが、買かえないことも多おおく、消毒しょうどく用ようのアルコールはあと２に日にちでなくなってしまいます。

２ふたつ目めが「子こどもどうしの距離きょりの確保かくほ」です。

厚生こうせい労働ろうどう省しょうや文部もんぶ科学かがく省しょうは、学童がくどう保育ほいくでは子こどもどうしができるかぎり接触せっしょくしないよう、席せきの間隔かんかくを１いちメートル以上いじょう離はなすことを求もとめています。しかし、この学童がくどう保育ほいく所しょはスペースが限かぎられていて、子こどもたちが遊あそんだり食事しょくじをしたりするとき、すぐ近ちかくに座すわらなければならず、国くにが求もとめる距離きょりをとるのは難むずかしいのが実情じつじょうです。

３みっつ目めが「働はたらく職員しょくいんの確保かくほ」です。

職員しょくいんは最低さいていでも２に人にんが朝あさ８はち時じに出勤しゅっきんする必要ひつようがあり、５ご人にんの職員しょくいんでやりくりしていますが、突然とつぜんのことで対応たいおうが難むずかしく、１いち日にちの勤務きんむが11時間じかんを超こえる職員しょくいんも出でているということです。

そして４よっつ目めが「経済けいざい的てきな手当てあてが不十分ふじゅうぶんなこと」です。

国くには朝あさから運営うんえいすることになった学童がくどう保育ほいく所しょに対にたいし、１いち日にちにつき１いち万まん200円えんの補助ほじょを出だす予定よていですが、運営うんえい時間じかんが長ながくなった分ぶんの人件じんけん費ひや光熱こうねつ費ひなどを賄まかなうには足たりず、この学童がくどう保育ほいく所しょでは今月こんげつはおよそ５ご万まん円えんの赤字あかじになる見込みこみです。

かわせみ学童がくどう保育ほいく所しょの職員しょくいん、中西なかにし三さん保ほさんは「国くにはこうした現場げんばの実態じったいが分わかっていないと感かんじています。子こどもたちや保護ほご者しゃのことを考かんがえて私わたしたち現場げんばは、何なんとかして学童がくどう保育ほいく所しょを開あけようと努力どりょくしています。国くには現場げんばに責任せきにんを押おしつけるのではなく、現場げんばの状況じょうきょうを知しったうえで安心あんしんして学童がくどう保育ほいくを開あけるよう、努力どりょくしてもらいたい」と話はなしていました。