山梨県によりますと、1日、県内で新たに2人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたということです。
このうち1人は県内に住む0歳の女の子で、31日、心肺停止の状態で山梨大学医学部附属病院に搬送されてきたということです。
病院がPCR検査を行ったところ、新型コロナウイルスの感染の陽性が確認されたということです。
県によりますと、女の子には肺炎の症状があり現在、集中治療室で治療を受けています。
また、女の子の両親はPCR検査で陰性が確認されたということで、県は感染した経緯などを調査しています。
厚生労働省は「乳児が感染するケースはこれまでにもあったが、重症化したのは初めてではないか」としています。
乳児は重症する割合高い 中国の研究グループ
中国の研究グループが新型コロナウイルスへの感染が確認されたり、感染した疑いがあったりした子ども合わせて2000人余りの症状を調べたところ、1歳未満の乳幼児など年齢が低いほど重症化する割合が高かったことがわかりました。
これは中国の小児科の病院や大学などの研究グループがアメリカの医学雑誌の電子版で発表したものです。
グループではことし1月中旬から2月上旬までに中国国内で新型コロナウイルスへの感染が確認されたり、症状などから感染した疑いがあったりした18歳未満の子ども、合わせて2143人について、症状などを分析しました。
その結果、症状の重さは、
▽軽症の子どもが、全体のおよそ半数にあたる1091人、
▽中等症の子どもが全体のおよそ39%にあたる831人、
また、
▽無症状の子どもが94人となりました。
一方で、およそ6%にあたる127人が重症化し、このうち2人が死亡していました。
子どもが重症化する割合を年齢別に分析すると
▽1歳未満が、10.6%
▽1歳から5歳が7.3%
▽6歳から10歳が4.2%
▽11歳から15歳が4.1%
▽16歳以上が3%となり、年齢の低い子どもほど重症化する割合が高くなっていました。
研究グループでは、「子どもたちの症状は大人に比べると重くはなかったが、幼い子ども、特に乳幼児は新型コロナウイルスの感染により、重くなりやすい」と結論づけています。
専門家「子どもも絶対安全とはいえず」
子どもが重症化するケースは、高齢者に比べると少ないものの、中国などで報告されています。
中国の研究グループは、中国 武漢で、ことし1月、新型コロナウイルスに感染して肺炎などの症状が出て入院した1歳から7歳の子ども6人のケースについて報告していて、このうちの1人は重症化して集中治療室で治療を受けたということです。
これらのケースでは、全員が回復し、退院したということです。
また、中国の疾病予防センターが2月11日までに中国本土で新型コロナウイルスの感染が確認されたおよそ4万5000人のデータを分析した結果、10歳未満の子どもで感染が確認されたのは全体の0.9%にあたる416人で、死亡したケースはなかったとしています。
子どもの感染症に詳しい愛知医科大学の森島恒雄客員教授は「子どもは重症化しにくいと言われてきたが、最近、海外からは特に3歳未満の子どもが重症化したケースの報告が出てきている。子どもが感染しても絶対に安全だとはいえず、特に保育所や幼稚園など小さな子どもを扱う施設での予防策の徹底が重要だ」と話しています。