自民じみん 河井かわい案あん里さと議員ぎいんの秘書ひしょら２に人にん 公選法こうせんほう違反いはんで起訴きそ 百ひゃく日にち裁判さいばんへ

２に人にんは去年きょねん７月しちがつの参議院さんぎいん選挙せんきょで、陣営じんえいの14人にんのウグイス嬢じょうに法律ほうりつの規定きていを超こえる報酬ほうしゅうを支払しはらったとして、公職こうしょく選挙せんきょ法ほう違反いはんの運うん動員どういん買収ばいしゅうの罪つみに問とわれています。

一方いっぽう、ともに逮捕たいほされた71歳さいの元もと陣営じんえい幹部かんぶは処分しょぶん保留ほりゅうで釈放しゃくほうされました。

検察けんさつはそれぞれの権限けんげんや役割やくわりなどを調しらべた結果けっか、議員ぎいん本人ほんにんの当選とうせんを無効むこうとする連座れんざ制せいの対象たいしょうに立道たつみち秘書ひしょが該当がいとうすると判断はんだんし、起訴きそから100日にち以内いないに判決はんけつを出だすよう求もとめる「百ひゃく日にち裁判さいばん」を24日にち、広島ひろしま地方ちほう裁判所さいばんしょに申し立もうしたてました。

立道たつみち秘書ひしょは当時とうじ、選挙せんきょカーの運行うんこう計画けいかくを作成さくせいするなどしていて、検察けんさつは連座れんざ制せいの対象たいしょうとなる「組織そしき的てき選挙せんきょ運動うんどう管理かんり者しゃ」と判断はんだんしたということです。

関係かんけい者しゃによりますと、捜査そうさ段階だんかいの調しらべに対にたいし立道たつみち秘書ひしょは容疑ようぎを認みとめていて、今後こんごの刑事けいじ裁判さいばんで禁錮きんこ以上いじょうの刑けいが確定かくていし、検察けんさつが連座れんざ制せいの適用てきようを求もとめる訴うったえを起おこして認みとめられれば、案あん里さと議員ぎいんの当選とうせんは無効むこうとなります。

一方いっぽう、検察けんさつは河井かわい議員ぎいん夫妻ふさいから任意にんいで複数ふくすう回かい、事情じじょうを聴きいていて、引き続ひきつづき陣営じんえいの選挙せんきょ運動うんどうの実態じったい解明かいめいを進すすめるものとみられます。

河井かわい夫妻ふさいがコメント「おわび申し上もうしあげる」

自民党じみんとうの河井かわい案あん里さと参議院さんぎいん議員ぎいんは、コメントを出だし「当該とうがい選挙せんきょにおいて多おおくの方々かたがたや後援こうえん会かい関係かんけい者しゃの皆様みなさまなど、本当ほんとうにたくさんのご支援しえんをいただいたにもかかわらず、このような事態じたいとなりましたことを心こころからおわび申し上もうしあげます」としています。

そのうえで「これまで検察けんさつ庁ちょうの捜査そうさに対にたいしては真摯しんし（しんし）に協力きょうりょくしてまいりましたが私わたし自身じしん、検察庁けんさつちょうにおける捜査そうさ内容ないようの詳細しょうさいについては把握はあくできておりませんので、今後こんごは、刑事けいじ裁判さいばんの行方ゆくえを注視ちゅうししてまいりたいと存ぞんじます」としています。

また、河井かわい克行かつゆき 前ぜん法務ほうむ大臣だいじんもコメントを出だし、「本件ほんけんの事実じじつ関係かんけいや刑事けいじ責任せきにんにつきましては、今後こんごの裁判さいばんにおいて明あきらかになるものと存ぞんじますが、昨年来さくねんらい、国民こくみんの皆様みなさま、地元じもと支援しえん者しゃの方々かたがたをはじめとする関係かんけい者しゃの方々かたがたに多大ただいなご迷惑めいわくとご心配しんぱいをおかけしておりますこと、また、政策せいさく担当たんとう秘書ひしょが起訴きそされる事態じたいに至いたりましたことを深ふかくおわび申し上もうしあげます」としています。

立道たつみち秘書ひしょの役割やくわりは

関係かんけい者しゃによりますと、立道たつみち浩ひろし秘書ひしょは参議院さんぎいん選挙せんきょが公示こうじされる前まえの去年きょねん５月ごがつごろから陣営じんえいに入はいり、選挙せんきょカーの運行うんこう計画けいかくの作成さくせいやウグイス嬢じょうへの報酬ほうしゅうの支払しはらいなどを担当たんとうしていました。

河井かわい案あん里さと議員ぎいんが平成へいせい21年ねんの広島ひろしま県知事けんちじ選挙せんきょに立候補りっこうほした際さい、選挙せんきょカーの運転うんてん手しゅだったのが立道たつみち秘書ひしょで、道路どうろ事情じじょうに詳くわしかったことなどから、去年きょねんの選挙せんきょでも陣営じんえいに入はいるよう誘さそわれたということです。

車くるまの走行そうこうルートや街頭がいとう演説えんぜつの場所ばしょ、それにウグイス嬢じょうの弁当べんとうの手配てはいなども任まかされていたということです。

選挙せんきょ当時とうじ、秘書ひしょではありませんでしたが、案あん里さと議員ぎいんの当選とうせんを受うけて、投開票とうかいひょう日びの８はち日にち後ごに公設こうせつ第だい二に秘書ひしょに採用さいようされました。

連座れんざ制せい対象たいしょうの「組織そしき的てき選挙せんきょ運動うんどう管理かんり者しゃ」とは

連座れんざ制せいの対象たいしょうとなる「組織そしき的てき選挙せんきょ運動うんどう管理かんり者しゃ」は選挙せんきょ運動うんどうの計画けいかく立案りつあんや運動うんどう員いんの指揮しき・監督かんとくにあたる人物じんぶつが想定そうていされています。

平成へいせい６ろく年ねんの公職こうしょく選挙せんきょ法ほうの改正かいせいで、連座れんざ制せいの適用てきよう範囲はんいを拡大かくだいするため、新あらたに候補こうほ者しゃの秘書ひしょとともに、対象たいしょうに加くわわりました。

連座れんざ制せいに向むけたこれまでの裁判さいばんの判決はんけつでは、「組織そしき的てき選挙せんきょ運動うんどう管理かんり者しゃ」に該当がいとうする人物じんぶつとして、

▽ビラ配くばりや街頭がいとう演説えんぜつなどの計画けいかくを立たてて調整ちょうせいを行おこなう、いわば司令しれい塔とうの役割やくわりをする者もの、

▽運動うんどう員いんへの指揮しき・監督かんとくをするいわば前線ぜんせんのリーダーの役割やくわりをする者もの、

▽運動うんどう員いんの弁当べんとうや車くるまの手配てはい、個人こじん演説えんぜつ会場かいじょうの確保かくほを取とりしきるなど、選挙せんきょ運動うんどうの後方こうほう支援しえんを管理かんりする者ものなどがあげられています。

「百ひゃく日にち裁判さいばん」過去かこの事例じれい

公職こうしょく選挙せんきょ法ほうでは連座れんざ制せいの適用てきようが想定そうていされる選挙せんきょ違反いはん事件じけんについて、裁判所さいばんしょが起訴きそから30日にち以内いないに初はつ公判こうはんを開ひらき、100日にち以内いないに判決はんけつを出だすよう努つとめなければならないと規定きていしています。

裁判さいばんが長引ながびくことで当選とうせんした候補こうほ者しゃの任期にんき中ちゅうに結論けつろんが出でず、連座れんざ制せいの効果こうかが失うしなわれるのを避さけるのが目的もくてきです。

国会こっかい議員ぎいんの連座れんざ制せい適用てきように向むけた裁判さいばんでは、平成へいせい24年ねんの衆議院しゅうぎいん選挙せんきょで鹿児島かごしま県けんの選挙せんきょ区くで当選とうせんした議員ぎいんの親族しんぞくに対にたいし、起訴きそされてから92日にち目めに１いち審しんの判決はんけつが言い渡いいわたされました。

判決はんけつが出でる前まえに議員ぎいんは辞職じしょくし、その後そのご、１いち審しんの有罪ゆうざい判決はんけつが確定かくていしました。

検察けんさつは連座れんざ制せいの適用てきようを求もとめる行政ぎょうせい訴訟そしょうを起おこし、提訴ていそからおよそ２にか月かげつ後ごに、同おなじ選挙せんきょ区くから５ご年間ねんかん、立候補りっこうほを禁止きんしする判決はんけつが確定かくていしました。

また、平成へいせい21年ねんの衆議院しゅうぎいん選挙せんきょで北海道ほっかいどうの選挙せんきょ区くで当選とうせんした議員ぎいんの陣営じんえい幹部かんぶが、罪つみに問とわれたケースでは、起訴きそされてから98日にち目めに１いち審しんの判決はんけつが言い渡いいわたされました。

その後そのご、最高裁さいこうさいまで争あらそわれましたが、陣営じんえい幹部かんぶの有罪ゆうざいが確定かくていするまでの期間きかんは起訴きそからおよそ10か月かげつで、通常つうじょうの裁判さいばんより大幅おおはばに短縮たんしゅくされました。

有罪ゆうざい判決はんけつの確定かくていを受うけて、検察けんさつは連座れんざ制せいの適用てきようを求もとめる行政ぎょうせい訴訟そしょうを起おこし、提訴ていそからおよそ３さんか月かげつ後ごに同おなじ選挙せんきょ区くでの５ご年間ねんかんの立候補りっこうほ禁止きんしの判決はんけつが確定かくていしました。

菅かん官房かんぼう長官ちょうかん「本人ほんにんが必要ひつような説明せつめいを」

菅かん官房かんぼう長官ちょうかんは午後ごごの記者きしゃ会見かいけんで、「個別こべつ事件じけんの検察けんさつ当局とうきょくの事件じけん処理しょりについて、コメントすることは差し控さしひかえたい」と述のべました。

その上うえで、「政治せいじ家か個人こじんは常つね日頃ひごろから、みずからの行動こうどうについて説明せつめい責任せきにんを果はたす必要ひつようがあると考かんがえており、ご本人ほんにんが必要ひつような説明せつめいをされるものだと思おもう」と述のべました。